12話 新しい剣は強すぎました。
暑いですね。
私は暑すぎてアイスばっかり食べてたらお腹壊しました。
みんなも気を付けよう。
ゴブリンは剣を両手で持って突撃してくる。
さっきは遠くてよくわからなかったが1階層でやりあったゴブリンより一回り大きいみたいだ。
1階層のゴブリンが小学生としたら、このゴブリンは中学生くらいだろう。
「グギャ!」
ゴブリンは剣を振り上げて俺目掛けて振り下ろしてくる。
「そんな攻撃ミノタウロスの腕の方が怖かったわ!」
俺は下から剣を掬い上げ、ゴブリンの剣を打ち返したところをもう一撃入れようと思ったが......
「うぉ!!」
俺の剣は豆腐とまでは行かなくてもゴーヤを切るくらいの感覚でゴブリンの剣が切れてしまった。
剣を斬った時の勢いが強すぎて一緒にゴブリンの首まで刈り取ってしまった。
「これは..........俺が強くなりすぎたのか.....それとも、剣が強すぎたのか、ゴブリンが弱かったのか分からん......」
確かにミノタウロスと比べたらゴブリンは弱いだろう。だが、剣まで切れるか?
触ってみる感じだと多分鉄だ。鋼ではない。この剣が鉄の何倍も硬くて優秀ならできるかも知れないがそれでも詰まるだろう。
「武器にそういう能力とかが付いてるのか?」
多分そうとしか思えない。普通にこの剣を見ているだけだと俺の知らない金属で出来た剣ではなさそうだし。
まぁ楽になったと言えばなってたけど......俺の剣の腕が上がらなくなる。
流石にそれはまずい。この先に行けるようになってもそれは俺の力ではなく、この武器の力のおかげだ。
それでは成長が出来ない。
「次剣持ったゴブリン来たら剣を傷つけずに倒すか。」
あのゴブリンが持っていた剣は俺がミノタウロス戦で壊してしまった剣とよく似ていた。
そのため多少は使い慣れた大きさの剣を使う。
「どれだけ攻略するのにかかるかな......」
♾亜里奈side♾
優が丁度ミノタウロスを倒し終わった時。
「亜里奈元気だしなよー」
そう私に言ってきたのは教室の後ろの席の樫本絵里香。
「出せるわけないじゃん!」
私がいきなり大声を出したのかクラスのみんなはビクッとする。
「だよね。ほんとアイツどこ行っちゃったんだか。」
ゆーくんと仲の良かった人たちは落ち込んだり、あの時空に映った映像でゆーくんとゴブリンって言う魔物が戦っている姿に興奮しているらしい。
それに後4日で地球にダンジョンが現れる事も興奮している原因にもなっていると思う。
私はゆーくんが無事私の代わりに送り込まれてしまったダンジョンで必死に生き延びているだろうゆーくんを想像して。
「ゆーくん......生きて帰ってきてね。」
♾本城正樹side♾
俺はあの時、部活の準備をしてた。
俺はバスケ部だったから体育館でゴールを出したりボールを出したりしている最中に頭の中に声が響いてくる。
その声が「…………またねぇ!!!!なんでもうダンジョンに人がいるの!?」と言ってから30秒くらいして部活仲間の田中が
「おい!まさ!外にこい!」
といつもは出さないような声で俺を呼びかけてくる。
「どうしたんだ?田中らしくない声出して。」
「あれを見ろ!あの映像に映ってんのお前の友達だろ!」
そう言われ、俺は田中の指先を目で追っていくと空に映像が映っている。
その映像には優とファンタジーの世界のゴブリンが戦っている姿だった。
「おいおい、あいつ何に巻き込まれてんだよ...」
俺がそう言うと隣にいた田中が説明するように声を出す。
「今日俺用事があって部活休む日だったんだ。下駄箱から出て、丁度俺の前に鐘崎がいて、鐘崎は佐伯を見つけて走り出そうとした時に鐘崎の足元に光が出たんだ。」
「それを優は助けて、亜里奈の身代わりになったと......」
田中は頷く。
「まぁ、こうなっちまったもんはしょうがねぇ。
優が生きて帰ってくるのを待つしかねぇだろ。」
「1週間後のダンジョン出現にも備えないとね。」
「あぁ」
鐘崎とは亜里奈の苗字です。
もし前に違う苗字出してたら教えてください。記憶力がガガガ
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