14話 リューネさんのお話
「それじゃあ話しましょうか。」
そう言ってリューネさんは席に座る。
「それで...何について聞きたいの?」
1番気になるリューネさんの耳のこと。エルフのように耳の先が尖っている。
「なんで耳の先が尖ってるんですか?」
俺はリューネさんの耳が尖っている場所を自分の耳を触りながら言う。
「これー?これは種族的なものね。私が生まれた大陸では様々な種族が入り乱れていたもの。」
リューネさんは懐かしむように目を閉じ自分の耳を撫でている。
「私の生まれた大陸は水の都アトランティス......アトランティス大陸の1番栄えていたところ。」
「1番数がいたのはやっぱり人族。そしてそこから大体同じ数くらいの各種族。エルフだったりドワーフだったり、巨人、小人、アトランティス大陸の端の方にはアマゾネスだったり、本当に希少な種族のドラゴニアなどが居たわ。あと人族と各種族のハーフね。」
ファンタジーとかでよくある種族がたくさん出てきた。
それぞれの種族が仲良く1つの大陸で暮らしている。
「そのアトランティス大陸以外の大陸はあったんですか?」
「.............それは私にはわからないわ。でも多分あったんじゃないかしら。」
わからないって言ってるけど多分あったんだろうな。1万年や2万年じゃあ大陸が急に現れたりしない。
「話を戻すわね。何故そのアトランティス大陸にダンジョンが出来たのか......それは資源を使いすぎたのよ。今貴方がここにいるのも資源の問題かもしれないけど、私の頃はその時使える資源がほぼ枯渇していた。だからダンジョンが起動し、ダンジョンから魔物が溢れアトランティス大陸は蹂躙され、私は比較的安全なこのダンジョンの中に入って身を隠した。」
カタッと紅茶を置き、リューネさんは上を見る。
窓からの木漏れ日がさしリューネさんに日が当たる。
俺はその姿に見惚れながらも話してくれた事に質問をする。
「......それからどうなったんですか?」
一呼吸置いて話し出す。
「わからない。だってここに人が来たのは貴方が始めてだもの。」
「そうですか。」
お互い話さなくなり静寂が訪れる。このまま話さなければ会話は止まってしまうが俺には話せる気力がない。
それだけ重大な事を聞いた。どこか昔の哲学者が書いた本に登場した広大な大陸が本当に存在したこと。リューネさんの故郷がダンジョンの魔物に蹂躙されたこと。
そして......夢で見たあの光景......
「大丈夫?」
リューネさんが心配そうにこちらを見ている。
「とても顔色が悪くなっていたけど。」
「えぇ、大丈夫ですよ。」
本当は全然大丈夫ではないが大丈夫な風に装う。
そうしなければリューネさんにも迷惑をかけてしまうし、俺自身もダメになってしまうと思ったからだ。
それからも色々な事を話した。
今はどうやって暮らしているのかだったり、このダンジョンのことだったり。いろいろ。
「じゃあ俺は先に行きますので。」
早くダンジョンを攻略して亜里奈の元へ向かわないといけない。
リューネさんの方を見るとリュックを背負っている。
「ん?私も行くわよ?ずっとダンジョンの中にいるわけにもいかないしね。」
家の中のものがほとんど無くなってるのはそのせいだったのか......
俺とリューネさんは家から出る。
「10年近く住んでいた家だから名残惜しいけど...えいっ!」
えいっ!の掛け声だけで指先からとてつもなく大きな炎を出して家を包み込む。
その炎は家が燃え尽きたと同時に消えて無くなっていった。
不思議な事に周りの草原の草には炎は燃え移っておらず家だけが正確に焼けていた。
「これでいいわね。」
リューネさんは畑はそのままにして捕まえていた家畜達を守っていた柵を壊し牛やらなんやらを解放する。
「じゃあ行きましょうか。」
そのまま俺はリューネさんに案内され6階層を突破し、7階層も、探索し続けていたリューネさんのお陰で軽々と突破できた。
ちなみに7階層にいた魔物はウルフでした。
立体起動に特化していたようです。木を使って三角飛びなどをしてきました。
そして8階層に行く。
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