素晴らしき映画
とある映画の1シーン。追ってくる警察から強盗が逃げようとしていた。
強盗は逃走車両に乗り込むと、シートベルトを締め、法定速度を守り、他の車両や歩行者にちゃんと気をつかいながら逃げた。
しかし逃げきれないと分かると、強盗は懐から銃ではなくハリセンを取り出し、警察を叩き始める。警察も負けじとハリセンで応戦する。
世の中では人を殺すシーンの上映が禁止となっていたので、その変わりにハリセンとなったのだ。ハリセンならば人が死ぬ心配もないので安心である。
禁止となったのは殺人シーンだけではなく、お色気、タバコ、お酒、その他犯罪を助長する様なシーンは全てが禁止となっていた。あれもダメ、これもダメと締め付けが厳しくなった世の中では、これが映画のあるべき姿だった。
それにしてもつい最近、
「警察をハリセンで叩くとは何事だ」「ハリセンも暴力的ではないのか?」
とクレームがついたようだ。