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掌編小説集6 (251話~300話)

ドアの向こう側

作者: 蹴沢缶九郎

夜、眠る為に自室の電気を消し、布団に入ったところ、部屋のドアから灯りが漏れているのに気づく。だが、それは決して、自分が隣部屋の電気を消し忘れたからではない。

自分の暮らすアパートの間取りを考えると、今、自分がいる部屋の隣に部屋は存在しない。つまり、ドアは自室と、本来なら存在しない空間を繋いでいる事になる。


忽然(こつぜん)と現れたドア。一体、ドアは何故現れ、その向こうには何があるのか…。


ドアを前に、どうしたものかと一人考える。ドアに耳を近づけ、様子を伺うが、物音一つ聞こえない。思いきって開けるべきかとドアノブに手をかけるも、そこで思い止まる。

ドアを開けた途端に、得体の知れない化け物が襲いかかって来たらどうする。なにしろ音もなく突然現れたドアだ。あり得ないとも限らないではないか…。


そうこうする内にやがて朝になり、ドアは初めから存在しなかったように消えて、二度と部屋に出現する事はなかった…。


そんな不思議な出来事から何日か経ったある日、突然羽振りの良くなった同僚に俺は聞いた。


「最近いやに景気が良いな。さては宝くじでも当たったか?」


しかし同僚は否定して言う。


「そうじゃないんだ。信じてもらえるかわからないけど、実は俺の暮らす部屋にドアが出現して、そのドアを開けると数えきれない程の札束の山があって…」

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