表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フラグ?知らないなぁ…  作者: 雲猫’
番外編―後日談―
96/108

ホラーは二次元だけにしてくれ

 胃が痛い……すいません。体調を完全に崩しました。あぁ……更新速度が遅くなる……ごめんなさい。m(__)m



 今回藍苺視点です。




 紅蓮はどうなるのでしょうか。



 扉を開けるとレンが包丁を手に持ち肉をブッた斬っていた。


 ご丁寧にも包丁には血を滴らせ、頬には返り血を付けて振り返った、ホラーシーンを再現していた。しかも、若干紅い目が猫科の猛獣見たいに縦の瞳孔になり、光って見えた。



「えっと……料理手伝う……ぞ?」

「………」


 ジィィっと見つめてきたので俺もジィィっと見つめた。決して睨んでいる訳じゃない。俺もレンも見ていただけだ。


 そして暫く間を置いてから……



「あ、あぁ……嫁さん? っ……ごめん、ちょっとここら辺からイガグリの臭いがしたもんだからちょっと気が立ってた…ごめん。」

「あぁ…そうか、ここに居たからなぁ」


 確かにイガグリ――大雅王子はこのキッチンに来た。しかし……臭いか。臭いを嗅ぎ付けるあたり、ソコはやっぱり獣的なんだなぁ…。顔が恐く見えたのは返り血の所為かな?


「魔素に酔っておかしくなってた。奏が巻き付いて捕縛したけど…」

「へぇ~………奏には嫁さんに変な事しようとしたら容赦なく捕縛しろって……言ってたけど……ま・さ・か、まさか本当にするとはねぇ~。」


 近くに近寄ろうとした俺は、


「ドスッ!!」


 と包丁を生板に叩き付けて目が据わったレンに足が止まった。恐怖が俺を止めたのだ。


 今の光景はホラーな肉屋だろう。あれ?そんなゲーム無かったっけ?あ、違うか、あれは……庭師の大男が料理を作ってる映像だったっけ?


 あははは……


「あのイガグリ……どうしてくれようかぁ……」


 ニヤリ……。と笑い始めたレンが無性に恐い。目が少し見開いた所もまた恐い。いつもの「フフフフ…」な笑でも綺麗な顔では恐怖が増す。なのに今回は……無言のニヤリだ。ダメだ。俺のSAN値はガリガリ削られていく。


 赤の他人のなら別に怖くない。だが、最も親しい相手がこうなると恐い。本当に恐い。SAN値直葬だ。もうやめて、俺のSAN値はもうゼロに近いよ!!


「お、落ち着け、落ち着けレン。」

「なぁに?嫁さん?」


 ニッコリ。さっきとは裏腹にとても綺麗な笑顔で答えた。だが、さっきのニヤリを見てからだと、恐怖を煽る事しかない。考えても見てくれよ、自分の伴侶、恋人が包丁を片手に目を見開いてニヤリと笑っている。しかも、包丁には血が付着して頬にも返り血……恐い以外に何があるのだ?


 この世界の原作はいつからヤンデレになった。確かどのルートもレンはヤンデレにはならなかったぞ。俺は危ないようなルートもあったが、まぁそれは置いておこう。


 にしても、これは不味い。レンが元に戻らないと料理は出来ない、俺は発狂寸前、どうでも良いのだが一応客人で他国の 要人でもあるイガグリの命が無い。てか、どうしてさっきまで普通にしていたのに発狂してるんだよ……本当に何でだよ!!



「………ガスッ!」



 一度生板の方に向き直り包丁なの刃先を生板に突き刺した。益々おかしい……料理道具は丁寧に扱うレンがソコまでするなんて……


 それだけじゃない。レンは……いや、ベルの時も包丁と生板は丁寧に扱っていた。常々「料理道具は魂が宿るんだって。私が使っても大した料理は作れないけど、丁寧に扱っていたら少しは料理が美味しくなるかも♪」と言っていたくらいだ。こんな風に扱うなんてあり得ない。


 それに、ベルが使うと長持ちするのだ。ケータイとかも。言わなきゃ平気で3年以上使っている事もあった。ケータイ最長記録は5年だった。それも俺が買い換え時期だろ?と言ったから換えたのであって、言わなければもっと延びただろう。


 おっと、話が脱線した。つまりは本当にレンらしからぬ行動だって事を言いたかったんだ。



 それと心なしか顔色が若干赤い? 熱でも有るのだろうか?


 レンが包丁を手放した今がチャンス。そう思い近付いて手を取った。案の定レンの手は冷え症ではないのでいつも温かい。だが、今はとても熱かった。


「レンお前!…熱がっ!」


 慌ててデコに手を当てて熱を確かめた。もう恐いとかどうとか頭から吹っ飛んでいた。


「熱っ!!」

「…ひんやりして気持ちぃ……」


 ふにゃり…そんな風に笑うと額に当てた俺の手を自分の手で掴んで抑えた。俺の手は冷え症なのかそう言う体質なのか冷たい。やはり熱がある所為で気持ちがよかったのだろうか?


「そんなことより……レン、休んでろよ。後はどうにかするから。無茶したんだ、な?休んでろよ。」




 こうしちゃいられない。麗春さんと朱李さんに言わなければ……。そう言えば、朱李さんまだ檻の中だったな。もしかして熱の所為で忘れてたのかも。注意力散漫になってたんだよな?



 ベルが熱を出したのは両手で数えるほど……今のように高熱だった事などわずか三回……その時の行動は……


「アハハハハハハハハ……ハァ……」

「……(テンションが変に上がるんだよなぁ)」



 ベルは一年に一回は熱を出した。ミケは「鬼の撹乱」とか言っていた。高熱が出るのは数年に一回のペース。子供の頃はもっと出たとか。大人になって多少は改善したと本人は言っていた。小さい頃のベルはとても痩せていて…病弱なのは明白だった。体力の無い子供が何度も高熱を出すのは大変だっただろう。ホントに生きててくれて良かった。



 っと、脱線、脱線。



 フラフラして来たレンを支える。おいおい、どんだけ具合悪かったんだよ……。あぁぁぁ~、暴走した俺のバカ!!レンの方が重症じゃないかよ!熱でおかしくなってたレンに恐怖してた俺のバカ!


 本当俺ってバカぁ!!!



 頼むから大事にはならないでくれ!!!









「もう大丈夫よ。」

「気を失ってもこの檻は解けないのか……凄いな!?」


「檻の中から言われても……」


 檻の中から朱李さんは気を失ったレンを心配そうに見ながらレンに閉じ込められた檻を誉めた。


 あのあと気を失ったレンを担いでリビングに戻ると八雲と話していた麗春と不本意だけど心意に聞いていた朱李さん、未だに話についてけない王子達とニヤニヤ笑うネタでも考えてるマオ嬢ことミケは完全に聞き手にまわっている。


 てか、レンの檻って本当にスゴいんだなぁ。


「ボス、大丈夫ですか?」


「大丈夫。妖怪でも疲れは溜まるものよ。ただ慣れないことをしたから疲れたのよ。八雲くんから聞いたらかなり無理したみたいだし。何より、皆忘れているようだけど、紅蓮はまだほんの8歳よ。体が追い付かなかったのよ。」


「「「「(そう言えば8歳だ)わ)ですわ)」」」」



 あ、今狛斗王子、鈴雛姫、舞子と八雲が同じ事を考えてたな。どうせ、今更8歳の子供だって気が付いたんだろ?


 中身三十路手前だからなぁ……俺もそうだけど元々が子供っぽいからそうでも無いんじゃないか?


 ま、そんなことは置いといて……レンが過労で高熱をだしてダウンした。一時はどうなるかと思ったが、頭を永久氷石と呼ばれる溶けない特殊な氷で冷やしている。


 厄介なことにレンの一族皆、薬の類いは効かないのだ。毒が効かない代わりなのだそうだ。


 黄の国で飲まされた毒は特別なモノで唯一らしいが、その分作るのも、買うのも値も張るので早々無いらしい。あ、それと。毒消しが効くのはあくまで毒の効果を打ち消す為であって、薬が体に直接効いている訳ではないので論外だとか。よくわからないなぁ。


 それにしても、妖怪って体が頑丈過ぎるのか高熱の度が遥かに違う。今レンの体温は50度……そう。もう死んでても不思議じゃない。いや、人間なら死んでる。40度でもヤバイのにそれを大きく上回ってしまっている。


 俺はもうハラハラしっぱなしだ。さっきも言ったように、レンには解熱剤が効かないのだ。だから地道に冷やすしかない。もどかしい……



 苦しそうな息、熱で真っ赤な顔、下がらない熱にうなされて汗だくなレンは見ていても苦しい。これ位では死なないらしいが、逸れでも心配なのは変わらない。


 ベルの時はどうしてたっけ……



「コウちゃんは今まで熱も出したことが無かったのよ……こんな時はどうすれば……。先ずは何か食べさせないと……それよりも水かしら?」


 本当に情けない親よねと、落ち込みぎみポツリと呟いた。そう言えばレンが「私の様な子供だと親が育たないから」とか言ってたなぁ。もしかしてこの類いの事か?


 まあ、確かに俺も手探りの子育てだったし。いくら親の助けがあっても何時も助けがあるわけじゃ無かったし……。自分の判断で子供の命が危うくなるかを別ける事もある。責任重大だ。


 そんな親に必要な経験が麗春さんや朱李さんには無いのだ。レンや俺は赤ん坊の頃から自我があって面倒もあまり掛けない。そんな手の掛からない子供では親は育たない。子育ては親育て、子供がチートで頑丈過ぎるのも考えものだな。



「(俺が熱を出しても食べられたのはベルが作った甘い玉子焼きと洋梨と桃の缶詰めだな…)」



 今考えたら熱があって食欲が無いって時に良くもまぁ玉子焼き食べれるよなぁ。桃缶とかは分かるけどさ。


 でも、今ココに桃缶は無い。てか、缶詰め自体がない。あ、でも桃とか洋梨とかフルーツ類は“白き箱庭”に実ってた……取ってこようか?



「仕方ない、自力で出るか……っ!!!………? ・・・出れない」

「あら、スゴいわね。朱李の力でも出れないなんて……もしかしてコウちゃん最強何じゃない? ってそれよりもコウちゃんの熱を……」



 俺の隣で繰り広げられるコントを無視してレンにしなければいけないことを必死で考えた。けど結局、桃と洋梨を取りに行く位しか思い付かなかった。


「(今の俺に出来ることは、簡単に夕食を作って、“白き箱庭”から果物を取ってくる位だ。あ、でも、夕食を作るのは大役か?)」



 考えても仕方がないので夕食の支度をしようか。その後果物を取りに行く。レンはココで麗春さん達が見ててくれるだろう。よし。さ、支度支度……



 ん?王子達はどうしたかって? 大人しくしてるぞ? 話についてけなくて静なだけだろうけどさ。




 そこで俺はふと、気が付いた。



 あの俺のSAN値をガリガリ削った場所に一人で行くのか……?肉と血が散乱?している場所に?


 ちょ、誰か、誰かついてきてくれ~。あ、奏?薬入れから出てきてくれ、頼むからぁぁ~。





 結局レンの眷属達は出てこなかったので、ただ一人居た八雲についてきてもらうことになった。あれ、気まずい……選択ミスしたな、俺。






 紅蓮は熱で可笑しくなっていたというオチ。


 朱李さんは檻の中で一夜を明かすことになりましたとさ……哀れに思ったマミィが部屋に檻ごと運んであげました。



 ドンマイ!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ