一日の始まり
サブタイ、主夫の朝。
お読みくださった方々に感謝します。
朝起きて、パンをトーストしてスープとジャムとバターを出してウインナーを焼いて水にさらしてた野菜を木製のボールに盛りつけサラダにする。
それが私の最初の仕事だ。だが、今日は先にすることがあるので先にそちらを済ませようと思う。
今日はお昼のサンドウィッチも作っておく。朝から主婦は忙しい……あ、主婦じゃなくて主夫だね今は。まぁ主婦か主夫の違いなんて今はどうでもいいか。
お昼は狩りで手一杯なので皆の分のお弁当を作る必要がある。総勢7人のサンドウィッチを作るのは骨だ。半数以上が子供なのは勘定に入れてはいるが嫁さんは大人顔負けによく食べる。母さんも細いのによく食べる……妖怪は皆総じて大食いだ。王族の皆さんも結構食べていた……て、事は、王子達は普通よりも食べるだろう。かなり作っておこう。
「ふぅ……こんなもんでいいか……?」
キッチンに設置してある大きなテーブルにはちょっと大きな山が出来ていた。勿論その山の正体はサンドウィッチだ。大食いが居るからい言うのは分かるが、少々作りすぎだ……と、思うだろう。
実はこれには訳がある。実は……
――黄の国・王宮にて――
『は?』
『だから、私だけ帰るわ』
『俺は? 俺はKY陛下と四六時中一緒に居たのに……俺を置いてくの?(´・ω・`)』
『ちょっとまて、それはどういう意味だ』
『煩い痴れ者が。お前に発言件などない。さっさとその手を動かして書類に判を押せ。』
『ね?コイツ貴方が見てないと直ぐにサボるでしょ?だから見ててほしいのよ。じゃないとまた国が傾くわよ。ね?』
『(´;ω;`)』
そして母さんの『ね?お願い♪』で父さんは折れたのだった……
そしてそんな可哀想な父さんにサンドウィッチでも作ろうと思ったのだった。
憐れ、父さんは黄の国に置いてけぼりにされたのだった。KY陛下の子守して……尊い犠牲になったのだ!生きてるけど。
この山のようなサンドウィッチの半分は父さんの分なのだ。私もかなりの大食漢だけど父さんは数倍食べる。なのでこの量なのだ。
ね?我が家の食事上が逼迫した訳が分かるでしょ? 私含めて大食い揃いな我が家はかなりの食費がかかるのです。それをどうにか遣り繰りしていたが、もうそろそろ限界なのです。
そこで!そ・こ・で・!! 私自身が狩りの解禁をしようと思い立った訳ですよ。異世界で嫌でも培った知識、ここで使わずしていつ使う。………………言わんよ? 今流行りのあの言葉は言わんよ?
で、だ。客人も居ることだし、この食費や諸々の出費は各国に請求するとして、私達の分はどうにかしていかないといけない。白の王には頼らない。借りを作るのが怖いから。
生き物の命を取るのは気がひけるが、生きていくためにはそうも言っていられない。所詮この世は弱肉強食な世なんだ。前世がぬるま湯過ぎたのだ。ただそれだけ。この世界では当たり前の事なんだ。それを母さんや父さんやポチが代わりにしてくれていただけ……もうおんぶに抱っこは卒業しよう。
自分に出来ること……少しでも…両親の負担になら無いようにやっていこう。
一先ずこのサンドウィッチの山を蜜蝋でコーティングした様な特殊な紙に包んでおこう………
あ、勿論これもメイドインマミィです。
さてさて………私が起きてサンドウィッチを作り出したのが午前5時……何だかんだしてて只今の時刻午前7時……誰も起きて来ない。何だ?皆朝寝坊か?嫁さんは分かる。いつもの事だ。が、他はどうした?
「………誰も来ない……」
それどころか、ポチ達も起きてこない……Why?
~それから暫く~
「コケコッコーー………コケコッ……コケッ…コッコッコッコ……コケーコッコッコ…」
遠くの養鶏場から雄鶏の鳴き声が聞こえてきた。多分気分よく鳴いていたのに他の雄鶏に喧嘩でも吹っ掛けられたんだろうね……何か喧嘩始めたみたい。
「……(・_・)」
あれから少し経ち……只今の時刻7時半……未だ誰も来ない。
待てども待てども……誰も来ない。これは可怪しい……何かあったのか?
「璃瑠、奏、兎天、夜夢!!」
こんな時は呼んでみる。眷属と主は絆・縁で繋がっている。呼べば眷属は呼ばれていると分かるらしい。それが眠っていても……
「まぁ、信頼関係が無いと呼んでも来ないけど……」
そこまで眷属との関係が悪い主は強制的に眷属にした奴くらいだけどね。
『主……クァ~、……すみません…何故か眠いのです。寝過ごしました。』
『すみません主様……寝坊しました……zzZZ…』
『夜行性の為とは言え寝過ごすとは……不覚……』
しかし、奏がまだ来ない。おや?と思ったが暫くすると……ドカッ…ゴツンッと痛そうな音がどんどん近づいてきた。多分…奏が寝惚けぶつかりながら此方に来ている音だと思う。
『きゅ~……ご主人様……何でしゅか?………』
フラフラフヨフヨ浮かびながら此方に漂って近づいて来る奏はまだまだ寝惚けている。あんなにぶつかりながらまだ寝惚けているなんて……誰かさんに似てる。影に入って来ればぶつからなかったんじゃない?
『して、主。先程私の名を呼んでいたのは如何した?』
「あ、何時もみたいにポチって呼んだ方がいい?」
『いえ、ポチの名前は効力はありません。呼ぶ場合は璃瑠と呼んでください。』
「うん。ごめんね……最初は私の力不足で名前呼べなくて……今はもう大丈夫何だけど……癖でついポチって言っちゃうんだよね…」
癖ってのは中々抜けないものだよね。妖怪の力が目覚めて数ヵ月経つけど未だにポチと呼びつつけていた。力ある者が眷属の名を呼ぶと主から眷属に力が流れるのだが……強すぎれば当然眷属に負担がかかり、最悪の場合暴れだす。最初の頃にそんな事があったのだ。
『いえ、主から貰った名であることには変わりありません。どちらも私の名です。』
「お前ってばホントにお利口さだよね~」
抱きついてスリスリしたい。頭をわっしゃわっしゃなで回したいよ。
『それで、一体どうしたのだ?ふぁー……失礼した。』
夜夢が大きく口を開けて欠伸して聞いてきた。あ、忘れるところだった。
「そうそう。ちょっと兎天と夜夢に御使いして貰おうと思って……えっと、ちょっと待ってね。」
『御使いですか?……た、大役ですね!』
『落ち着け……だが確かに大役だな。して、誰宛だ?』
『ふむ、恐らくは……父上辺りではないか?』
『きゅ?……とてもいい匂いでしゅ……』
兎天と夜夢に頼むのは父さんへのサンドウィッチ。それと、何だかキナ臭いので手紙もつけて。
「さて、…………と、これでよし!じゃぁ兎天、夜夢。これを黄の国に居る父さんに届けてね。あぁ、朝御飯食べていってからね?」
『きゅ♪ボクパンの耳がいいでしゅ!』
『私は……その肉の腸詰め……がいいです!』
『自分は……余り物でいい。』
『獲って来ますゆえ……私は』
奏以外遠慮がちだ。だが、仮にも私の眷属。私は新米だが主だ。詰まりは上司と部下の関係だ。それなのに食費の心配をさせるなんて……ダメだ。
「奏はパンの耳でいいの?」
『きゅ!パンの耳でいいでしゅ!』
「じゃ、パンの耳とオマケにウインナーも付けとくね。璃瑠と兎天と夜夢はウインナーと肉の燻製ね。」
勿論皆に上げる食糧は一応塩分控えめで香辛料無しの物。人間が食べても平気だからと言って動物が食べるとダメなものは極力避けている。妖怪だから大丈夫だろうけど、子供のうちはまだ弱い器官もあるらしいので、気を付けているのだ。特に塩分は。ポチは妖怪の力も強く体も丈夫だが、他のメンバー……特に兎天は消化器系が未だ弱いらしく親御さんに「肉以外は極力避けてください」と言われている。その為、皆も兎天の薄味に付き合っているのだ。
「あ、ウインナーも食べるのは異論は認めんよ」
『けれどある……いえ、主、いただきます。』
『ありがとうございます主。(主の顔が……)』
『忝ない。(一瞬虎に睨まれた様に感じた…)』
うんうん。素直で宜しい。
「それにしても……誰も起きてこないんだよね……皆して寝坊って……(どう見ても怪しい)」
『モグモグ……主、食事が終わりしだい御母上を起こしてきましょうか?』
『きゅきゅ…ボクたちお仕事がないでしゅからちょうどいいでしゅね♪』
『ならば私達は御使いに早々に行きましょう夜夢さん。』
『そうだな……この荷は食べ物の様だし、早めに届けてしまおう。』
「ありがとね。じゃぁ母さんを頼むよポチ。兎天と夜夢は無理せず自分のペースで御使い宜しく。気を付けてよ?奏は私と一緒に嫁さん起こしに行くよ?」
『御意』『任せてください!』『ん。』『きゅ!』
元気よく返事をする皆であった。ホントに皆可愛いわ……
――只今の時刻7時50分程――
はい!私は今嫁さんの部屋……ではなく
私の部屋の前に来ております。昨日は私の部屋で寝てたからね嫁さん。よっぽど寂しかったのか?
えー……、ドアを開けますと……そりゃもうグッスリと未だに夢のならでございますよ?もういい加減に起きてほしいのですが……今のところ起きる気配なし。
ここで最初にすることは、カーテンを開けることです。人は目蓋からでも光を感じるので朝日を浴びると自然と目を覚ますそうです。それにそうやって起きるのはとても清々しく起きれると言われています。実際私は明るいと夜でも起きてしまうので強ち間違いでもないようです。
シャー…と、カーテンを勢いよく開け音も大分大きいですが、嫁さんはこんな音では決して起きません。私の部屋にある窓は日が当たりやすい位置にベットを置いてあるので光はバッチリ顔に当たります。それでも眩しがり布団で顔を隠してしまいます。
ホントに寝汚いよ?嫁さん。
布団に潜って居るとき、ここで耳を澄ますとたまに寝言が聞こえます。大半はお菓子関係か食べ物関連の寝言です。今日は何の寝言かな?
「……っ……ん………クゥ……カモメ………玉子」
………うん、これは多分お菓子の商品名を言っていたと推測する。確かそんなお菓子がお気に入りだった筈だ。
さあ、お遊びはここまで。客人よりも寝ていることは嫁さんが許しても我が家の主夫は許しません。と、言う訳で……
「右手にお玉を、左手にフライパンを……死者をも目覚める騒音……必殺……死者の目覚め!!」
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッ!!
皆様お馴染み?の寝坊助に最適な迷惑行為スレスレ(やったらダメだよ?)の目覚まし「死者の目覚め」。どんなお寝坊さんでもたちまち目を覚ます。聞いた話では村中まで響かせる猛者も居るとか。本家はこれでモンスターも倒すのですよ奥様方。
「うわっ!!!(ドスッン」
この目覚ましはかなりの前からやっているのだけど、未だに嫁さんはベットから落ちる程驚く……やりはじめて早数ヵ月……いい加減一人で起きるか、慣れるかしてくれないかなぁ。
哀れな朱李は黄の国に子守りとして置き去りにされたのだった。
そして知ってる人は知っているアノ技。紅蓮は初めはノリでやったのですが意外にも効果があったのでそのまま続けてやっています。
近所が居ない場所だから出来る技ですよね。それでも起きてこない人達も居ますが……




