表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/95

第40話 意地っ張り

 朝食はいつも通り、3人で食事した。

 温かいトーストとスープ、ベーコンとスクランブルエッグ。シンプルな料理だが、コック長の腕がいいのだろう。とても美味しかった。

 

「昨日はお疲れ様でした、おふたりとも」

 宰相さんは食後のハーブティーを飲みながら、そう話しかけてきた。その顔には、いつもの真面目さは、どこにいったのか……。ゲスな笑みを浮かべていた。

「ありがとうございます」

 わたしはそう答えた。次にくる質問は決まっている。

「よく眠れましたか?」

 やっぱりだ。この質問にはいろんな意味がこめられている。わたしはそっけなく返答する。

「お酒を飲みすぎてしまい、もうぐっすりでしたよ。バタンキューって感じです。そうですよね、陛下」

 わたしは彼に同意を求めた。さっきから、陛下はボーっとしている。

「……」

「王様?」

「兄さん?」

 わたしたちは同時に彼に声をかけた。

 しばらくすると、王様はこっちの世界に戻ってきたようで、あわてて返事をした。

「ええ、そうですね」

 あきらかに話を聞いていなかった感が丸だしだった。

「だいじょうぶ、ですか……?」

 わたしは心配して、彼の顔をのぞきこむ。

 そうすると、王様の顔は真っ赤になった。

「すいません、今日は朝に大事な仕事があるので、これで失礼します。ふたりはゆっくりしていてください」

 なにかをごまかすように、王様はいそいそと食堂をでていった。


「本当に何もなかったんですか?」

 わたしの義理の弟は、疑惑のまなざしをむけてくる。

「本当になにもなかったですよ、だってわたしたちは……」

 本当は酒を飲みすぎて、記憶がないのに虚勢を張るわたし。

「契約結婚なんですから」

 それは宰相さんにむけられたものだったが、そうではないということが丸わかりだった。

 だって、それはわたしからわたし自身に言い聞かせる言葉だったから……。


「そう意地を張るところ、本当に似たもの同士ですね」

 義弟はため息をつきながら、ヤレヤレというジェスチャーをしている。

「でも、そんなつまらない意地を張っていると、いつか本当に後悔しますよ、義姉上……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ