婚約者通り越して、結婚フラグに進化した!? その2
サブタイトル、協力者現る。
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そしてこの小説をお読みいただいた方々ありがとうございます。
30分ちょいで書いたモノなので誤字脱字等あると思いますが、気付き次第直します。
吐き気を堪えている末姫様に冷めきってしまったお茶を、入れたてのお茶と交換し、私も一息つく。
こんなに嬉しくて、はしゃいだのは何時振りか…。いつも周りの目を気にしながらの生活は窮屈で、いつしかこの7年間、マミィの前でしか自分らしさを出せなかった。いや、もしかしたら、マミィの前でも出しきれていなかったかも知れない。
前世はよく友達とわけもなくはしゃいだりしていたなぁ…。あの友達は元気でやっているだろうか…。
大丈夫だろう。きっと今頃、コスプレしてコミケにでも行ってるんじゃないか?
あ~、懐かしいな…。よくコスプレの着せ替え人形になっていたよ…。何でかいつも男性キャラの格好だったけど。
今の姿を見たら、発狂しそうだね…………? いやいや、まさかフラグ?
今の姿はあいつが建てたフラグ?
いつか〆る。
「えっとさ、気持ち悪くない?」
「えっ?」
ヤバい、思考がトリップしてた。なんだっけ?( ̄▽ ̄;)
「だ・か・ら! 前世とか云々だよ!」
「あ~、なるほど…全然。」
あら、転けた。芸人ばりのコケだね。
それにしても、口調が完全に違うねさっきと。こっちが素なんだね。
さて、わたしも爆弾を投下しますかね…。
( ・_・)ノΞ●~*
「だって、私も転生しましたから。それも、前世では女でした。ついでに、あなたと同じ元日本人ですよ。」
「………は?」
ぶふっ! ウケる顔してるよ。なまじ顔がいい娘がやると見事な破壊力!
「ぶふっ!……wwwww、ごめんなさい!!(ノ´∀`*)」
「笑うなら笑え。てか、何に対してそんなに笑ってんだよ!」
「だって! だってその顔…ぶふふふ…」
「………泣いていいか…」
「ごめんって、なんで涙目…」
そう言うと、涙目で話はじめた。
「なんかさぁ、娘の体になってから、なんか涙脆くて…。前世はそんなこと無かったのに…」
そう言うと、本格的に涙を流し始めてしまった。コレ私のせい?悪いことしたなぁ。
いや、本当に泣かないでよ~。どうすればいいか分かんなくなるから。
初めて女の子に泣かれた男の気持ちが痛いほど解った。本当にどうすればいいかわかんなくなるよコレ。
「こうなったら…………」
最終手段!出でよポチ~!
今まで名前だけの登場だったあのポチだよ。まだ傷痕に毛は生えてない…。いつになったら元通りになるのか…。
「ポチ、ヘルプミ~、ちょっと手伝って~!」
呼んだら直ぐに来てくれるとても賢いよこの子。さっきまで部屋の隅っこで気配さえ消していたポチは尻尾を振りながらスゴい勢いで駆けて来る。いくら仔犬でも勢いが付いた毛玉は当たれば結構キツイ。けれど、そこはもう慣れた!
案の定、勢いよく突っ込んできた毛玉コト、ポチは私の腹に直撃!だが、さっきも言った通り、もう慣れた。
この時、末姫コト、藍苺が泣くのを忘れるほど驚いていたのは、今の私は知らなかった。改めて思うと、七歳そこそこの子供が、仔犬、それも巨大な仔犬にタックルされたのを見ればそりゃ驚くわな…。
それにしてもポチ~! お前ってホントにお利口さんだよね~。刷り刷りしたい。
因みに、ポチは一歳未満のオス。勘違いしてる人はいないかも知らないけど、柴犬じゃないよ。巨大が柴犬に付く訳ないしね。
「その、可愛いけど、羽が生えた巨大な真っ黒毛玉は何に?」
「可愛いでしょ? 特にこのフワフワと真っ黒の羽。この羽、鳥みたいに飛べるんだよ!」
そう。羽が付いた真っ黒の狼なのだ。それも鳥の翼の様な。まだ仔犬なので長くは飛べないが、一応は飛べる。
前の世界ではいない。何せここは異世界なのだから、見たこともない生き物が居ても不思議ではない。
「こんな生き物見たことないよ。」
「それは、とても過保護に育てられたね。」
「ん? どういう意味?」
完全に泣き止んだようです何よりです。なんで泣き止んだか知らないけど。
なんで過保護かって? 外では普通。
つまり、一般的な常識だからねコレ。
「この世界には人間の他に、妖怪って種族が居るんだよ。この子は天狼のポチ。まだ生後一歳未満のオス。」
「ポチと言うより、もっと強そうな名前が合うんじゃない? 確かに可愛いけど。……………え? 妖怪ぃぃ!?」
…ホントに、面白いこの娘。
ちょっと、マジでからかうと面白いよ。
「妖怪って、あの?」
「どれが「あの」、かは知らないけど、妖怪だよ。猫又とか、河童に…後なんだっけ? まぁ、そんな感じ。人間の人口と同じくらい居るよ。まぁ、私も外なんて見たこと無いんだけどね。」
マミィによると、妖怪達は普通に生活してるんだって。この国はかなり寛大な所があるとかで、あの、KY陛下にしては……いや、先王達がしっかり土台を作ったからだね。
悲しいことに、世界の多くの国は迫害しているところもあるようだ。おおっぴらにしていなくても暗黙の了解で容認されている国もある。
どこに居ても、人間は差別を止めることが出来ないのか…。
「そっか、俺が知らないだけで、この世界はそんなに…。もっと知ろうとすれば良かった。」
「まさに、後悔先に立たず、だね。まぁ、知ろうとしなかったのは自業自得だね。」
「……そこは。「今度から知ろうとすれば良い」とか、言ってくれよ。」
「あはは。甘えんなよ。私はギャルゲーの登場人物でもないし、乙女ゲーの攻略対象でもないんだよ。それに、精神年齢何歳だっけ?二十歳越えてんだろ?」
「うっ、…精神的には27歳です。」
えぇぇ、同い年~。あれ、私老けてんのかな? それとも、環境のせい?
「嘘だぁ、二の姫27歳なの? ちょっと子供っぽくない?」
「二の姫なんて呼ぶなよ! ……やっぱり子供っぽいかな俺。」
「じゃぁなんて呼べば良いんだよ。藍苺だったっけ? 藍苺って、ブルーベリーのことだよね。」
「そうだっけ?でも、女っぽいから名前呼びも…嫌だな。」
「じゃあ、前世の名前で呼べばいいんじゃない?」
「その手があったか…。」
「それと、子供っぽいかって? うん。そう思うよ。だってさっき2回も泣いたし。」
「だからぁ、あれは身体に精神が引っ張られて…」
「ハイハイ、子供っぽくないよ~。」
「遊んでるだろ。」
「あ、バレた?」
「で?どうすんだよ。」
「はい?」
話がいきなり飛んだ。何の話だよ?
「いや、だから、婚約の話だよ。出来れば、お前が良いんだけど…」
厄介な話だよね。てか、なんで私が?
「なんで? 兄達の方がいいんじゃないかな~。それと、お前にお前って言われたくない。なんか偉そう…。」
私も少し子供っぽいとは思うけど、オイとか、お前、なんて呼ばれると何かイラつく。
「なら、レン?それとも、コウ?」
ん~。響き的にはレンかなぁ。コウって言いづらいと思うのは私だけか?
「じゃぁレンで。てか、そっちが名前短縮するなら、私もランかメイって呼ぶけど良いよね。」
「俺は別に構わないけど、出来れば女っぽくない無い方がいい。それにしても、いきなり言葉使いが荒くなったな…。」
「あぁ…こっちが素だから。てか、そっちも最初と全然違うよ。」
日頃言葉使いが悪いと、何かにつけ言い掛かり付けてくる奴等が居るから…。
「この後宮じゃ、独り言も迂闊に出来ないから。難癖つける隙を与えたらアウト。だから日頃はあんな礼儀正しく喋ってるの。」
「大変だな…ここは。」
「藍苺、もうランでいいよね。で、ランの所はどうだった? 確かランの母親も側室だっただろ? 何にも無かったわけない。」
「何も。良いことも無いし、嫌なことも無し。空気みたいに扱われたけど、ネチネチ嫌味攻撃なんかは無かったなぁ。」
なんと! 平和な後宮もあるのね。「空気みたいに扱われた」ってトコは頂けないけど、命を狙われなかったのは幸いだね。
「空気みたいにって、父親の王様は? 国を出て来るとき位は会ってるだろ? 娘を嫁がせるんだし、そこも無関心だったの? この国の陛下じゃ有るまいし。」
「会ってはいるけど…会ったのはその一度きり。りゃぁ、俺とは血が繋がって無いから…。」
ん? ちょっとマテ、この展開はもしかして…
「だって俺、ここの国の王様の子だから…。だから…」
だから、血の繋がった兄弟である兄上達とは結婚出来んのか…。
は? てことは、先方は私が、KY陛下の子じゃないのは知ってんのか!
だから、何故私なのか聞いたとき、あっちの指示だとか言ってたのか…。
「そっちの王様は私が…」
「知ってるよ。だって…この国の王様が愚痴っていたのを俺の国の密偵が聴いたから。」
「あぁなるほど…あのKYならあり得る…ハァ~。」
壁に耳あり障子に目ありだろ。なにしてんだよ!他国に付け入る隙を与えんなよ!
私の出生は知られたとしても、国の一大事には発展しないだろうけど。つい、国家機密を独り言で言ってしまった場合、取り返しがつかなくなるよ…。日頃の王としての自覚が足りないんじゃないの?
因みに、この部屋の周囲は罠とか、色々仕掛けられていてとても危険だ。勿論、普段人が通る所は安全だよ。
マミィ考案のえげつない罠だから、この部屋は今は安全だよ。
毒混入事件の時、かなり肝を冷やしたらしく、事件後はりきって罠を仕掛けるマミィの姿が印象深かった…。アハハハ…毒なんて全然効かなかったよ…どんだけハイスペックなんだろこの身体。
そのえげつない罠のお陰で、今の会話が出来るわけだよ。マミィに感謝だね。さて、マミィもそろそろ戻って来る頃だろう。
マミィが茶菓子を取りに行って約20分…。後宮が無駄に広いうえに、筆頭女官に捕まったのだろう…。話が長いんだよあの人。
厨房辺りに茶菓子取りに行くだけなら、マミィの脚で往復5分程しか掛からない筈。一般人なら往復20分掛かる。子供の私は片道10分…どんだけハイスペックなんだろ、この身体。大人と同じくらい…。でも、マミィも大概ハイスペックだよね。
「どうしたのだよ。遠くなんか見てさ…」
「いや、ちょっと、自分の周りは常識が通用しないなぁって思って…。」
「レンだって普通じゃないと思う。」
「マジで?」
えぇぇ…、私は至って普通ですよ。
「あっ、ゴメン。呼び捨てしてた。」
「別にいいよ、同い年だし」
何か、ランって細かいことまで気にする性格のようだ。
「話を戻そうか。」
「そうだね。何でか話がずれる…」
「ねえ、ホントにあのKY…陛下と血が繋がっているの? 似てないよ全然。てか、なんで他国の側室がKY陛下の子供を産むんだよ……あの女ったらしが…切り落とすぞ……」
「あえて諸々聞かないからな、それ。」
まさかあの女ったらし、白の国訪問したとき手ぇだしたんじゃ…あり得るな。
「婚約云々のことはさぁ、つまりは、私を利用したいんだろ?」
「やっぱりダメだよね…」
「まぁ、騙されるのは嫌いだな……いいよ、婚約しようか。なんなら今すぐ結婚しようか?」
「やっぱりダメだ…はぁ!? なんで?騙されるの嫌いだとか言って結婚しようとか…、どういうコトだよ…」
どういうコトって…そりゃ驚くわな。
「お互い利点があるから。私は、政略結婚何かしたくない。ランは、国に帰りたくないから、婚約しないといけないけど私以外の王子と血が繋がっているから私以外とは無理。なら、結婚してしまった方が良いんじゃない? どうせ、結婚出来ないし。」
「つまりはお互い利用し合うってコト?」
「そ。精神的に女だから、普通の恋愛は無理だしね。BL、百合は勘弁だし。」
「あ~ぁ、確かに俺も自分が、となるとちょっと無理。」
他人を見てる分には別にいいよ、他人なんだし。でも、自分のコトになるとダメ。
フラグ回避のため、この婚約フラグは敢えて回避しない方がいいと思う。
自分で婚約から結婚フラグにレベルアップさせちゃったけど、偽装結婚だしいいか。
「偽装結婚だから、別に私はいいんだけど、ダメ?」
「その話乗った! 因みに、そっちの王様が、うちの国の後宮に忍び込んだ結果が俺だから。」
ランは「しかも同意なし」と、さらっと過ぎるカミングアウトをありがとう。予想は当たったよ。ホントかは確信無いけど、今までの前科があるKY陛下だしね。
どちらにしても、KY陛下に非があるよね。
「なら、私達は共犯者だね。色々手伝ってもらうよ♪」
「何すんのか分かんないけど、いいよ。俺も、頭にキテるから♪」
ハタからみたらニッコリ笑いながら談笑している、身分が高い子供。にしか見えないのに、この会話の内容は…異様だっただろう。誰も居ないけど。いや、ポチが居たか。
今まで私の膝で大人しくしていたポチを抱っこしながら、ランとガッチリ握手をした。共犯ゲット! いや、協力者かな。
協力者がいると何かとありがたいね。イタズラ的な意味で…ふふふフフ…
さて、どんなイタズラ…違った、フラグへし折り…回避しようかな?
先ずはKY陛下に仕返ししてからかな…。
あぁ~、ポチの毛並みはふわふわだね~♪ 後宮での私の唯一の癒しだからね♪
だから、この毛並みを傷付けた暗殺企てた側室と、その要因を作って、尚且つ後宮の管理を怠った。しかも、私に自分の不義の後始末を押し付けてきた女ったらしの馬鹿には、徹底的に仕返しすることになりそうだ。
勿論、気付かれ無い様にこっそりとね、こっそりと。
マミィに報告しないとね。あっ、そうだ、実はねマミィ知ってるから。
えっ? なにがって?
勿論、私が転生者ってコトと女だったってコトだよ。
だってマミィは………同じ転生者だからね。あれ?言ってなかったっけ?
こうして、齢7歳精神27歳の私は白の国の末姫・藍苺と結婚することになりました。勿論偽装結婚ですよ。
結果、フラグ回収しちゃったけど、協力者としてコレからフラグ回避を手伝ってもらうことになった。
今度こそはフラグへし折ってやる!!
今回は共犯者改め、協力者の藍苺こと、ランと偽装結婚することにした、紅蓮こと、レン 。
果たしてこの選択は吉と出るのか…。
そして、マミィこと、あまり名前が出てこない麗春は、転生者と判明。心身ともに強いわけだよ…。
どんどん、ダメ男の面が出てきたKY陛下は、きっと今までの自分の所業に後悔するときが来るでしょうね。
では、ここまでお読みいただきありがとうございました。m(__)m