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少女の夢  作者: 羽島柚
2/5

希望

「私を助ける…?どういうこと?私は遊んでるだけ。助けてほしいなんて思ってない。」

「だって君…泣いてるじゃないか。」

「え?」


少女が自らの頬に触れると、そこには確かに涙が流れていた。


「!?…わ、私は泣いてなんか…。」


少女が拭っても拭っても、涙はとめどなく流れてくる。


「君は泣いてる。ずっとずっと…」

「そんなの嘘だ!私にとって殺しはただの遊びなの。楽しいからやってるの。それなのに私が泣いてる?どうして?泣く必要なんてないじゃない。」


そう言いながらも、少女の目からは涙が溢れ続けている。


「本当に?」

「そう、私は殺すのが楽しくて…」

「本当にそう思ってるの?」

「そう…だよ…」

「…自分に嘘ついちゃダメだよ。」

「私、嘘なんて…!」

「いいや、嘘だ。」


いままで穏やかだった青年が、強い眼差しで少女を見据えながらはっきりと言った。


「君は楽しいから殺すんじゃない…怖いから殺すんだ。」

「こわ…い?」

「そう、怖いんだ。僕にはわかる。ずっと見てきたからね。君に殺された時から。」

「なんで、今更出てきてそんなこと言うの…?」

「なんで今なのかは僕にもわからない。でも、ずっと君を救いたいと思ってた。」

「じゃあ、私は、どうしたらいいの?」

「これから考えればいい。僕が一緒に考えるよ。」


それからしばらく少女は黙ったままだった。やがて、迷いながらも青年に対して口を開いた。


「私…普通の人間に戻れるかな…?」

「ああ。それまで僕がずっと一緒にいるよ。」


青年が少女に手を差し伸べる。少女がそれを受け入れようと青年の手をとったとき、少女の頭に痛みが走った。


「痛っ…なに、これ…?」


走馬灯のように少女の頭に記憶が駆け巡った。少女がはじめて殺人を犯した…その時の記憶が。

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