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15話 8階層は海でした。

 6階層は見渡す限りなにもなかった広い草原。

 7階層は様々な木が生い茂り、木には果実や地面にはキノコや芋類、野菜などがあり、川もあった。


 そして、今俺がいる8階層は......


「これは全く予想してなかったわね。」


 リューネさんも8階層の光景を見て目を見開いて驚いている。いや、驚いているというより何故8階層に来なかったんだろうと言う気持ちなのかもしれない。


「まさか......海だとは」


 目の前に広がっているのは真っ白な砂浜、汚れ一つない真っ白。ゴミや流木、海藻類も落ちていない。そして、砂浜から見える一定間隔に植えられたヤシの木。

 ヤシの木にはしっかりココナッツが実っており取ろうと思えば取れそうな感じだ。


「クッ......この10年ばかり草原と森を行き来する生活ばかりしていたが、まさかその下に海があったとは!!」


 リューネさんはおっとりした性格から変わりとても悔しがっている表情をしている。


 どれだけ海が好きなのだろうか......


 とはいえここはダンジョン。絶対にこの海の中に魔物はいる。

 出てくるのはほぼ確実に海系だろう。器用はゴブリンで出て、敏捷はウルフで出た。

 と言う事は力か魔力か耐久だが...


「多分また亀だろうなぁ」


 亀しかいないだろう。守りだけなので基本脅威にはならないはずだ。



 なら泳げる!


 リューネさんもそれは分かっているのかこっちを見て目をキラキラさせている。


 それはまるで子供の様に、初めて海に来た子供のような目をしている。


「海で泳ぎましょうか。」


 俺がそう言った瞬間に草陰に入っていき10秒ほど経ったら水着に着替えて出てきた。


(いや!早すぎでしょ!どんだけ海にはいりたかったの!?)


 俺は心の中でそう叫ぶ。


「はぁ、水...用意しとくか。」


 ポーチから大量の水を取り出しリューネさんが持っていたツボに入れていく。


 海であれだけ遊べば髪はギシギシになるだろうし身体も砂まみれになるだろう。



 俺は水着など持っていないのでリューネさんが作っていた椅子を砂浜に置いて海を眺める。


 眺めているとリューネさんは泳いで沖の方にどんどん行く。

 まぁ実際は沖なんて無いと思うが陸地からはどんどん離れていく。


「リューネさーん!いきすぎですよぉ!」


 俺は大声でリューネさんを呼ぶが聞こえてないのか、それとも聞こえているけど大丈夫なのか手を振り返してくるだけだった。


「まぁ、なんとかなるでしょ。......それにしても11時間も泳いで疲れないのかなー」


 空を見上げて見ると太陽の位置は1時間前と変わらないように見える。


「ここは昼固定なのか?」


 そう砂浜に寝転がりながら呟いていると遠くから声が聞こえてくる。


「……ーぃ!…けて!」


「なんですかー?」


「…すけて!!」


「聞こえないです!なんて言ってるんですか?」


「助けて!!」


 よく見るとそこには大きな亀に追いかけられてるリューネさんが居た。


 とんでもない速さでこっちに戻って来ているリューネさんの後ろにくっつくように亀も泳いで来ている。


「おいおい!なんてもん連れて来てるんですか!」


 もうすぐリューネさんが陸地に上がる。


 上がった瞬間。


「ここだ!!」


 俺は手を海に突っ込み雷魔法で亀を感電させる。


 流石に甲羅は硬いだろうが身を感電させてしまえば死ぬだろうと思ってやったが予想通りだったみたいだな。


「し、死ぬかと思ったわ。」


 死にそうな表情でそう言っていた。


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