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告白


事件とは突然おこるものだ。

恋多き乙女『リンさん』が同室の『天使』とケンカをしたとの一報が俺の耳に入ってきた。


ケンカの内容は、リンさんの意中の人と天使が仲良く喋ってたという事らしい。


その一報以来、天使が喫煙所に現れる事はなかった。

とにかく心配である、もちろん天使がだ。


もう一度言う、『天使がだ。』


なんとかしてあげるまもなく、天使は退院していってしまった。

居づらくなってしまったのだろう。

せっかく治りかかっていた俺の不眠も、その日を境に逆戻り。


その日の夜、やはり寝付けなかった俺は喫煙所にフラりと立ち寄った。

また電気がついている、先客だ。


不安な気持ちをおさえつつ喫煙所に入ると、やはり先客はリンさん。


また嫌な愚痴を聞くことになる、覚悟を決めて挨拶し煙草に火をつける。


挨拶だけで、会話はなく沈黙だけ。

換気扇の音だけが喫煙所に鳴り響く。


この沈黙を最初に破ったのは俺だった。

沈黙に耐えられないのである。

「元気ないみたいですが大丈夫ですか?」


声を掛けた瞬間、この行動は失敗だったことに気づく。

既に追加で睡眠導入剤を飲んでいるようでリンさんは酩酊状態だったのだ。


話しかけといて何だが煙草を消して、喫煙所を出なければ大変な事になると直感で理解した。


煙草を消そうとしたそのときだ。

リンさんが先ほどの言葉に返答してきた。


おもに天使に対する愚痴、そして意中の相手に対する愚痴だ。


聞きたくもない愚痴を延々と聞かされる。

ある程度、愚痴を聞いたあと喫煙所を去ろうとした際リンさんから呼び止められる。

以下は俺とリンさんの会話だ。


「ずっと考えていたんですが、私今思っている人の事よく考えたらあんまり好きじゃない事に気づいたんです。」


「そうなんですねぇ」


「私が本当に好きなのは貴方なんです。」


「そうなんですねぇ」


「貴方あと付き合えないと私死んでしまうかもしれません。」


「そうなんですねぇ...ん?」


「だから私と付き合ってもらえないですか?」


突然の告白に動揺した。

こんな事生まれてから1回あるかないかの事だ。

それだけツラい人生を歩んできたのである。

しみじみと告白に感動している場合ではない。

この時の回避方法は本当に悪手だった事、今でも後悔している。


「おっ...お気持ちだけいただきます。」


モテない俺の精一杯の相手を傷つけない言葉だ。


「ありがとうございます!」


そうリンさんが意気揚々と返事をし俺より先に喫煙所をでていく、

気持ちがない事は伝わったかなと不安になりながら俺も自室に戻った。


翌日、あまり眠れなかった気だるさから背伸びをしながら自室からでると目を疑った。


リンさんが部屋の前にいるのだ。


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