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フラグ?知らないなぁ…  作者: 雲猫’
番外編―後日談―
70/108

その頃白の国では………

 タイトル通り白の国での出来事。時間軸は紅蓮が目覚める1週間前辺りです。



 ふぅ……黄の国の建て直しに助力して一週間が経つ。未だ膿は出しきれていないのが現状か…。長年の腐敗はかなり根深く根を下ろしていたようだ。


「これは一年やそこらじゃ無理だな…」

「それでやらないよりはマシでしょ?」



 妻で王妃の玉葉が緑茶を湯飲みに注ぐ。長年の付き合いで濃い目のお茶が苦手と知っている玉葉は自分は濃い目のお茶が好きにも関わらずいつも薄目に淹れてくれる。日頃は冷たいのに些細なところで優しい……いつも優しければ……


「狛李? 何か言った?」

「…いや、何も。」



 この通り、直ぐに優しさは鳴りを潜めてしまう。根は優しいことは理解している……のだが、いかせん分かりづらい優しさなもので、見落としがちだ。



「狛李、極小数の口傘のないもの達が貴方が黄の国を掌握するのだと宣っていますよ……怪しかったので間者に調べさせたところ、裏で他国と繋がっていました。」

「何処の国だ?」

「黄の国の取り潰された上級貴族数名と……」

「何だ?勿体ぶって」

「黄の国上級貴族数名と、我が国の大臣二人との国王族との繋がりがあった事が判明しました。」


 此方も色々ありそうな予感だな。



 の国とは黄の国と我が国、白の国と双方の国に挟まれている小国だ。小麦と反物が盛んな国で戦いとは無縁な平和な国だ。表向きは。


 平和を愛した歴代の王により白の国とは友好関係を築いてきた。何よりあの国の反物は洗礼され美しく、下手な品より安い。大国と言われる我が国の後ろに隠れがちだが、軍事は割とキチンとしている。戦争はここ100年程していない為、軍は専ら災害時の救援や行事の催し何かに駆り出される事が多い。だが、王が代替わりしたここ数年はどうもキナ臭い。王を継いだのは第一王子だったハズ。彼は御年18歳、父親の王が病で亡くなり、第三王子と共に白の国に留学中、父親の訃報を聞き国に帰ったハズ……未だに白の国に留学中の第三王子は終に帰らずこの国に残った。


「ん、……未だに我が国に留学中の第三王子から話を聞こうか?」

「一応此方の方でも事情は聞きましたが……白の王自らの質問には先の質問より話すことが増えるかも知れませんね。」



 そうと決まれば、聞いてみよう。俺は玉葉を伴い茶の国第三王子のいる王立大学院まで足を運ぶことにした。





 この国で唯一の王宮にある大学に足を踏み入れる。この王立大学院は王族や貴族、小数ではあるが庶民でも門を叩くことを許されている。が、狭き門だ。十数年前に学問や武術、呪術に優れた者以外でも学ぶことを志す者や家の事情で入ることが出来ない者に中学院からの推薦で授業料を免除する制度を導入した。これにより幅広い分野の逸材を育成出来るだろう。




「久し振りですね……この建物に入るのは」

「かれこれ……十数年振りだな。」



 何を隠そう、その制度を導入した年に入学したのが俺と玉葉なのだ。俺は王族として、玉葉は中学院の推薦で。その頃は玉葉にかなりいびられた……。王族と言うだけで入学した負い目もあり、玉葉に負けぬように勉強をしていたが、勝てた試しがない。当時から才色兼備で鳴らしていた玉葉に勝てるわけが無かったが……。



「通達は既にしています。」

「何処に居るんだ?」

「会議室に呼んであります。」



 会議室は様々な用途で使われているが、今日は何処も使っていないようだ……もしや、俺の所為で使えなかっただけかもしれないがな。



「お久し振りです。白の王。」



 さて、事情聴取をしようか。







        *******







 最近妙な視線を感じる。そう、黄の国から王子達が来た辺りからだ。何だ?



「…………」



 訝しりながら周りを見渡す。文官や侍女達しか居ない……気のせいか?


 気のせいとこの時はそう思うことにした。この頃は白の国もごたごたしている。いつ他国が何か仕掛けてくるとも限らない……警戒するに越したことはない。



「(気のせい……そうだ、疲れはているのか)」



 後々この事があることの前触れとはツユにも思わなかった。恐ろしや恐ろしや……






「危なかった……気付かれたかと思った。」






 その事件が起きるまであと少し。 








         *******






 私は激怒した! 私達の努力の結晶ネタ帳が何者かによって焼却されたのだ。これは私たちとある趣向の愛好家にとって大問題だ!


「皆さんに集まって貰ったのは他でもありません……私たちの教典とも言えるネタ帳が何者かによって焼却されました!」


 集まった侍女達からどよめきが漏れる。これは再犯を防ぐため、基より私たちのウサ晴ら……ゲフンゲフン……努力の結晶を葬られた恨み辛み……何より、


「まだ何処にも書き写していないネタをパーにされた怨み……許されません!」


「そうですわ!」

「私たちの楽しみを……ッ!」

「何としても犯人を捕まえなければ…溜飲が収まりませんわ!」


「それだけではありません! ここ最近のネタを、紅蓮のネタをパーにされた……この上ない悔しさ…ッ」


「私達が提供した話もありましたのに…」

「そうですわ!あの人はとても子供に見えぬ……いえ、男子にも見えぬ容姿……まさにネタの宝庫」

「それだけではありません。黄の国の王子の上の三人は夜中紅蓮様のお部屋に忍び込みましたのよ!結局何もありませんでしたが。」


 ムムム……惜しいことをしたわッ! それに大雅王子も紅蓮に御執心らしいし(かまってもらいたいだけ)、部屋に忍び込んで来た兄王子達を子供ながら撃退して取り押さえた……、何より! 王族として育ったにも関わらず、血も繋がらないという理由で国を出奔した何て……ネタに最適じゃない!? もうネタにするしかないじゃない!!?



 血の繋がらない兄弟、棄てられた王子、寝込みを襲う(別に襲ってはいない)、兄弟三つ巴……、既婚者、そして義理の兄! 薄い本を書かずしてどうしろと!



「でも、おかしいのよ……ネタ帳は厳重に保管していた筈……なのに今回簡単に葬られた何て……一体犯人はどんな手を使ったのかしら……」


「その事なのですが……呪術に優れた者ならば簡単に葬る事も可能ではないでしょうか?」

「だとしたら……まさか賢者と讃えられた老師様?」

「老師様はそんなことに無関心でしょ……きっとネタ帳に書かれたくない誰かですよ。」


 ふむふむ……だとしたら……お父様は有り得ないわ。鈍感なお父様はこの私達の活動に気付いていない……何より、お母様が許さない。お母様も私達の仲間なんだから。


 だとすると、この王宮にいる王族は私を含め後8人……両親は論外、弟の柏樹はそんなこと出来ないし理解できない…ハズ。伯父様は事件以来出家する勢い……只今瞑想中。お父様の叔父、大叔父様は力は強いが私の術を破るほど強くない。何より、勝手に部屋に入るなんて事はしない紳士。その大叔父様の息子は旅行中……何より皆この活動に気付いていない……まさか!


 一人だけ居るわ……この活動を知っている人物……そう、


「お兄様だわ……」


「「「え!?!Σ( ̄□ ̄;)」」」


 そうよ、この前黄の国の王子達とお兄様の薄い本を描いていたことがバレて……口止めしたんだったわ……抜かったわ!!


 そうと分かれば、証拠を掴まなければ……。私が手始めにたことは……おお兄様の尾行。何か怪しければ尻尾も掴める……ハズ。




 と、言うわけで、



「………」



「(フフフ……姿を認識しなくなる術を掛けたんですもの……いくらお兄様でも私を視認できませんよ♪)」


 ただいま尾行中……


「…………?」


「!?!!(びっくー! な、ナニナニナニ!!お兄様私の気配に気がついているの!?)」



 周りに居る侍女や文官は全然気がついてないないのに……恐るべし我が兄!……でも、ネタ確保のために前尾行した時は全然反応がなかったハズだけど……何で?



 あまりの私の気配に気がついているかの様な反応に尾行を断念……が、私は諦めん!


「(ネタ帳の怨み……それに新なネタ確保のため!)」


 そして再度尾行再開を決意した。





 さぁ、私達の趣味の為、息抜きの為この事件を見事解決して見せるわ!!ι(`ロ´)ノ









        ********







 この頃鈴雛姫が暴走している……半分以上私の所為でもある……さて、どうしましょう。



 事の発端は彼女達が書いている薄い本のネタ帳の焼失にある。まさか…ま・さ・か・! あの二人に触手を伸ばすなんて……やるわね……じゃない、私は同じ間違いを犯しはしない!



「先ずはどうしましょう?」


猫鈴マオリン様……何をお考えで? 駄目ですよ、祖国に迷惑を掛けるのは……何より白の国は我が祖国唯一の友好国。ご迷惑をかけるものではありません。」


「分かってる。けど、弊害が出てるじゃない。狛斗王子をストーキングしてるわよ鈴雛姫……あれはほっといて良いの?」



 私の所為なのだがそこは棚にあげておく。私と一緒に黒の国から来た二番目の兄…何だけど、今は一外交官として接している。はっきり言ってどうでもいいのだが……いつも通りでも良いじゃない、公でも無いんだし……正直ウザいわよ……



「それに様付けしないでよ……お兄様なのに敬語なんて…堅っ苦しいわ。それに端から見たら10歳未満の子供に…それも妹に敬語なんて……」



 そそっかしくおっちょこちょいでお人好しなこの兄に外交官として仕事が出来るのか不安だが……今はその事は良いのよ。それより……



「被害の収拾をつけないと! 何よりあの猪突猛進な鈴雛姫のストーキングをやめさせないと……やっぱり私がやったって言った方が良いよね?」


 事情を説明すれば……どうかしら?



「一の姫は猪突猛進の様ですよ。果たして冷静でいてくれるでしょうか?」


「う゛~~、でも、いつまで黙ってたってどうしようもないわよ……やっぱり私がやったって言ってくるわ!」


 そうよ、正直に言った方が良いわよ。でもでも…やっぱり怒るわよね…絶交何て言われたら落ち込むわ……でも仕方ないわよね。


「お兄様!私、謝ってきます!!」


「…あまり事を大きくするようなことはしないでくださいよ。」



 わかっていますって。



 それから私は鈴雛姫の足取りを辿った。兄王子をストーキングしているハズだから兄王子の足取りを辿れば良いと思っていたのだが……


「(何て完璧なストーキング……いえ、スニーキングと言った方があってる……)」



 まるで歴戦の諜報員……段ボールを愛する蛇の様な完璧なスニーキング……鈴雛姫…貴女は諜報員に向いてるわ。って、違う違う(ヾ(´・ω・`)


「(姿が見えないなら……餌さを仕掛ければ…)」


 この場合、鈴雛姫に取って置きの餌さは……“アレ”ね。


 でもどうやって見えるようにチラつかせようかしら? 明らさまでも警戒される……隠しすぎても……ダメ……ん~~~……あ!


「(有るじゃない♪鈴雛姫が見逃さない人物が。)」



 道端にコンタクトが落ちていても、小さいから気付かない…でしょ? でもある一点に集中して見ていたら……気付かない?え?気づかねぇーよ?……大丈夫、鈴雛姫はガン見してるから気付くわよ……多分…やってみないと!



「(作戦名・目の前に餌さ作戦!)」


 説明しよう!


 目の前に餌さ作戦とは、狛斗王子をストーキングする鈴雛姫を自分のところまで自主的に来させる作戦だ。作戦はこうだ、まだ視認出来る狛斗王子に話し掛け、鈴雛姫の好きそうな話題(BL的なネタ)つまりは餌さをチラつかせて誘き出す……多分成功するだろう作戦だ。



 何より今はネタに餓えているだろうから(ネタ帳が焼失したから)食い付いて来ること必至。



 と言うわけで……!



 狛斗王子に話し掛ける。



「あの、狛斗王子。鈴雛姫様をお見掛けしませんでした?」


「妹ですか?……いえ、見ていません。この頃は大人しくしているようで……何か企んでいなければ良いのだが……」


「(多分貴方の後ろでストーキングしてますよ…何て言えない)そうですか……お会いしたらお伝えください。「面白いお話が御座います」と。」


「ああ、わかった。確かに伝えよう。」


「では、ご機嫌よう。」



 良し、後は餌に掛かるのを待つだけよ。さあさあ……掛かりなさい……


 む? 後ろから同志()の気配が!!



「お待ちになって。マオちゃん!!(>_<")」



 ………掛かったぜΨ( ̄∇ ̄)Ψ



「探したわよ……ちょっと別室で話しましょ?ね?」

「え? え、えぇ……マオちゃん?」




 別室に連れ込み(何か危なく聞こえる…)鈴雛姫を尋問する。



「鈴雛姫、あの二人はネタにしてはダメ…鬼門よ。」

「けれど、アレほどのネタはそう無いわよ? そんなにダメなの?」


 ええ、ダメなのよ。昔だって大変な目にあったのに……今では黒龍に九尾、窮寄、白龍よ! あんなチートな二人をネタにしたら……明日の朝日は拝めるかしら……ムリね。特にベル……いえ、紅蓮はジン……じゃなく藍苺LOVE何だから、藍苺が嫌がることはしたら終わりよ。ね?だからやめましょ?



「マオちゃん……私達はどんな障害が有ろうとも成し遂げなければいけないのよ!」

「それも命あっての物種よ。ダメったらダメ。それに本人達が嫌がってるのならするもんじゃないわ!私は昔そう学んだのよ……危なく友達を失うところだった!」


 そう、明らさまに人物が特定できる様なネタはダメなのよ。あの二人だってネタとしてのエピソードの提供なら良いけど、ご本人としてはNGなのよ!名前、顔出しNGなの。


「ご本人として描いたらダメよ。話として違う人物達に使うなら良いけど、でも本人と分かるのはダメよ。」


 私の趣味として描いた門外不出の薄い本が何故かベルの目に入ってしまった時の修羅場……もう思い出したくない。



 何度も言うけど、ダメよ……白の王様が試した時なんて鳥肌が立って血の気も失せたわよ。アレとまた対峙しなきゃいけないなんてゴメンだわ。何としてもこの友人でもあるお姫様を止めなくちゃ!



「さっきから話を聞いていると、私達のオアシスネタ帳を焼却したのはマオちゃんなの?」


「そうよ。あの二人も私にとっては掛け替えの無い友達なのよ……その二人が嫌がるなら、貴女を止めるのは当たり前でしょ。」


 何より、このお姫様に起こるであろう二人の報復が怖い。


「二人だって個人が頭の中でだけ妄想するなら口出ししないわよ……けど、本になって皆に見られるなら……白の国が壊滅するかもね。」


 止めるためなら話を盛る……あながち間違えじゃない気がするのはこの際ムシムシ……。



「貴女の自己中な行いで国が揺らぐかも知れない……それでもやるの?」


「……いいえ……辞めますわ。だって、私の所為で国が壊滅何てあってはいけませんもの……でも、自分の中で妄想は辞めませんわ。だって夢がありますもの!それに、同性同士の恋愛も良いですけど、純愛も好きですの!この事を題材にして恋愛小説を書きますわ!!」


「あ、う、うん。(どうしよ、何か変なスイッチ入ったかも……テヘッ)」



 変なスイッチが入った鈴雛姫を遠い目で見る私はさぞや変に見えただろう。元々は私が著者である薄い本(BL的なヤツ)を侍女達が間違えて読ませてしまったのが運の尽き……それ以来僅か12歳にしてBL、百合が大好物の腐女子にクラスチェンジ、元は清楚可憐なお姫様だったのに……どうしてこうなった……私は6歳何だけど……ハハハ……




 実は私が慌てる理由はもう一つある。実は紅蓮達宛に急いで出したが、結局手違いで4日遅れで着いた手紙に自分はミケだと暴露したのだが……返ってきた返事には「遅い」「今更」「だが許す」と羅列が長々と続き、最後に「追伸、俺とレン(ベル)どちからでも薄い本にしたら……殺す」と、血文字らしき文字で釘を刺してきた。血の気がサーっと無くなったわよ……ジン……アンタベル以外には鬼畜だったわよね……本当変わってないわ~。




 だから、こんなにも焦っているのよ、わかった?










         *******







 厄介な事になったわ。



「では、そなた達にその様な思惑は無いと?」


「はい。確かに今我が国はごたついています。ですが、兄も私もその様な大それた事、致しません。何より、わが国民達が赦さない。」



 毅然とした態度で李の鋭い疑いの眼差しに立ち向かう茶の国第三王子。いえ、今では王弟かしら。確か今年で19歳……若さゆえの勢いかしら。机の下に隠している手は握り締められ震えている……やはり白の王である狛李の威圧に圧倒されている……中身はヘタレなくせに顔だけは威厳たっぷり何だから……



 茶の国は何代も昔に飢饉で食糧難になった際、白の国が援助した。それを国民達は未だに覚えている。とても義理堅い国民性だ。



 まぁ……王族達がどうであれ、こちらに牙を向けるのであれば……こちらの喉元に届く前に敵の喉元を噛み砕かねば。それが……私、白の王妃たる私の仕事。狛李はあんな威厳たっぷりな顔なのに何処か抜けて……優しい所がある所為か、ここぞと言うところで……ダメなのよ。私がしっかり悪役に徹しないと。


 それが私に出来る事何だもの。それが優しい王に足りなかったもの。私が補えるなら……それが私の幸せ。



 こんな状況で上の空になっていた私の頭上から気配がした。配下の者の様だが何か慌てているような気配だ……あら? この子は最近仲間入りした新人君ね、……何かしら……



「御前を失礼いたします」


「!!!」



 第三王子が驚いたが狛李はノーリアクション……アレは驚きすぎて動けなかったパターンね。この異国言葉はこの使い方であってるかしら?麗春さんはこんな使い方だったハズだけど……いえいえ、今はこの子がどうして慌てているかよ!



「どうしました? 何かあったのですか?」

「……どうした。」



 ふぅ…どうやら時間稼ぎの甲斐あって現実に戻ってこれたみたいね。さて、何事なのかしら?


 茶の王子に聞かせる訳にはいかないので狛李に近付きソッと耳打ちする。



「実は…賊と思わしき者が侵入して来まして……長により取り抑えられ、或いは廃除致しました。そのご報告と指示を」


「うむ……すまんが話はまた後日聞くとしよう。手間を取らせたな。」


 どうやら戻らねばならない事態の様だ。全く、次から次へと問題が起こる……何かの陰謀かしら?



「いえ、白の王もご多忙なのは承知しております。」


「気遣い痛み入る。ではな。」

「要らぬ手間をかけさせましたね。」



 少し狛李に手を引かれ退室する。どうしたのかしら? 僅かに手が汗ばんで緊張しているのが丸分かりだわ。誰か欠損が出たのかしら……またこの優しい王は心を痛めるのね……嫌だわ……狛李を嫌な思いにする世界も他国の王も……そしてそれを客観的に冷静に見ている私も。



「どうしたの?」

「早く王宮に帰ろう……話はそれからだ。」


 はぁ……こうやって直ぐに話さないのは事態が悪い時なのよ……やはり事態は悪いのね。



 誰もこの人を悲しませる事は赦さない。例え、そう、狛李自身は許しても、私は蛇の化身なのよ……執念深さは猫より根深いの。覚悟しなさい……死より辛い思いをさせてあげるわ……フフフ



 一番怪しいのは一度も姿を公に現さない第二王子当りかしら。でも、明らさまに怪しいのは犯人じゃ無いのよね……まあ、調べれば分かることよ。




「なあ……何を考えているのだ?」

「あら、決まっているでしょ……フフフ」

「………あ、ああ……うん。」



 そんなに怯えないでよ。楽しいじゃない♪







 次回、藍苺暴走します。

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