表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国パラレルワールド  作者: スズラン
2/3

八幡原の激戦 前夜

 ある日のことである。虎千代に話しかけるものがいた。

「虎千代、よいか?」

「おお信廉兄上ではありませぬか。いかがなさいました?」

「お前は父上の死について知っておるか?」

「いえ、知りませぬが?」

「そうか・・・、お前ももう13だ話してもいいだろう。実はな父上はな、兄上によって殺されたのだ。なぜかはわからんがな。」

「それは真ですか?」

「いかにも、わしはこの目で見たのじゃ。今は亡き板垣殿と甘利殿とともに父上の首を落とすところを。そのときわしは臆病で怖くて何もできんかった。」

「なぜそれを私に・・・?」

「お前には力がある。それを恐れて襲うかもしれん。気をつけよ。そうじゃ、言い忘れていた。晴虎、おぬしはおなごじゃそれもよろしくな。」

「え?何を言っているのですか?私は男なのですよね?」

「父上はおっしゃっていた。お前が生まれた時に男として育てる。並の男よりは強くなるとも言っていたな。そういうことじゃ。あとこの話は絶対に外に漏らすなよ。大変なことになるからな。」

といって去っていった。兄が父を殺したことを知ったこの時から兄、信玄に対して不信感を抱きはじめたのである。

 その翌日、信玄に呼び出された。

「おお、虎千代か。おぬしももう13じゃ。元服する頃じゃな。名は・・・わしの旧名晴信の「晴」と、虎千代の「虎」を取り「晴虎」と名乗るがよい。」

晴虎はありがたき幸せとのみ答え、自分の屋敷に戻った。甥の勝頼にはあり自分には宴がなかったことに気づき、

「兄上は私を警戒しているのか・・・」

とつぶやき、不信感を強めていった。

 1561年、初陣となる合戦に出陣していた。有名な川中島の戦いである。晴虎も軍の方針会議に出ていた。軍師の山本勘助などが出席していて、全員集まったのか信玄が口を開いた。

「ずっとにらみ合いの状態が続いておる。この状況を打破せねばならん。この戦いが我々の命運を分けるものじゃ。何としてでも勝たなくてはいかん。何か策はないか。勘助、幸隆?」

「殿、この勘助に策がございます。」

「なんじゃ、勘助?」

「二手に分けた兵で相手が陣を張っている妻女山を攻め、降りてきた上杉軍を残りの平野の兵が待ち伏せして、挟み撃ちにする啄木鳥戦法はいかがてしょうか?」

「良い案じゃ。異論はないか?」

他のものは全員賛成したがただ一人晴虎は、

「兄上、それは難しいと思いまする。敵には宇佐美定満など知略に優れた武将がおりまする。その程度の策は見破られまする。」

と反論した。が、信玄はこれを無視し、別働隊を馬場信房に任し、作戦開始を深夜として攻撃を開始するのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ