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金色狂想曲

前回の続き


重たいまぶたをゆっくりと開けてみる。いつのまに寝ていたんだろう。


「……っ、ぇ」

「お、起きたか」


割と早かったな、という目の前の人は、見覚えのない人で。


「だ、れ…ですか…」

「あぁ?」


一言聞いてみると、頭をがしがしとかきはじめる。やっぱ面倒事じゃねーか、と小さい声でぶつぶつ文句が聞こえる。


そっと周りを見渡すと、やはり見覚えのない白のタイルの壁の部屋と、入れ物に……あ、ここ、フロ…?


「何で俺のトコの前に倒れてたんだお前。俺に用があるってワケじゃねぇようだしよ。


…何処のモンだ?」


冷えた視線が俺をじろりと睨みつける。


「……ぁ、の……」


こわい。

でも答えなかったらそれはそれでこわい気がする。覚えてること…俺、最後何してた…っけ…?


「え、と……」


あれ?


「逃げなきゃ、って、思って…」

「逃げる?何から」

「わ…わ、かんない……です……おぼえてない…」

「………」


目の前の人の冷たい視線が痛い。


「……すい、ません…」


どのくらいだろう、短いような長いような、静かな時間が流れる。


「っはァ〜〜〜〜……ンだよ、俺が虐めてるみてェじゃねーか………」

「……ごめんなさい……何してたかとか…全然、おぼえてなくて………」

「ンな不安気な顔すんな、とりあえず今んとこはどうこうしねぇでおいてやる。が、まずはその汚れた状態どうにかしろ。店ん中汚されちゃたまらねぇからな」


そういうと、目の前の男はシャワーのコックをひねる。

ざぁ、という音とともに汚れが流れていく。全然意識になかったけれど、黒かった髪と耳、そして腕と脚の獣の部分が、鮮やかな金色になっていて、驚いてしまう。


「きん、いろ…?」

「ん?お前、もともとその色じゃなかったのか?」

「…えっと…黒だったん、ですけれど…」

「色が変わったと。」


こくりとうなずく。ようやく気がついたけれど、ずっと獣化したままだったので獣化もそのまま解いた。

適当にお湯で流された後、タオルをぽいと投げられる。


「わっぷ」

「とりあえず、拭いたら出てこい。着替えは適当に用意しといてやる。」

「あ…っ、はい、ありがとうございま……」


扉を閉めようとして、ノブに手をのばす。

バキィ、と音がして、視線を向けると。


「「え」」

「オイ、何壊してんだ!!!」

「ごっ、ごめんなさい!壊すつもりじゃ……!!」


風呂場のドアノブが取れて、俺の手の中にあった。


to be continued...?



野蛟さんは仕事が仕事だから、相手の様子とか態度とかで真偽が何となくわかるくらいの場数は踏んでるだろうなー。しかもこのときカケルは記憶喪失で不安になっているし、もともと素直なためとてもわかりやすいだろうなーっていう。もちろんまだ警戒は解かれてないよ。


羅刹の覚醒(?)にもようやく自他共に気が付き、他にもいろいろ壊した後に、野蛟さんからしばらく何も触るなの命令が出る。


2020/05/17

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