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夢1

 また、夢をみた。小さいころから見ている夢だ。


 そのころ、わたしは両親を失い途方に暮れていた。なにを食べても美味しくなかったし、なにをしても楽しくなかった。


 夢の世界はとてもすごかった。

<がたん、がたん>と大きな音を立てる大きな馬車のようなものがあった。空を見上げたら、お城よりも高い建物があって、その上を<ごー>というすごい音を立てる金属の鳥がいた。


 わたしは泣いていた。

でも、ひとりではなかった。知らない女の子が側にいて、大丈夫だよと励ましてくれていた。

「ありがとう」

 としゃべりかけると、いつものように夢は終わってしまう。


 はっきり見ていたはずの彼女の顔は、光に包まれて何もおぼえていない。ただ、夢とは思えない実際のぬくもりをわたしは感じていたのだった。

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