強がりな蕾
「はい、美雪、孝太…おめでとう!」
「ありがとう、カナ」
今日は、二人の親友。
美雪と孝太の記念日…。
「やっぱり、この欄に入るのはカナの名前しかないって思ってた!」
私は証人という立場で婚姻届に名前を記入、そして捺印した。
本当に良かったって、そう思っている。
私にとって大事な親友で。
今までの時間を一緒に過ごしたんだから。
証人を頼まれた時だって即答でOKしたんだから…
「カナが結婚するときは私と孝太で書くから!」
「言われなくても、そうする~!」
私の結婚。
ずっと前に私は失恋した。
それでもまだ…想いは募ってくばかり。
結婚…あの人としたかったな。
「カナ?」
「あ、なんでもない!じゃあ…2人の結婚を祝って乾杯!!」
私の、微妙な気持ちを隠しながら
結婚前夜のパーティーは進んでいった。
楽しかった…でも私だけが今日だけ、溶け込めていなかった…
そんな気がしたのは、認めたくなかったのかな…
そんな中、純が来たのはパーティーの中盤。
純は、もう一人の親友である。
私、美雪、孝太、純の4人で学生時代は過ごした。
社会人となり仕事人間と化した純は学生の時の遊び人とはかけ離れている。
「あ、やっときた!ほら美雪…婚姻届書いてもらいな」
もちろん、純にも証人欄に記入してもらう。
「カナが純に渡してよ~カナのほうが紙に近いじゃない?!」
美雪は酔っぱらっているのか、大切な婚姻届を自分で渡さないつもりらしい。
「仕方ないなぁ。ホントは美雪か孝太が渡すべきだと思うけどね…」
手に取ったとき、落としそうになった。
…大変だよ、汚しちゃったら…
また、貰ってこなきゃ…いけなくなっちゃうから。
もう…取りに行くのは嫌。
私の紙じゃないのに、取りに行こうという想いはないから。
苦しくなるから。
…書きたいって思ってしまうから。
「はい、純。きれいな字でお願いしますよ?」
「俺がきれいな字書けるか!」
「純、威張るなよ!俺と美雪の大事な紙なんだからソレ!」
「はーいはい」
こんなことをするのは、もう最後かな。
4人では、そうなるかな。
もう、4人で笑って、集まって、話すことはなくなるのかな。
「美雪、明日の披露宴大丈夫?」
「カナ!私をなめないで」
「美雪はともかく。カナこそ…スピーチ大丈夫か?」
「そうだそうだ!泣いて読めないなんてことはないんだろうな」
「ちょ、そんな責めないでよ~。大丈夫!完璧だから」
文章は完璧です。_知ってるでしょ?私が国語、得意だってこと。
話すのも大丈夫。_だって私は高校時代、全国弁論大会三連覇なんだから!
泣く?_私、皆の前で泣いたことないでしょ…?
洋服だって花嫁に負けないくらいよ。
ほら、みなさい!欠点なんてどこにもないでしょ?
…なんて、私の強がり。
私の涙腺は正常に機能していたらしい。
手紙を読みながら、不覚にも涙がこぼれてきた。
親友の結婚式なのに…!
こんなことに負けない、だって私は、今まで…うまく、やってきたんだから……
そうでしょ?
誰にもばれなかった。
私の気持ちなんて知らなかったでしょ?
今泣いてるホントウの理由は誰も知らない。
私だけの、秘密。
1輪の華は美しく咲いて美しく散るでしょ。
でも私は一生開かない蕾のように開きもしないうちに散ったの。
だからって、開くことはない。
一生、私の秘密。
それなのに…
読みきった後、私の耳に飛び込んできた声は。
今でも、大好きな声は。
「いままでありがとう…香奈。それでも俺は美雪が好きなんだ。」
あの人の声は拍手に呑まれ、私以外に届くことはなかった。
…馬鹿。
涙が溢れちゃうでしょ…。
これ以上泣くなんて格好悪いでしょ。
でも今日だけでいい。
少しくらい泣かせてよ。
大事な友達が2人も幸せになるのよ?
頑固な蕾。
散った後なのか散る前なのか定かではないけど蕾は、咲いていたみたい。
席に戻るとき、私はメインの新郎新婦に言った。
「本当に、おめでとう。私は誰よりも貴方たちが幸せになることを願ってる。」
――――吹っ切れるまで、時間はかかるだろうけど。
――――私は進めた気がしたよ。
文章がおかしくてスミマセン(汗)
きちんと伝えられていますでしょーか…
・カナの想い人は誰なのか。
・蕾の意味。
・「カナ」が「香奈」と呼ばれた瞬間
この3つに着目してもらえるとうれしいです^^
(嬉しいというより、読みやすくなるんじゃないでしょうか←)




