23 『彼が魔王になった理由』
「カナタと言ったな。お主だけ少しここに残りなさい」
「僕が、ですか」
カナタは疑問に思ったが逆らうことはできなかった。
「賢者様の前なんだから粗相のないようにな」
そうトオルが言うと、二人は部屋から出て行った。
「さて、急ではあるが、いくつか質問をさせてもらおう」
「は、はい」
カナタは少し真面目な雰囲気のルシオに腰が引けていた。
「ここに来るまでで、何か思うことはあったかのう?」
「思うこと、ですか」
「そうじゃ。この世界は今やとても平和な世の中になっておる。魔物がほとんどいなくなった上に、いるとしてもごく僅かじゃ。最近、王都を魔物が襲ったという話を聞いたが、それは稀なことじゃろう。おぬしはこの世界をどう見ておる」
「ど、どうと言われましても……」
カナタは自分の思いのたけをぶつけることをためらっていた。彼が思っていたことは正常な人間ではまず思わないであろうことだったからだ。
「率直に述べなさい」
カナタはルシオにそう言われ、仕方なく口にした。
「僕は、この世界はまずい状況にあると思います」
「ふむ。それはなぜじゃ?」
「魔物がいなくなってしまったせいで、それぞれの町や村、王都までもがその役割を十分に果たせていないと思います」
カナタがそう言うと、ルシオは「続けなさい」とだけ言った。
「道中ではまずリパの町に行きました。あの町は本来は旅人や行商人で溢れているはずの町だと聞きました。しかし今では訪れる人の数が減っています。それは、魔物がいなくなったからです。安全になったために行商人は自分たちの護衛を頼む必要が減り、結果的に大幅に来訪者が減っています。あの町は来訪者で成り立っている町でした。そのせいで今では廃れ始めています。ディーモの町でも同じです。あの町もやはり魔物がいなくなったことで鉱石を採る必要性が減り、結果的には身内で身内を傷つけるような構造になってしまっていました。今はどうにかなっていますが、先の王都襲来の復興がなされたあと、あの町がどうなっていくのかは定かではありません」
「平和の弊害といったところじゃの」
「はい」
「おぬしはどうしたいのじゃ?」
「どうにかしたいのですが、知恵はありません」
「なるほど。ま、やはり悪い人間ではなさそうじゃの」
ルシオはニコッと笑った。
「おぬしはわしがなぜ賢者と呼ばれておるか、知っておるか」
「先のアレス王の魔物退治で同行したという話なら知っています。すごい魔法使いだとトオルは言っていました」
「それはちと違うのう」
「どういうことですか」
「わしは魔法使いではない。召喚士じゃ」
「召喚士?」
「魔物を召喚できる数少ない人間の一人なんじゃ。それが何に役立ったか、わかるかのう」
カナタは答えられなかった。
「魔物を召喚して、彼らの弱点を徹底的に調べたんじゃ。どういった攻撃をされることが苦手で弱点は何か。あるいは、どういった魔法が聞くかなどじゃな」
「は、はあ」
「わしは、おぬしにその髄を教えたいと思っておる」
カナタはよく言ってる意味がわからなかった。
「召喚の仕方を伝授するという話じゃ」
カナタは驚いた。このような話の展開になるとは当然思っていなかった。
「おぬしは魔物を従える王になるということじゃな」
カナタはこれまでの旅を思い出していた。自分が魔物を召喚すればこの世界は今よりもっとうまく回っていく。それは父親を殺めた彼にとっては皮肉でもあり、多くの葛藤もあったが、彼は答える。
「わかりました。やれるだけやってみたいです」
彼はこうして魔王になったのだ。
やがて召喚術を身に付けた彼は、平和だが魔物のいるという混沌とした世界を作り上げる。
それが彼の出した答えの一つだったのだから。
だけどそれはまた別のお話。
最後は駆け足になり、幾つかの話を端折ってしまったのですが、少しでも話の内容が伝われば嬉しいです。
通して、表現力がやはりダメでした。文章力とも言うのでしょうか。あるいは構成かもしれません。
とにかく直すべき点はたくさんあり、それを直していけるかが今後の課題だと思います。
余計なこと(蛇足)を書きすぎたのに説明不足なのかなと直感では思います。
至らぬ点を書き始めると長くなってしまうのでこの辺で控えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
いつか多くの方に楽しんでもらえる作品を残せると信じ、今回はこの辺で。
それでは。




