19話 上位種のオーク
足音がだんだんと大きくなってくる。近づいてきているようだ。
足音は遠くでは分からなかったが近づいてきて分かることがある。
「足音が前のオークより断然大きい......」
まだ姿は確認出来ていないが2階層のオークの3、4倍の足音がする。
「......これは上位種?」
「リューネさん上位種ってなんですか?」
「簡潔に説明すると進化した個体ですね。進化する事によって全能力が向上します。」
遂にその魔物の身体が見えてくる。
ドスンっ!ドスンっ!と一定の間隔でこちらに歩いて来ていたのがだんだんと早くなり身体の全貌が見える。
このオークは体長3メートル越え、肌は緑ではなく赤。それに持っている得物も釘バッドではなく、巨大な戦斧を軽々と右手に持っている。
目は黄色だが明らかに前のオークとは違う。ただ、殺戮しようとしている目だ。
隣にリューネが居るにもかかわらず発情しようともしない。
こいつはオークだが、性質はオークでは無くなっている。
「ブモ゛ォォォォォォォォォ!!!!!」
俺とオークの目があったと思ったらとてつもない咆哮を出して戦斧を肩に背負って走ってくる。
その戦斧を俺たちの間に振り下ろされる。
俺たちはそれぞれ左右に避け、俺は剣を抜き、リューネはそこから後ろに下がり手をオークの方に向ける。
俺はオークに近づく。
なぜ、俺がオークに近づいて行くのかと言うと、オークの持っている戦斧は大体1メートル。そんな戦斧を振り回していたら絶対に当たる。
だから敢えてオークから1メートル以内の位置に行き戦斧の刃が当たらないようにする。
剣で切って行くが......
「硬すぎだろ!!」
腹や腕、脚などを切りつけていくが、血すら出ない。せめて筋みたいなのが残るだけだ。
俺は左手に雷を纏わせて剣で斬りつけた所を左手で殴る。
「ブヴゥゥーー!!!」
この攻撃はしっかり効いているようだ。切るのではなく内側に浸透させるように殴るのが正解のようだ。
とても効いているし腹の皮膚に拳の焼けた跡が付いている。
「避けて!!」
後ろからそう言われ俺は横に飛んで避ける。
すると極太のサンダーレイがオークに向かって飛んでいく。
「うぉ!すっげぇ...」
俺はサンダーレイの着弾地であるオークを見るとだいぶ今の攻撃で弱っているようだが、まだその2本の脚でしっかりとその巨体を支えている。
「まじか......今の攻撃食らっても生きてるのか......」
リューネも流石に今のを食らってオークが生きているとは思っていなかったようでアホらしく口を開けている。
だが、あれだけの魔法を食らったのだ。あのオークも無事では済まされない。
全身が焼け、立っているのもやっとと言う状態。
「一気に倒すぞ!」
俺は剣で、リューネは魔法で一気に攻撃する。
俺は5撃くらい攻撃を与えてようやく上位種のオークは灰になっていった。
いきなりpvが2500超えてた......みんなどうした!?
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