5話 狼は70キロ出るんです
少し短いです。
「でも何気にやばかったな。釘って地面に刺さるもんか?普通。」
やってみれば分かると思うがこの地面は洞窟、岩だ。岩に釘が突き刺さるか?普通は刺さらないだろう。
それをオークは腕力だけで突き刺したのだ。
あれがもし俺に当たっていたとしたら確実に潰されていただろう。
「1回目は不意打ちで倒したからわからんかったけどオークでも強いな……」
俺は灰の上に載っているゴブリンより少し大きな魔石と白く先が尖った牙を拾い上げる。
魔石の方はポーチにしまい牙の方をじっくりと見る。
見た目はそのまんな牙だ。オークは人間の下の八重歯が発達した様なものが口から飛び出していたが多分それだろう。
「アイテムドロップ……」
そう、この牙が落ちたお陰でほかの魔物からも同様に何かしらのアイテムがドロップするとわかったのだ。
ゴブリンからアイテムが落ちなかったってことは絶対に落ちるとは限らないけど。
「待って……腹いてぇ。」
そりゃそうだよな!人間うんこするもんな!小説の主人公いつうんこしてんだ?
あいつら結構かっこいいこと言いながらもダンジョン内野糞してんのか?
ゔぅ゛
ふぅ、スッキリとしたぜー
「行くかー」
道なりに進んでいくと下に降りる階段が見つかる。
「結構簡単に見つかるなー、この調子でダンジョンクリア出来るんじゃね?何階層まであるかわからんが」
3階層に進む。その景色は
「まーた一緒だよ。そろそろ変化が欲しいな。」
と少し歩いていると獣臭くなってくる。
「グルゥ、」
現れたのは狼、それも大型犬並みの大きさの狼だ。
この場合ウルフと言った方がいいのか?
「速いな。」
今までのゴブリンとオークはそんなに早くは無かった。
熟練度で言うとゴブリンは器用がオークは力が突出してたんだろう。
このウルフは熟練度の中の敏捷が高いことは容易に想像できる。
「想像出来たとしても実際、やりたくねぇ相手だな……」
確か前に何かで狼は50キロから60キロのスピードで走ると聞いたことがある。
最高速度は70キロにも達するらしい。
狼の種別はわからんがステータスが無い状態の狼でそれなのだ。ステータスのあるこの狼は80キロを越すだろう。
「うぉ!」
ウルフは俺を見据え、足をぐぐっと溜めて一気に飛びかかってきた。
「クソ早え、車と同じくらいか?」
「グルゥ!!」
剣でウルフの顔目掛けて斬りつけるが牙と当たり、拮抗する。
俺は一旦、後ろに下がり体制を立て直す。
「硬いな。だが硬いのは牙だけだろう!」
再度、もの凄い勢いで走り抜けてきたウルフを俺は横によけ胴体に剣を叩き込む。
それだけでウルフは倒れ、灰になった。
「速さの代わりに耐久がカスだったのが幸いだったな」
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