避けては通れぬ道Ⅰ
唐突だが皆に問おう。人は、心地よい眠りにつく為に活動するのか、より気持ちよく活動するために睡眠をとるのか。
俺はその点についてはどちらでもいいのだが、一般的には後者であろう。
そもそも、なぜ動物は睡眠で回復する。という形で生きているのだろうか。
睡眠。つまり寝ている間は、活動はできない。何時間も。
もっと効率よく回復する方法はなかったのだろうか。
そう思う。
俺には生き物に関する難しい知識はないから、こんな変な疑問が生まれるんだろう。
きっと無理なんだろうな。無茶なことなんだろうな。
それでも自分たちの都合よくならないかと考えてしまう。
誰だってそうだろ?
だから俺は、考えるだけ無駄な事を無駄に時間を使って考えているんじゃないか。
テスト前によ……
新学期に慣れ始めたころ。その日は中間試験の五日前であった。
管理棟防衛部では…
「みんなーー! もうすぐテストだよ。勉強してる?」
早川さんがドアを開けると同時に発言した。
「なめてもらっちゃ困るよ…。私を誰だと…」
「私はしてますよ。」
「百枝ちゃん…最後まで言わせてよ…。では、気を取り直して。私を誰だと思ってるの? 明日から始めるに決まってるでしょう!」
「僕もしてるけど、早川さんは?」
「りょ、凌が…私の話を流した…部長なのに…」
霧島さんの目はピンポン玉のようだった。
「もちろんまだ勉強してないっ!!」
早川さんの目は光を当てたビー玉のように輝いていた。
「そこで、みんなに提案。」
場が少し静かになる。
「あたしの家でみんなで勉強しない!?」
「私、さんせーい。」
「ですね。」
僕も賛成だ。
「じゃあ、明日の放課後、ウチ来てね。案内するから。」
ということで、みんなで勉強することになった。いい機会だろう。
こうでもしないと勉強しなさそうなのが、今この場に二人いる。
「ところでさ、千馬君は? 姿が見えないよ。」
「ああ、季流?」
僕は、難しく考えることなく答えた。
「季節外れのインフルエンザで三日前から休んでるよ。明日はまだ家から出られないだろうね。」
「残念ですね。」
佐々本が会話に入ってきた。
「残念だね。」
霧島が半笑いで入ってきた。きっとみんなで勉強したことを自慢のように話す気でいるのだろう。
「じゃあ、四人だね。」
この日はこれだけで帰ることになった。本当に何も起こらなかったのだ。
僕個人としては明日の勉強会のようなものが結構楽しみだったりする。
晴れるといいな。
室内だけど。




