謝罪は要らん
賛否両論、舞子関連の話題です。
ちょっと紅蓮が辛口です。
ニヤニヤ顔の嫁さんの攻撃を避けつつじゃれているとコンコン…とドアをノックする音かした。どうやら誰か訪ねてきたみたいだ。はて、誰だろ。
「誰?」
「私よ紅蓮。話があるの。入ってもいい?」
母さんが訪ねてきた様だ。何か話でもあるのだろう。夕食後は色々あって話をする機会がなかった。
「母さん入れても良い?」
「ここはレンの部屋だろ。好きにしろよ。」
嫁さんの許可も貰ったのでドアを開けることにする。それに、どうやら母さん以外にも居るようだし。
「大勢でどうしたの?」
「あら、気が付いた?」
ガチャリとドアを開けると母さんがマオと舞子を連れて立っていた。これは大変だ……前世関係で話が有るのかな?
「どうぞ、狭いところだけど」
「そんなことないわよ。私が広めに作ったんだから(笑)」
「挨拶みたいなもんだよ。」
「ふふふ、分かってるわよ♪ あら、ランちゃんここに居たのね♪ ごめんなさいねお邪魔して…」
「別に邪魔じゃない。」
「そんな所で立ち話してないで早く部屋に入りなよ。」
「おじゃまします♪」
「お邪魔します…」
「それじゃお邪魔するわ」
話があるのはどうやら舞子の様だ。話をする前に床に直に座らせるわけにもいかないので座布団を出して座るように勧める。客人二人は母さんの隣の両側に座り私と嫁さんと向かい合った。
「コウちゃんの部屋を訪ねたのは舞子の事についてと、私の事よ。」
「後、私の事もね♪」
「………」
ふむ、話には聞いていたけど、凄い変わりようだね舞子。私は正気に戻った!ってヤツかね?
「その………ごめんなさい!!」
今まで黙っていた舞子がいきなり謝ってきた。
「……それはどういう意味の謝罪?私に?それとも藍苺に?」
どうして謝罪しているのか、その理由も無しに謝られても……正直心に響かない。私って冷酷・冷徹・残酷って言われてるからね……
「(ココウちゃん、容赦ないわね…)」
「(う、うわぁ…怒ってる……凄く怒っていらっしゃる……)」
「…………」
「あの……」
母さんは少し呆れ気味、マオは知らん多分唖然何じゃない?嫁さんは無表情で無言。舞子はしどろもどろで戸惑っている。そんな謝罪で許されるとでも思っていたのか?
「どんな事をして、相手が傷付いたか理解して、自分はどうするべきか。今後どうするかを話して謝罪しないと相手には伝わらないこともあるよ。それに、私に謝罪してるの?藍苺にしてるの?」
「あ、………っ…」
「泣けば済むモンじゃないでしょ。それに私達に謝るより他に謝らないといけないんじゃないの?」
「う、でも」
私が言いたいのは……子供を無くした母親には謝ったのかってこと。多分直接は謝って無いと思う。私なら絶対に許せないから。地獄の果てまで追い掛けて殺すだろうね。
「でも?」
「許してくれないよ……っ」
それってさ……
「それって、私達なら許してくれると思ったの?」
母さんが許した手前私も……仕方ないから許す。でも、それは私だから。自分で勝手に嫁さんの呪詛を肩代わりしただけ。私の命に関わる被害はそれだけ。それに、実際は黄童子の仕業だったし。
でも、藍苺は実際に舞子の掛けた呪詛で死にかけた。嫁さんが自分で破ったらから良かったものの……実際、黄の王の庶子が呪詛で亡くなっている。
だから、母親の立場ではホントはこう言いたい。「それでもアンタは母親か?」と。
「私に謝っても無駄。もっと謝らないといけない人が居るでしょ。」
「…………」
「コウちゃん……」
「ねえ、母さんが子供を殺されたら…どうする?」
酷い質問だと思う。けど、これでヘコたれるなら他に謝るなんて無理でしょ?
「そうねぇ…殺すわ。犯人を。」
その一言に舞子は肩を震わせた。いくら変な術に掛かっていたとしても、それは知らない人から見れば関係ない。
「……」
「藍苺は?どうする?」
「確かに子供を殺されたらそうしたくなるな。でも今回の謝罪はどうでもいい。」
割りと簡単に答えた。そうだろうと思ってたよ。あんまり頓着しないからね自分の事は。
「勘違いするな。赦すじゃない。どうでもいいんだ。」
これは……赦さないより質が悪い。いくら謝っても関心がない……私なら辛いよ。
「まぁ、どうともしないから勝手にしろよ。」
「当事者の藍苺が良いなら私はもう何も言わない。だから、」
ここは釘を刺しておく。
「これ以上私達に関わるな。またこんな事があれば……」
殺す。口には出さないが私の言いたいことは伝わったようだ。とても青い顔をしている。
「分かった?」
「は、はい。分かりました!」
よし。この話はこれで終わりだ。
「なら、この話は終わりだね。」
終わったことはさっさと忘れる。それが生きてく上で大切だ。なので話題を変えようとする。
「え?」
「そうね。じゃ、私の話よ。」
戸惑う舞子を置き去りにドンドン話を違う方に変える。思い空気を変えるため母さんも協力的だ。
「ドウゾドウゾ~」
「あ、私お菓子持ってきたのよ♪」
マオ嬢も乗って来た。締めは頼んだよ。
「この時間に食べるのか?太るぞ」
「ふーん、そんなこと言って自分だって食べてたじゃん♪」
よし。空気はほのぼのに変わった……筈。
マオ嬢の持ってきたお菓子をポリポリ食べながら母さんの話に耳を傾ける。ちなみにお菓子は芋けんぴだ。
「では、オッホン……私は朱李と一緒に死んだの。あまり覚えてないけど……でも一緒だったのは覚えているのよ。それで、今の私に産まれたの。私の実家は黒の国の貴族。でも私って末っ子で……誰も私を見てなかった。」
うむむ…。母さんの生い立ちはシリアスだ。
「でも、何故か朱李も近所に住んでいて……5歳の時出会ったのよ。その時は……嬉しかった。けど、それと同じくらい悲しかったわ。朱李まで死んでしまったってことでしょ?」
確かに……私もジンが亡くなり藍苺として転生したと分かった時は複雑だった。また会えて嬉しい半面、ジンには長生きしてほしかった。
「その時はね、似非神とはまだ面識はなかったのよ。でも朱李が「ここは私達とミケが作ったゲームの世界なんだ」って言い出したの。始めは……信じなかったわ。転生したのだけでも信じられないのに、ゲームの世界に居るだなんて……でも、私も朱李も名前に聞き覚えがあった。」
「それでまたどうして黄の国何かに行ったの?」
母さんは苦笑いをしてポツリと言った。
「心の何処かでこれは夢だって思ってたの。黄の国に行ったのもゲームとは違うって思いたかったからなのよ……でも、謂れのないことで朱李は弁解の余地なく……封印されたわ。そして私は朱李を盾に取られて後宮に。その後はあなたが知っている通りよ。」
「前から思ってたんだ。何で取り返さずに後宮に残っていたんだ?」
嫁さんが私も疑問に思っていた事を聞いた。母さん程の妖怪なら、取り戻すなんてわけないだろう。
「そうねぇ…、あの陛下からなら簡単に取れるでしょうね。けど、あの時は…黄色い悪魔に邪魔されてたのよ。」
黄色い悪魔とは黄童子の事だよね?
ただ謝られても自分が何に対して怒っているのか、何が悪かったのか言われないと、或は理解せずに謝られても……ピンと来ない紅蓮でした。
私も頭がこんがらがっている。(;´д`)




