表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/95

第79話 真実4

「そうだね。その前に、君たちに見ておいてもらいたいものがあるんだ」

 そう言うと、アイザック氏は、服の中から小さな箱を出した。

 黒い箱。大きさは、宝石箱くらい。ただ、どこにも開け口がなかった。

「これは?」

 わたしは聞く。謎の箱だ。


「スーパーコンピューター“ラプラス”だよ。もっとも、これはその残骸みたいなものだがな……」

「こんな小さなものが?」

 王様がそう驚いている。

 世界を崩壊させた原因となった人類にとってのパンドラの箱。まだ、それが存在していることに、驚いた。

「逃げ込む際に持ち出した残骸だからな。完璧な未来予測はできんのだ。不完全な予測になってしまう。しかし、それだけでも十分に役立っている」

 アイザック氏は、そう言った。

 なんでも、過去の戦争や災害もこの残骸によって何度も助けられたそうだ。もちろん、予測が外れたことも多かったそうだけど……。


「では、この残骸で、わたしの出現も予測されたんですか」

 わたしは、箱をアイザック氏に返した。

「そうです。おそらく、アグリ国王のもとに現れると想定されていた」

「どうして、アグリ国だったのでしょうか?」

「すまんが、それはわからんのだよ。あくまで、機械の予測だからの」


「では、どうしてわたしを殺そうとしたんですか?」

 わたしはさきほどの質問を語気を強めてそう繰り返した。

「この残骸が、君がアグリ国王と結婚しわたしたちが築いた秩序を崩壊させる可能性が高いと予測したから」

 アイザック氏は悪びれずにそう言った。

「未来を、変えようとしたんですか?」

「そうだ」

「なら、どうして今はわたしを殺さないんですか?」

「もう、きみを殺せる確率が絶望的だからだ。あの時は、まだ2%くらいの希望があったがな。今はもう限りなく0%に近い。さらに、わしらが返り討ちにあう可能性もかなり高くなっている」

 機械によって、世界を滅亡させた人類が、文明崩壊後も機械に縛られ続けている。なんと、滑稽な姿なんだろうか。


「わたしたちへの頼みとは何なんですか?」

 憐れみすら感じて、わたしはそう聞いた。

「葛城さんにお願いがあるんだ。もとの世界に帰ってくれないか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ