絶望
青年が消えたあと、少女は自分のこれからを考えた。両親が死んだあとは施設で育てられた。施設の大人たちは少女の行動を知らない。
「今までは殺すことが全てだったけど…これからはどうしたらいいんだろ…」
「ひっ!?」
少女が考えていると背後て息を呑む音が聞こえた。振りかえるとそこには施設でお世話になっている人がいた。
「あっ…」
「!あなた、なんでこんなところにいるの!?」
「こんなところって…?…あ」
そこで少女は気づく。そこには少女によって作られた死体の山があったということに。
「あ、えっと、これは…」
「早くこっちに来なさい!最近ここらで殺人鬼がでるって噂だし…あなたに何かあったら大変だわ。今、警察に通報するから。」
大人は携帯電話を取り出し警察に電話をかけはじめる。目の前の少女がこの死体の山を築いたとは思わなかったらしい。
「よかった…」
どうやら、少女にはまだまともに生きる道が残されているようだ。安心した少女は大人に駆け寄った。
「うっ…!」
「え?」
少女はただ駆け寄っただけのつもりだった。しかし、少女の手には…ナイフが握られていた。
「どうして…?」
驚いた少女は大人からナイフを引き抜き、その場に落とした。落としたナイフと同じように、大人は少女の足下へと崩れ落ちた。
「これ…私がやったの…?なんで?」
少女は自分の頬に触れるが、そこに涙は流れていない。
「なんで…私、泣いてないのに。」
倒れた大人に触れてみるが、どうやらもう死んでいるようだった。
「私が…殺した?私が…?だってあの人はもう…私は…あの人…?私は…私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は私は…?………………ふふっ…ははは…やっぱりあの人嘘つきじゃん。私、また殺したじゃん。…やっぱり楽しいなあ、人殺し。楽しいから殺すんだよ。怖くなんかない。泣いてなんかない。私はこれからもいっぱい殺すよ?いっぱい遊ぶよ?だって楽しいもん。…あは…あはははははははははははははははははは!」
「ねえ。」
あの時の青年のように、少女に話しかける少年がいた。彼の目的はわからない。しかし少女は青年に返したのと同じ言葉をその少年に返す。
「あれ?あなたは誰…?もしかして私と…」
二度と涙を流すことのない、乾いた瞳を少年に向けながら。
「遊んでくれるの?」




