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9話 ミノタウロスは強いです。

提出分の課題が終わらず昨日は出せませんでした。



「扉………ボスか?」


 今まで階段があったであろう場所には大きな両開きの扉が堂々と存在している。


「これなんて言うんだっけ……レリーフ?」


 扉に絵が刻み込まれている。


 絵の内容は、角の生えた牛頭人身の巨体と、左手に短剣、右手に大剣を持った青年の絵だ。

 場面としては多分最終局面。


「中にいるのは雷光を意味するアステリオス。いや、ミノタウロスと言った方がいいか…」


 俺は腰の鞘から剣を抜き放ち、左手で扉を押す。

 重厚な見た目とは裏腹に簡単に開くことが出来る。


 扉が完全に空き、俺が扉の先……巨大空間…ルームに入ると、扉が勝手にしまる。


 それと同時に壁に取り付けられていた松明に火が灯る。


 ガチャン……ガチャン……ガチャン……


 俺が入ってきた扉とは反対の扉から現れたのは手足に巻かれた鎖を引きずりながら歩いてくる、体長3メートルを優に超える巨体、牛頭人身の身体、頭から生えた捻れた黒い角。


「ヴオ゛ォォォォォォォ!!」


 口から雄叫びをあげながらガチャンガチャンと手足に巻かれた鎖を力で引きちぎっていく。


「迷宮にミノタウロス………俺は生贄か?それともテセウスか?

 ふっ…そんなのはどっちでもいい……ただ、勝ってこの迷宮(ダンジョン)をクリアするだけだ!」


「ヴゥォォォォォ!!!」


「おおぉぉぉぉぉ!!!」



 戦いは始まる。


 初めてダンジョンで命を賭けて戦う。


 死闘が……



 始まる。



(考えろ!ミノタウロスは強靭な肉体で相手を攻撃する。力と速度、そして強靭な皮膚による耐久。)


 ミノタウロスは右手で腰、身体、腕と力を使い、殴りかかってくる。


 俺はそれを避けると持っていた剣で右腕を斬りつけるが、血が出る事もなく、引っ掻き傷が出来る程度の傷しかできない。


「マジで言ってんのか……」


 ギリギリで避けて、結構いい攻撃が入ったと思ったら引っ掻き傷かよ…

 それも今の攻撃きただけで金玉縮み上がったし。


「ヴオォォォ!!!」


 ミノタウロスは右腕を振り上げ、また俺に向かって同じ攻撃をしてくる。


「さっきも見たぜ、そのこうげe… グハァ!!」


 ミノタウロスは右腕を振り終わった瞬間に左腕を俺が避けるであろう場所に先打ちして打ってきやがった。


 殴られただけで10数メートルは飛んでいる。


「ゴホッ!クソいてぇけど死んでねぇな。ステータスのおかげだな…アイツお返しとばかりに殴ってきやがった。」


 ミノタウロスはその獰猛な顔に笑うように口端を釣り上げる。


 まるで、この戦いを楽しんでいるよう。


 俺には魔法がある......ミノタウロスは完璧物理型の魔物だ。ゴーストとは訳が違う。

 あの時俺はたくさんのゴーストに集られ死ぬかと思うほどの弾幕を張られたけど、なんとか俺の作った魔法を応用して生き残った。


 ならここでも今までにない俺の魔法を作るべきだよなぁ!!


「アイスフィールド!」


 俺は地面に手を付けてこのルーム全体に広がるように氷の膜を張る。それはまるでスケートリンクのように滑らかな表面になる。


 だが、それをミノタウロスは力強い足踏みで氷を砕いて滑らないようにする......が!


「それは悪手なんじゃないかな!」


 雷魔法を使ってみてわかったが自分から放たれた魔法なら動かせるんだ。


 サンダースピアも放ってから着弾するまでの間で動かす事が出来る。


 それを利用してミノタウロスが砕いた氷の破片.....礫を操り、全身に傷を付けていく。


 その隙に俺は立ち上がり、スケートの要領でミノタウロスの近くまで滑っていき脇腹を剣で斬りつける。


 もしフィギュアスケートの選手ならもっと綺麗に滑って高速回転斬りが出来るのかもしれないが俺はただの一般人だ。そんなことは出来ない。


「サンダーレイ!」


 俺は滑りながら剣や魔法で遊撃、ヒットアンドアウェイを繰り返していく。


 だが、魔法を使うにも限界がある。


 あと2、3発撃ったら体内魔力が空になりそうだ。


 さっきからミノタウロスはルームの中を走り回りもうほとんど氷は無くなっている。


 これからは物理対物理の近接戦だ。


「行くぞ!ミノタウロスゥ!!!」


「ヴゥォォォォォ!!!」


 俺は掠る攻撃は無視し、正面からミノタウロスを攻撃していく。

 殴り攻撃は必要最低限の回避で避け、連撃に繋

 げていく。


 中学生の頃、大好きだったアニメの主人公が使っていた剣術を真似ていく。

 それは不恰好ながらもだんだんと着実にダメージを与えていく。


「引っ掻き傷でも同じところばかり引っ掻き傷が出来たら裂けてくよなぁ!!」


「フゥフゥ!!」


 お互い傷だらけだ。俺はデカイ攻撃は、全て避けたがそれでも掠る攻撃が蓄積されていき相当ボロボロだ。


 ミノタウロスも腕、胸、腹、太ももなど様々なところに切り傷が出来ており血が大量に流れ出ている。


 ドンッ!!!とミノタウロスは腕を地面につけ四足歩行で角をこちらに向けてくる。


 まるでそれは扉のレリーフにあったような状況になる。


 レリーフに描かれていた牛頭人身はこのミノタウロス。

 そして短剣と大剣を持って挑んでいたのは俺。


「ふっ!!!」


「ヴオォォォ!!!!」


 ミノタウロスは四足歩行で角を構えながら突撃してくる。


 俺はそれを右手で構えた剣を構える。


 そして、ミノタウロスと俺の距離はゼロ距離になり、ミノタウロスは角を下から抉るように攻撃し、俺は剣を角に叩き込む。


 バリィン!!と俺の持っている剣の根元から折れる。


 この死合いだけで相当剣にもダメージを負っていたみたいだ。


 俺はミノタウロスの腹と地面の間に入り込みサンダーレイを打ち込む。

 腹に大穴を開けられたミノタウロスはそのまま力尽き灰になる。

ダンメモやり過ぎて少しダンまち入り過ぎた………どうすんだよ



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