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神秘と召喚  作者: KARYU
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第一話

 高校入学二日目。

 午前中は、学校の施設や行事、運営方針や規則についての説明があって。午後からは講堂で部活動紹介が行われた。

 この学校は部活動を奨励していて、一年のうちは必ずどこかの部活動に所属することを求められるらしい。

 ちなみに、四月中何処にも所属しなかった場合、自動的に社会奉仕活動部なるものに入れられて、清掃活動などのボランティアに駆り出されるらしい。それもサボると通常の遅刻や欠席と同等の扱いを受けるとあって、放課後の教室では誰一人帰ることなく、何人かずつグループで固まって、どの部に入ろうかと皆で話をしていた。

 そのグループというのが、同じ中学の出身者同士だったり、昨日のうちに交流したりしていた連中を中心に固まっていて。昨日、用事があって早々に帰宅した俺は、その中に割って入るのも気が引けてしまい、自分の席でぼんやりとしていた。俺と同じ中学の出身者はこの学校全体でもそう多くは無く、このクラスには幼馴染の三宮奈緒しか居なかった。そして奈緒は他の女子のグループに入っていて、そこに入り込むほど俺の面の皮は厚くなかった。

 別に、コミュ障とかいう訳では無いつもりだが、出遅れた感はあった。まぁ、今すぐ所属部を決める必要は無かったから、焦る必要もなく。ただ、誰も帰宅しない様子に、一人だけ出て行くのも悪目立ちし過ぎて、本当にクラスで浮いてしまいそうな気がして、ただぼんやりとしていた。

 そんな俺の様子に、真後ろの席で話し込んでいた野郎二人が接触してきた。ニヤニヤ笑っていやがる。

 「牧嶋君、でしたっけ?」

 後ろの席の宮内が、俺の苗字を確認してきた。俺もまだうろ覚えだったから、向こうも同程度の認識しか持って居ない様子。

 「君も、僕たちと同じ人種みたいですねぇ」

 もう一人の、確か、沢渡だったかな? 俺を見て、眼鏡の位置を直しながら、ぐふふと変な声で笑っていた。

 その二人を見た俺の感想は。見るからに、喪男。コミュ障ではなさそうだったが、喪男だろう。──って、俺、こいつらに同類認定されてる?

 「……どういう意味だよ?」

 一応、判らない振りをして聞いてみる。

 「いやだなぁ。そのまんまの意味ですよ」

 宮内が俺の肩に手を置いた。

 「寂しい高校生活を送りそうな、予備軍ですよ」

 沢渡が俺の反対側の肩に手を置いた。

 「寂しい者同士、それでも楽しい高校生活を送ろうじゃありませんか」

 うわぁ……。

 こいつら、まだ高校二日目なのに、もう色んな物を諦めてるのか。

 確か、この二人は同じ中学出身じゃなかった気がする。なのに、既に同類を探し当てて、意気投合している様子。そして、その中に俺まで取り込もうとしているのか。

 「いや、俺、そこまで寂しい者じゃ無いから」

 恐らく。二人とも、中学でもそういう過ごし方をして来たのだろう。それでも、同志を探して自分らなりに楽しく過ごそうとしているあたり、ポジティブ……とまでは言えないが、アグレッシブだなとは思う。方向性が間違っている気はしないでもないが。

 「またまた。今も一人寂しくしていたでしょう?」

 「そうそう。無理せず、僕たちとこの世を憂いましょうぞ」

 駄目だこいつら。

 わざとこういうキャラを演じている気もするが、ミイラ取りがミイラになってしまうぞ? ……って用法が違うか。

 「知り合いとか殆ど居ないだけだし。別にコミュ障でも無いから、まだそう悲観する状況じゃないから。って、お前らも普通にコミュ力あるだろうに」

 俺の指摘にも、連中は薄ら笑い。

 「いえいえ。我々は己を知っていますから。そして、あなたも。同じ中学出身の三宮さんとも、全然話もしないじゃないですか」

 確かに、昨日も今日も、奈緒とは全く接触していない。だからと言って、別に奈緒と仲違いしているとか言う訳でも無いのだが。……中学では同じクラスにもならず、ちょっと疎遠になってはいたが。

 「女子とばっかり話すのも変だろ? チャラ男じゃないんだし。それに、昨日は用事があってすぐに帰ってしまったからな」

 色々と買い物しないといけない事情があって、忙しかったのだ。

 「またまた。まぁ、あんな可愛い子相手じゃ、話し辛いのは判りますがね」

 「そうそう。彼女、モテそうですもんね」

 二人は勝手に決め付けて、勝手に話を進めやがる。

 まぁ、奈緒がモテていたのは間違いないんだが。

 「確かに、モテてたな。実際、よく告白されてたみたいだし、よく男連れているところも見たからな」

 個々には、あまり長続きはしなかったみたいだけどな。それでも引く手数多だったのか、俺が知る限りフリーな期間は受験前まで無かったと思う。

 「ちぇっ……。やっぱりビッチかよ」

 沢渡が口をへの字に曲げる。

 「ビッチとか酷いなおい」

 一応、注意するのだが。

 「僕以外の男と付き合う女は、全員ビッチで間違いない!」

 うわぁ……。

 沢渡の自分勝手な主張に、俺は一歩身を引いてしまった。

 沢渡の向こう側にいた女子が、変な顔をして二三歩引いたのが見えた。

 「うんうん、ビッチだね」 

 同意して頷く宮内の向こう側でも、会話していた女子二人が、虫を見るような目でこっちを見ていて。片方が相方になにやら耳打ちしているのが見えた。

 多分、「これだから童貞は」なんて言われてるんだろうな。いや、それ自体は否定もしないが。

 ……いかん。

 俺まで被害妄想に囚われてしまいそうだ。

 そして、俺まで同類に見られてしまいそうだった。

 別に、俺も女子にモテたことも無いし、リア充には程遠いのは間違いないのだが。この二人みたいに世を儚むほどでは無いつもりだった。

 そんな事態にオロオロしていると。

 唐突に、教室の後ろ側の扉が開いて。

 「牧嶋いる~?」

 上級生の女子が俺の名前を呼ぶのが見えた。

 その人は鷲塚琴音という名前の、俺の中学時代の先輩だった。

 彼女と目が合う。

 「あっ、いたいた」

 彼女は、クラスメイトたちに注目される中、そんなことはお構いなしに、つかつかと俺の前まで来る。

 女子の接近に、沢渡と宮内は慌てて身を引いた。

 「牧嶋、あたしんとこに挨拶にも来ないって、どういう了見よ?」

 詰め寄られて。至近距離で文句を言われる。

 「いや、琴音先輩がここの生徒だって気付いたの、さっきの部活紹介の時でしたし……」

 言い訳、でも無く。本当に、さっき部活動紹介で彼女の姿を見かけて、俺は驚いていたのだ。彼女の存在自体にも驚いたのだが、その所属部にもっと驚いたのだった。

 彼女は、中学時代の剣道部の先輩だった。

 俺は、中学では一年生の間だけ剣道部に所属していて。琴音先輩にはよく可愛がられていたのだ。

 だが、彼女が今所属している部は、剣道部では無く。体育系ですらなかった。

 「問答無用!」

 唐突に、彼女からヘッドロックされる。

 未だに腕力は健在らしくて。俺はギリギリと頭を締め付けられて、苦悶の声を漏らした。

 だけど、クラスメイトたちには。プロレス技ではなく、いちゃついている様に見えたらしくて。俺の周囲でどよめきが起こった。

 それも仕方無いか。頭を小脇に抱えられた俺の顔は、彼女の胸に押し付けられていて。結構な弾力と、ギリギリ締め付ける腕の筋肉の両方を味わう嵌めに陥っていたのだ。

 「ちょっ……止めてください……」

 その事態に俺は抵抗も出来ず。ただされるがままになっていた。

 「あたしの言う事聞くなら、止めてあげる」

 「わっ……判りましたから……」

 下しか見れない状況だったが、クラスメイトたちからどんな風に見られているか想像は容易で。一刻も早く事態を収拾したかった俺は、言われるがまま従ってしまった。

 「よーし、いい子ね」

 ようやく開放される。顔を上げると、クラスメイトたちの視線が冷たかった。

 「それじゃ、牧嶋は今日からうちの部に来るのよ」

 琴音先輩は、俺の腕に自分の腕を絡めて。

 「おじゃましました~」

 軽く周囲に挨拶をして、俺を引っ張って教室から出て行った。

 連れ出された俺は、腕を絡められたまま廊下を引き摺られていく。

 暫く歩いたところで、彼女は足を止めた。

 目の前に、上級生らしい男子が立っていた。

 「鷲塚、いつまで遊んでいるつもりだ?」

 体育系らしいその先輩は、鋭い目で琴音先輩と俺を睨んだ。

 「何言ってるのよ。あたしはあたしの好きなことしかやらないんだから。もうそっちに用は無いの。それに、瀬見崎には関係ないでしょ?」

 琴音先輩は空いてる方の手を振って。目の前の男を避けて、また俺を引っ張って歩き始めた。

 すれ違う時。男は舌打ちして、凄い目で俺を睨んでいた。

 なんとなく、今の状況を察することは出来た。

 琴音先輩は、彼女が中三の時に剣道の大会で全国優勝を果たしていて。この学校でも随分期待されていたのだろう。だが彼女は、今は文科系の部に所属している。さっきの男はそれが不満なのだろう。

 無言のまま、クラブ棟と呼ばれる校舎に連れて行かれた。

 「……何も聞かないのね……」

 琴音先輩は、こっちを見ないで、そう口にした。

 中学時代はショートヘアだったのだが、今は肩辺りまで髪を伸ばしていて。以前は無骨な、とまでは言わないまでもいわゆる武術少女然としていて、それが格好良かったのだが。今は、女っぽい、というと失礼だが、随分と柔和に見えた。

 「事情は知りませんが、状況はなんとなく判りましたから。話したいなら聞きますが」

 俺の返事に、彼女はチラッと俺の方を見て。そして、また前を向いた。

 「……そのうち、ね。──さあ、着いたよ」

 彼女は扉の前に向き直った。

 その扉には、『神秘学研究部』と書かれていた。

 彼女が勢い良く扉を開けて、そのまま中に連れ込まれた。

 「部長ーっ、新入部員、ゲットだぜ♪」

 俺はモンスターか。

 部室の中には、女性が一人。彼女がここの部長らしい。

 「ご苦労。ようこそ、神秘学研究部へ。私は、部長の原友里華。君は?」

 一応、まともそうな応対。だが、ここに来た経緯を考えれば、外面だけかもしれない。

 「俺は、牧嶋明臣。琴音先輩の、中学の後輩です」

 ペコリと一礼。

 おかしな先輩方相手、とりあえず大人しくして様子を見ることにした。

 「鷲塚君のことだから、強引な勧誘だったんだろうな。すまない」

 部長がペコリと頭を下げた。

 「えっ……いえ、まぁ、大丈夫です。別に、入りたい部があった訳じゃないので」

 思わず慌ててそう言ってしまった。まぁ、本当のことではあるが。

 「知っての通り、この高校は部活動を奨励している。そして、部員数に応じて予算も割り当てられるから、どこの部も必死なんだ。だから、知り合いは最優先で勧誘しているんだよ」

 なるほど。いくら琴音先輩でも、理由も無くこんな強引なことをする筈は無いか。……多分。まぁ、だからといってやっていい理由にもならないが。

 「単純に頭割りなんですか?」

 そこに疑問を感じて問う。いくらなんでも乱暴すぎる。

 「いや、全てでは無い。その部活動が成立するための最低限の予算や設備は提供してくれるよ。それプラス、人頭予算と活動実績によるボーナスだな。この部に与えられたのは、この部室と、パソコンとプリンターの一セットと、ネット環境。それ以外は人頭予算のみなんだ。活動実績は……大っぴらに公表出来ない物もあるからな。そして、それが理由で、知らない人間はあまり部に入れたくも無いんだよ」

 ……なんだそりゃ?

 「公表出来ない物って……この部は、何をやっているんですか?」

 俺の問いに、琴音先輩は目を逸らした。

 部長は、気まずそうに、頭を掻いた。

 「別に、非合法なことは……あまりやってないよ」

 おい。

 「神秘学研究部、という名前ではあるが、ありていに言うと、オカルト研究部と呼んだ方が判り易いか。色々な神秘について、検証するのが活動趣旨なんだよ」

 ……それのどこに非合法な要素があるんだ?

 俺の表情の変化を見て取ったのか、部長は机から資料らしき物を取り出して、俺に差し出した。

 渡された物を見る。

 パッと見、心霊スポットか何かの特集に見えた。だが、内容は別に怪談話ばかりでも無さそう。

 細かいところまで目を通して。なんとなく、非合法な箇所が見えてきた。

 場所。私有地とか国有地で、自由に入れなさそうなところがいくつかあった。

 「検証って……要は不法侵入ってことですか?」

 俺の言葉に、部長は意外そうな顔をして。そして、ニヤリと笑った。

 「そうだ。そして、場所的に結果を公表出来ない場合だけでなく……内容的に公表出来ない場合もあるんだ」

 内容?

 もう一度、資料を見る。

 それは、いわゆるオカルト的な物ばかりで。

 別に、フィクションならば公表しても何らまずい物は無い……様に見える。

 知り合ったばかりだったが、非合法なことまで厭わなそうなこの部長が、つまらない嘘やハッタリをかますとも思えず。

 逆説的に考えて──

 「これ、本物ってことですか?」

 俺の問いに、部長は口笛を吹いた。

 琴音先輩が、俺の肩を叩く。

 「牧嶋、よくそこに辿り着いたね。この部長、色々ヤバそうな情報ソース持ってるらしくてさ。結構貴重な体験させて貰えるから、期待してて」

 ヤバそうな、って。……どういう意味合いで?


 琴音先輩に拉致されたのが金曜日の放課後で。教室に戻った時には、もう誰も居なかった。

 あの後、クラスで俺と琴音先輩の件はどういう扱いになっているのか気になってはいたのだが、どうすることも出来ず。奈緒に聞く、という手段も一応あったが、態々そのために電話するのもどうかと思って。結局、何も出来なかった。



 月曜の朝、とりあえず何事も無かった様に教室に入ったのだが。気軽に挨拶しようとして、言葉に詰まった。

 別に、邪険にされている風でも無かったのだが、なんとなく、よそよそしいと言うか。変に悪目立ちしたせいで、距離感が微妙になっている気がした。

 仕方なく、俺は気にしてない風に自分の席に座った。

 「牧嶋君」

 背後から宮内が話しかけてきた。

 こういう時、こいつらの無神経さは逆にありがたい。

 「うん?」

 座ったまま振り向く。

 宮内の横には、沢渡が立っていた。

 「昨日の御仁とは、どういう関係で?」

 琴音先輩に興味を覚えたのか、それとも俺が同類では無かったことの確認か。

 「まさか、彼女……ですか?」

 沢渡は眼鏡を弄りながら、そんなことを口にした。

 なんで敬語っぽいんだよ?

 「いや、中学の先輩だよ。以前、部活で世話になってたんだ。それで、今度も部活に誘われたって話」

 二人に説明していたのだが、教室では周囲の連中も聞き耳を立てている様子。

 俺たちの話を聞いて、前の席に座っていた本田が振り向いた。

 「あの人、西中の荒鷲だろ?」

 本田は琴音先輩のことを知っているのか。

 「知っているのか雷電!」

 背後で宮内が、過剰に反応して某漫画の台詞を口にした。

 「荒鷲って? 苗字?」

 沢渡は宮内に迎合せず、暢気に聞いてきた。

 「苗字は鷲塚だよ。剣道で名を馳せた彼女のことを、他の中学ではそんな風に呼んでいたみたいなんだよ」

 俺の説明に、本田は不満そう。

 「だよな? どうして剣道部じゃないんだよ」

 本田も剣道部に入ったらしい。先日の上級生と同じように不満を口にしていた。

 「やっぱりね」

 そこに、隣の席の女子が割り込んで来た。南木さん、だったかな。

 「すごくいい筋肉していたから、運動部だと思ったのよね。牧嶋君も、あのしなやかで強靭な筋肉を味わったのでしょう?」

 ……どうやら筋肉フェチらしい。

 「それとも、筋肉以外の部分を味わうのに忙しかったのかしら」

 「かんべんしてください」

 そんな風に、俺の周辺では琴音先輩のことが周知されて。聞き耳を立てていた連中にも知るところとなった訳だが。それでも、俺に対する態度はあまり変化しなかった。

 他の男子たちは、微妙に羨ましげな視線を俺に向けていて。一部の女子たちは、危ない奴を見ているかの様な目を向けていた。

 先週の様子だと、俺と琴音先輩が堂々と教室でイチャコラしてる様に思われたんだろうな。以前読んだ天文ラブコメ漫画では、年上の彼女がいる男子は女子からの評価が上がる、みたいなことが書いてあったのだが、現実はそんなに甘くは無いらしい。まぁ、琴音先輩は彼女でも無い訳だが。

 ……あの人はちゃんと告白出来たのだろうか?

 

 放課後になって。

 今週からは普通に授業が行われていたのだが、今日は他の学年より早く終わった。

 「牧嶋~」

 また琴音先輩が教室に現れて、教室がざわついた。

 それでも、琴音先輩は気にする風でもなく。堂々と中に入ってきて、俺を捕まえた。

 「今日も部活はあるから。先に帰らない様に拉致しに来たよん」

 拉致の自覚はあるんだ。

 「わざわざ迎えに来なくても。他の部に誘われたりしてませんから」

 暫くは、勧誘合戦も続くだろうから。琴音先輩はそれを気にして、俺を拉致しに来ているのだろう。

 「あはは……バレたか。まぁ、今日は一年が早く終わるの知ってたから。部室開けないと入れないでしょ? それもあって迎えに来たのよ」



 琴音先輩は、それからも毎日俺を迎えに来た。

 俺が辞めないか本気で心配しているのか。

 俺が、中学の時は一年で剣道部を辞めてしまっていたから。今度も、俺が部活を辞めることに躊躇しないと思っているかもしれない。あの時は、全く成長しない自分自身にうんざりしていて。剣道部を続ける意義を感じなかったのだ。今度の部活は、まだろくに始まってすらいない状況。辞めるにしても、もう少し何かしてからじゃないと。無理やり引き込まれた状況ではあったが、折角入ったのだから、ちゃんと活動するつもりだった。

 とは言え。実地検証を主眼とする部で、部室で出来ることなどそう多くも無く。

 そして、情報収集はほぼ部長が一人でやっていて。俺と琴音先輩は、渡された資料を調べて、分析したり、場所の確認やら検証のための手順や手続きを確認するくらいしか出来なかったのだが。


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