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205/302

205.エルとハノウセクの街をデートです!1

 子青ヘビちゃんから聞いた事をアレクサンドラ様に告げるとアレクサンドラ様はこくりと頷きました。


「花が咲いている時期にいっぱい収穫するようにします」

「是非! お願いしますね!」


 収穫も全部女性だけでやっているそうで。花の咲く範囲には騎士も配置して見知らぬ者を入れないようにしているらしいです。

 アレクサンドラ様と物々交換をして音遮断を解除しました。ちゃんといっぱーい! 用意してくれてましたよ。ナプキン。これで私がいつ生理になっても安心だね。あ、でもウィング付きとか夜用とか教えればよかった? ずれ防止のテープとか。テープの代用って何かあるのかなぁ? それはまた今度でもいいか。

 お互いにまずは女性達で試してみて、互いに意見を纏めてまたお話しましょうという事になったよ。

 ……うん。私、また来なきゃないよね? あれ?


「今日もすぐお帰りになるのですか?」

「ええと……街を見てみたいなーと……エルいい?」

「時間はまだあるし大丈夫だ」


 王都が見られなかったからね。エルが気にしてたのでハノウセクの街を見るのはOKになったんだよね。


「では! 是非案内を!」

 

「いいです」

「いらない」


 ハルダ・ハノウセクの申し出を私とエルが速攻で断るとハルダ・ハノウセクがしょげてしまった。


「あなた? 邪魔をしてはいけないでしょう?」


 邪魔! はっきりそう言うアレクサンドラ様が素敵です! 邪魔というか私はのんびり気ままに見て回りたいだけなんだけどね。ツィブルカだと行き先とか告知してから行っているからねぇ。

 帰りも適当に帰るから気にしなくていいとエルが言うと、ハノウセクでは黒い空飛ぶ馬、ぺガスが現れたら通行料もいらないし、そのまま通して構わないと周知されているのでそのまま門も出られますので、とハルダ・ハノウセクに言われてエルと二人で顔を合わせた。


 え? いや、それ、どうなってるのよ? 大丈夫なの?


 聞けば黒いぺガスは女神の使いの乗り物なのでとツィブルカの名は一切出していないとアレクサンドラ様がにこやかに言った。

 ……セーフ? アウト? マジで大丈夫なのかな?

 とりあえずセンと別行動する事も考えられないので一緒に移動します。

 ここでハルダ・ハノウセク夫妻とはお別れです。またねー!



「うふふー楽しみー!」


 自由に街を見られるのが嬉しい。……なんでツィブルカで自由にならなくて他所の地だと自由に出来るのか納得はいかないが。

 

「ツィブルカも自由に歩きたいなー」

「あー……そうだな。ただ、まだ犯人が突き止められていないからな……」

「忘れてた! そうだったね……」


 そっか……まだ犯人が分かっていないからか! ずっと何もなかったからすっかり忘れてたよ。なるほど、なんでハノウセクなら自由でいいとエルが言ったのか、まさか私が一日でここにいるなんて誰も知らないからか。


「エル、ありがとう……本当に」


 エルの片手はセンの手綱を引いていて、空いている片手に抱き着いた。いつも、エルは私の事を考えてくれていて……なんでなんだろうね? 色々巻き込んじゃっているのにね。


「気にするな。犯人に行きつけないのは悔しいが……その他は俺も楽しんでいるからな」

「本当?」

「ああ」


 エルの腕に抱き着いたままゆっくりと歩き、ハノウセクの領主館から街に向かっていく。湖が綺麗なので景色もいい。ちょっとした旅行気分だよね! エルの腕にぶら下がるような感じで、エルもそのままにしてお小言は飛んでこない。今日はブラダエナ・ツィブルカではないって事でいいのかな? やったね!


「ノア、セン、ハムちゃん、子青ヘビちゃん、何か欲しい物とかあったら言ってねー!」

「いいのー?」

「勿論だよ! ツィブルカの使用人達にもお土産が何かいるかなぁ? 食べ物は……きっと微妙な気がするんだけど」

「食べ物は間違いなくツィブルカの方がうまい」


 ですよねー! うむ。困ったね。……仕方ない。見てから決めようっと。

 領主館からは一本道で繋がっているとの事で迷い様もなく無事街に到着した。門があったがすでに私達が街に行くことを伝えられていたのかすんなりと門兵に通された。一応とエルは冒険者カードを出していたが。銀級!? と驚かれてた。銀級冒険者ってやっぱ少ないんだね。


「冒険者ギルドに行くぞ」

「ん?」

「ジャーバの素材を貰っていくんだろう?」


 あ! そうだったね! すっかり忘れてた! すでにハルダ・ハノウセクから冒険者ギルドに伝わっているらしいので物を受け取るだけだ、とエルが言う。

 私とアレクサンドラ様が話していた時に話していたらしい。なるほど。


「そういやジャーバの素材をいくらで、とか言ってなかったな」

「話はつけておいた。冒険者ギルドで買うよりもかなり安くしてもらった。量も多くいるだろうからな」

「わ! ありがとう!」


 私ったら全然細かい打ち合わせが出来てないからー! ダメダメだねぇ……。値段とか私分からないからなー。


「分かるヤツに任せればいいんだ。ディアはディアしか出来な事をやればいい」

「そう?」

「ああ。実際細かく指示していなくたって孤児院の移転とか工場とか進んでいるだろう? 頼れる所は人を頼ればいい」

「うん……ありがとー」


 本当に。エルがいてくれてよかった……。


 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ですよね〜。あの転生少女はどうしているのか。
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