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新年度

初心者ですので生暖かい目で読んでいただけると幸いです。

 四月初め。俺らにもようやく二回目の春がやってきた。希望に満ち溢れた新入生がとても眩しい。良い意味で。校庭では運動部のかけ声で、校舎内では楽器やらなにやらの音で決して静かな場所などなく、学校中爽やかな雰囲気で賑わっていた。そんな中、俺の所属している管理棟防衛部では……

「季流、そこは緑にしたらどうだい?若葉のようで季節にもあってるし、なによりきれいじゃありませんか。日本らしくていいじゃないですか。」

「ああ。それもありだな。それなら青も入れよう。透き通るような。小川みたいだろ。」

「Nice idea!なんか大きな街よりも小さなほわ~っとした町ってなんかいいよね。」

一応副部長の俺、千馬季流(ちばきりゅう)と、部員一号の霧島藍佳(きりしまあいか)のたわいもない会話である。

「君たち…。今自分たちがしてる作業内容わかってる?ケーキ作ってるんだよね。確かにこじんまりとした町ってなんか惹かれるけどさ。」

俺と霧島のずれにずれまくった話題を否定することなく戻したこいつは部長の棗凌(なつめりょう)。正直に言おう、こいつは男女問わず本当にモテる。俺から見てもかわいいと思うし。変な意味ではなく。さらにここの部活一部長らしい。|(今現在部員全三名)

事の発端は霧島の一言で、

「新しく入部してくれる人がきたら、お茶とお菓子でも出してもてなそうよ。そんな大人数来るわけでもないだろうしさ。」

これである。なぜ手作りすることになったのかは霧島本人すらもよくわかっていないらしいが、とにかく二年生のはじめっから特別な活動内容もなく、ただなんとなく部室に来て、ただなんとなく過ごしていた。

「ところで、もしの話なんだが、仮に入部希望者が一人も来なかったらこのケーキはどうなるんだ?」

俺はふと疑問に思ったことを二人に投げてみた。

「人生初のパイ投げが経験できるよ!」

「僕としては一人くらい来てもらえないと困るんだけどね。」


コンコン。


ドアをノックする音がした。久しぶりに聞くと案外わかりにくいものである。

「失礼しまーす!管理棟防衛部ってここですかっ!」

きれいな金髪のポニーテールを揺らしながら一人の女子生徒が現れた。上履きの色から二年生だとわかる。

「「「そうだよ。」」」

すると、彼女は約二秒で部員全員の顔を確認し、

「あたし、二年なんだけど入部してもいい?」

俺たち三人は顔を見合わせた。

「「「喜んで!」」」

そこからは速かった。俺は即座に椅子を用意し、霧島は0.1秒で急須を持ち、棗は五分前から入部届と滑らかボールペンを机の上に出していた。速いどころではない。予知能力でもあるのか。

「ほらね。言ったでしょ。ここの人たちなら不安に思うことないって。」

ドアの方からまた別の女子の声が聞こえた。

「あ、佐々本。」

「久しぶりでもないけどこんにちは。棗、私も入部するよ。」

その言葉に0.1秒で行動を開始する俺と霧島。

「えっ?!どういうことで?あたしが無知なだけ?」

「ごめんごめん。自己紹介が遅れたね。僕は棗凌。佐々本とは同じ中学だったんだよ。」

「じゃなきゃこの部活のことなんてわかりませんよ。乙葉。」

「そうだね…。あたし早川乙葉(はやかわおとは)。バレー部やめてこの部活に来ました。」

元運動部か。元気そうな子が入ってくれてよかったよかった。

「私はき、霧島、藍佳。よろしく、お、お願いしますでござる。あれ?」

初対面だと緊張するらしい。

「俺は千馬季流。」

「……あ、私か。佐々本百枝(ささもともえ)です。」

さらりと喋る佐々本さんはなんだかとっても上品な感じだった。

 自己紹介も終わり、二人が入部届を受け取ると棗による説明会が始まっていた。

「必要なものは特になしで、活動は一応毎日あることになってるから休む日は連絡してね。言っておきたいことはこれくらいだけど何か質問とかある?」

「えっと…具体的にどんな活動をするの?」

「部室に来る。」

間違ってないよな。

「お前は仕事しろ。ゴホン、説明しよう。管理棟防衛部とは文字通りこの学校の管理棟を防衛する部活動のことであーる。」

満足したように自分で入れたお茶をすする。

「うん。ありがとう霧島さん。見事なまでに早川さんの質問に答えてないね。間違ってるわけじゃないけど、管理棟での問題解決や、生徒会の手の届かないところを改善していく感じかな。」

フフッ。甘いな棗…

「お前は一つ何かを忘れている……。そう!それは、」

「夏場の、“Gを蔓延らせないための防衛部の戦い”ですよね?千馬さん。棗から聞いていますよ。」

………

……

なんで言っちゃうの……。俺の考えた作戦名まで……。この時佐々本さんが見せた素敵な笑顔に俺は恐怖に似た何かを覚えた。

机に頭をめり込ませている俺に霧島がそっと手を俺の肩に置いた。

「ありがとう。よくわかったよ。今日はこの後用事があるから明日の放課後から部室に来るようにするね。」

「あ、私も同じですね。」

「わかったよ。入部届は先生に出しておいてね。それじゃあまた明日。」

棗がそういうと二人は部室を出て行き、お馴染みの三人だけが取り残された。というよりいつまでお前は手を置いてるんだ。いい加減どけてくれ。俺が惨めなだけじゃねえか。

「凌、今更だけど今日なんかやんなきゃいけないことあるの?」

本当に今更だな。俺も聞こうと思ってたけど。

「ん?今日は特にないよ。もう終わりにしちゃう?」

「いいんじゃねー?どうせやることねえんだし。」

「そだね。私もそう思う。」

そんなわけで今日の活動は終わりになり、俺たちはまだだいぶ明るいが校門を出た。めでたしめでたし………と、しめたいところだが、この後に起こる良くも悪くも内容の濃い日々を知ってはそんなことはできなかった。これまでの三人の部員と、二年生の新しい部員二人を合わせた五人で作りだす管理棟防衛部としての活動記録はノート一冊じゃとても収まりきらないものになりそうだ。

なんだか登場人物みんな読みにくい名前になってしまったり、誰がしゃべってるのかわかりづらいセリフがあるなど、まだまだなところもたくさんあります。これから成長できるよう努力しますのでよろしくお願いします。

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