28話 集中してる時に呼ばれても聞こえない時あるよね。え?ない?
久しぶりのとーこー
電話が掛かりまくっていた。
「なんだ?どうしてこんなに電話が?」
「さっきのダンジョンのニュースの事じゃないのー?」
と隣から覗き込むように俺のスマホを見ていたリューネが「そのくらいわかるでしょ?」みたいな顔をしながら言ってくる。
「まぁ、十中八九そうだろうな。」
よいしょっと......ベッドに腰掛けまずまさに電話をかける。
『もしもし〜、俺だけど。』
『お!優か!ダンジョン法見たか?』
やっぱりその話だよな。
『見たぞー、妹に引きずられて強制的な。』
『あぁ、あの子か...どうせあの子の事だからまだダンジョンに入れなくてショック受けてるんじゃないか?』
まるで妹を見たかの様に言い当ててくる。
『そうだな。真っ白に燃え尽きてたよ。』
『ははっ!とまぁこの話は置いといて、優はまたダンジョン入るのか?』
『んー、いずれは入ると思うけど今はまだいいかなー?』
正直ダンジョン生活はこの3ヶ月でいっぱい味わった。
ご飯だってずっと同じものを食べ続けたらだんだん飽きてきて嫌いになるだろう?
それと同様にダンジョンに浸かりすぎてちょっと...って感じなんだよね。
『そっかー、でもダンジョン探索許可証は発行しとこうぜ!クラスのみんなと近くに出来た所に行くんだけど一緒に行くだろ?』
『まぁ、取るくらいならいいよ。』
『おけ!なら明後日いつもの駅前に集合な!朝の8時集合だからな!』
とそれだけ言って電話が切れてしまった。
「明後日許可証取りに行くんですね?」
こっそりと耳を近づけて話を聞いていたリューネはそう言ってくる。
「あぁ、でもとりあえず今は......」
ゴロン......
溜まった小説を読んでいく作業に入る!
という事で夕飯の頃になったら呼んでくれ。
*
*
*
「ふぅ...ようやく読み終わったな...」
ん?おかしくね?
俺だいぶ呼んでたんだが...
確実に1000ページ以上は読んでるはず。それをたった数時間で読み終えるのはおかしい。
「ん?電話だ。」
『もしもし。』
『もう7時50分だけどちゃんと来てるかー?』
『Holy Shit!!!!』
まじか!!1日半丸々本読んでたのかよ!!まぁ?ずっと充電しながら読んでたのもあるし、時計も見てなかったから時間は分からんかったけどリューネに夕飯になったら呼んでって言ったよね?
そうリューネに言ったら「いや、何回も呼んだよ。」と言われた。
どんだけ集中してたんだよ!俺ぇ
「てか急がんと遅れる!」
俺はささっとシャワーで身体を流しながら魔法のクリーンで身体を綺麗にしてから服を着て荷物を持って天駆で空を駆けながら駅まで向かった。




