3話 悲しみのオーク
「」→普通の言葉。会話や独り言などに使用。
「「「」」」→複数人が同じ事を言った時に使用。
()→心の声。ほぼ使わないかも?
「特別に映像を空中に出してあげよう。」
空に映像が映し出される。
そこに写っていたのは
緑色の肌をした小さな人と、ゆーくんだった。
ゆーくんがいるのは体育館ほどの大きさの部屋。
「あれ!ゴブリンじゃねぇのか!?」
「あの男の人、佐伯君じゃないの!?」
周りにいた人が空に映った映像をみて騒ぎ出す。先生や校内にいた生徒も外に出て空を見上げている。
ゴブリンはゆーくんに向かって剣を構えながら走る。そして、ゴブリンはゆーくんに向かって剣を振り下ろす。
それをゆーくんは避けるが、ゴブリンは続けてゆーくんに向かって剣を振り続ける。
それをゆーくんは不恰好ながらも必死に避け続けている。
「「「あっ!!」」」
避け続けていたゆーくんだったが遂にゴブリンの剣が左腕にあたり血が垂れ落ちている。
ゆーくんは一度ゴブリンと距離を置いたが、すぐにゴブリンが詰め寄ってきて大振りで剣を振るう。
その隙を狙いゆーくんはゴブリンの顔を蹴る。
「「「うぉぉ!!」」」
ここにいる生徒や先生はゆーくんが反撃したと同時に騒ぎ出す。まるでスポーツ観戦、ボクシング観戦をしている時みたいだ。
ゴブリンはゆーくんに蹴りつけられた衝撃で剣を腕から離してしまう。
剣はゆーくんとゴブリンの間にある。
ゆーくんとゴブリンは同時に走り出したが剣がゴブリンに近かったこともありゴブリンが先に剣をしゃがんで取る。
そこにまるでサッカーボールを蹴り上げるが如くゴブリンの頭を蹴り上げる。
続けてゆーくんと同じ高さまで顔が上がった瞬間にゆーくんがゴブリンの首を掴み地面に叩きつける。
「「「やれぇ!!!佐伯ぃ!!!」」」
ゆーくんはそのままゴブリンの上に乗り首を絞める。
そのあと何か呟いたと思ったら顔を10回程結構強く蹴りつけていた。
周りでは「「「うわぁ、死体蹴りとか……」」」と言っている。
(いや多分あれは「死んだか?」とかフラグ発言したから怖くなって追い討ちしたんでしょうね…)
「ほほー、レベル無しでゴブリンを倒しちゃうか……偶然だとしても凄いね。普通はホーンラビットを倒すんだけどね。」
「じゃあ1週間後、頑張ってねー」
と言って頭の声は聞こえなくなった。
♾優side♾
階段を降りて次の階層に着くとそこには草原が広がっている筈もなく1階層と同じような洞窟だった。
降りてきた階段を振り返って見てみても消えたりしていない。
「てか、ダンジョンに草原があるって小説の読みすぎかな?」
結局1階層はあのルームとゴブリンだけだったし、2階層からは魔物も出てくるだろうし気を引き締めないとな。
と思い前を向くと十字路の右側からどことなく見覚えのある魔物が出てくる。
俺は叫びたいのを我慢して階段に戻り1階層に戻る。
「あぁーー!!めっっっっちゃ!怖かった!いや、おかしいだろ!?なんで2階層からいきなりオークなんだよ!?それもナンデ釘棍棒!?」
さっき会った魔物は体長2メートルほどの巨体にでっぷりと太った腹。顔はまんま豚の顔だ。
相当な重さであろう身体を支える強靭な足。
ゴブリンと同じく黄色の眼孔に緑の肌。
そして、なにより目立ったのは釘棍棒だ。
思い浮かべて欲しいのは釘バットのバットが1メートル強の棍棒になり、釘の鋭い方が外側に向くように取り付けられている武器だった。
「なんちゅーもん持ってんだ。あの豚。」
でも戦わないと先に進めない。
俺は剣を鞘から取り出し、またさっきの2階層のオークと出会った場所までゆっくり慎重に行く。
「まだいるな……あっち側に行った時に後ろから心臓を剣で貫きたいんだが……」
そう思い、頑張って気配を消しているとオークはこちら側とは反対方向に歩き出す。
俺はその後ろを取るように段々と気配を消して近づいていき、思いっきり剣をオークの心臓目掛けて後ろから突き刺すと、剣先に「ガギィン!」と固い何かを砕いた音がした瞬間、オークは形が崩れ灰になる。
「なにか剣先で砕いたと思ったら灰になったな……そういえば魔石落ちてないな…ってことは俺が砕いたのは魔石で魔石を砕いたら魔物は消えるってことか…」
だいぶ楽になりそうだな…
※実際オークは現在の主人公では倒せない相手でしたが運良く魔石にあたり勝ってしまいました。
※亜里奈sideの声は神様です。とくに物語に影響は無いので言っておきます。
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