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新興宗教教祖の異世界伝道記  作者: ゆーとぴあ
第二話 教祖はゴブリン達に伝道するようです。
17/49

精霊

(「自然の声」を聞けるようになりたい)


そう、心の中で唱えてみる。


『ジョブ「覚悟者」のJPを2000消費して、「自然の声」を理解しますか?』


よし!来た!


前に魔物の声を聞けるようになった時と同じように、こちらの必要に応じてステータスメッセージが出てきてくれた!


俺はすぐに「はい」と答える。


『ベリタスは「自然の声」を理解した!』


「自然の声」とは言っても、実際に声として聞こえるわけでは無かった。


ただ、風や雨雲の動きや、森や個々の植物の状態がどのようになっているのか、手に取るように分かるような感覚だ。


そして、ふむふむ、なるほど。


どうやらあの遠雷はこっちの方には来ないらしい。


どうやらもうすぐ雨雲と共に消えてなくなってしまうようだ。


それなら、よし。


「そうだ!俺はゴロゴロの仲間なんだ!」


俺はゴブリンの勘違いに乗ることにした。


「うわーーーっ!!」


「ゴロゴロの仲間だ!」


「もうダメだーー!!」


ゴブリン達は更なる恐慌状態に陥る。


おそらく、この村は以前に雷が落ちたことがあるのだろう。


突然空から電撃が降ってきて、森が燃える、村が燃える、命が奪われる。


雷ほど、恐ろしく、また不可解な自然現象もそう無いだろう。


だからこそ、人は雷を恐れて、畏敬する。


時にはそこに神の怒りを見出す。


実際、古代の日本においても「神鳴り(かみなり)」なんて名前が付けられたくらいだ。


このゴブリン達も、俺をゴロゴロの仲間、なんて表現するくらいだから、雷に人格的なものを感じているようだ。


話すことのできない動植物や、本来は命の無い自然などにも、魂が宿っているという考え方は、()()()()()(精霊崇拝)と呼ばれる。


そして宗教学においては、このアニミズムこそ、宗教の最も原始的な形態だと考えられている。


この村を見る限り、祈りを捧げるための場所や、像などの存在が見られない。


そんな文化水準にあるゴブリン達に、神だの信仰だのと言っても、通じることはないだろう。


ならば、まずはアニミズム的な信仰から教えてやるべきだろう。


「俺はゴロゴロの仲間だ!そして、ゴロゴロの声を聞くことができる!」


地球上に最初に現れた、宗教的な指導者は、自然・精霊の声を聞くことができる者、()()()()()だった。


俺もここではシャーマンとなり、ゴブリン達を導こう。


「だが、安心したまえ!ゴロゴロはこの村には来ないと言っている。この私が居るからだ!」


「え?」


「本当かな?」


「本当だ!俺の言うことを信じるんだ!俺はゴロゴロの声を聞くことができる者、シャーマンのベリタスだ!」

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