伝えられなかった。
キミを見ると、なぜか言葉が詰まる。
緊張して、口が回らない。
それはキミが先生だからなのかな。
優しそうに微笑んで、「焦らないで」なんていうけど、無理だよ。
毎日、キミを見て、笑って、キミを見て、泣いていた。
頭の中では思いを伝えられるのに、現実になると、伝えられなくなる。
小さい頃は、できた。
現実も、夢も、変わらなかった。
やりたいと思うことはできた。
「好きだ」って言ったり、「嫌いだ」っていったり。
ほうきに乗って空を飛んだり、星をつかんだり、動物と話したり。
今はどうしてできないんだろう。
キミに「好きだ」っていうの、昔の私ならできたはず。
どうしてその三文字が言えないのかな。
何回も頭でシュミレーションして、
ようやく呼び出しても
やっぱり言えなかったんだ。
だからかわりに
「また会いに来ます。」
って伝えた。
私なりの愛の告白。
それだけが精いっぱいだったんだ。
読んでいただいてありがとうございます。