健康なRUNしませんか?
実況者「さー!始まりました!月曜日恒例のモーニングRUN RUNレース!」
解説者A「今1番ノリにノッテるのは若手No1の速車欗ちゃんでしょうかね?」
解説者B「えぇ、去年4月なねデビューして最初こそ勝ち星は少なかったですが、12月ごろから速度・安定感が増して3連に必ず食い込む猛者ですね。」
実況者「レースも大詰め!残り300メートル!さー!トップは!」
実況者「速車欗だぁぁ!本当に歩いているのか!速い速い!」
解説者A「凄いですね、2位を大差で離してます!」
解説者「あの歩法は見事ですね、長い脚だからできる一歩だ!」
健康ブームから一変、「歩く」事がレースになった。
走るでも競歩でもない、ただ歩く、いや、側から見たら早歩きか・・・
そんな「歩く」が新聞に載り、テレビに映り、CM、企業の広告塔、まさかのプロ化、はたまた世界競技になってから5年、ブームは過ぎる事無く、競技人口も閲覧数も年々上昇して行った。
実況者「ゴーールー!一着は速車欗選手!二着は・・・まだ来ない!」
解説者A「やはり1番人気の速車欗ちゃんでしたね」
解説者B「はい、これで私の晩御飯がよりゴージャスにもなりますよ。」
競技や企業が盛り上がると国が総力を上げ、整備をし、国営ギャンブルとしても成している。
実況者「それではモーニングRUN RUNレースはこれまで!みんなー今日も一日頑張ろうぜー!最後に最高のRUNをしてくれた速車欗選手から一言!」
速車欗「皆様、今日も一日ファイト!」
割れんばかりの歓声。
人々は喜び、レースを振り返り、ある人は学校、ある人は会社へ足を運ぶ。
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やがて夜になる。
賑やかな朝のレース会場より離れた場所で、新たなレースが始まる。
いや、レースと言うべきか・・・
観客A「おら!なにしてんだテメェ!しっかりRUNしやがれ!」
観客B「やる気ねぇならママのお胸でネンネしなぁ!ギャハハ!」
実況者「さぁ賭けた賭けた!あの選手みたいにチンタラしてると速い選手と一緒にツキも儲けも逃げちまうよ!」
観客C「おい姉ちゃん!赤2に2万だ!」
観客D「俺は青4に5万!」
実況者「毎度毎度!さぁ、レースは大詰め、ジジイの散歩じゃねえんだ、RUNしろぉ!」
観客A「おい、あんた、誰が勝つと思う?」
観客B「あ?そりゃ俺が賭けた黒2だね、見てみな横の黒1なんてヒョロそうだぜ!」
観客A「へっ、おめえさん素人だな、黒1の兄ちゃんはなぁ・・・」
実況者「おっ!黒2が隣の黒1に肘をぶつけにいった!」
観客B「うし!終わったな!」
観客A「いや、まだまだだな。」
実況者「うぉ!き、消えた?黒1が肘を避けた?いや、黒1は間違えなく消えた!」
観客B「あぁ?消えるわけねえだろ!どこだ!」
観客A「あー、奴なら・・・続きは次の話だな!」
そんなこんなんで RUN-K始まります!