一難去ったか?また一難
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今回のサブタイは増えたペットと嫁さんとの食事風景……かな。
紋章が無くなってオマケに鱗が無くなってちょっとばかしツルツル~…になった大蛇君。ゴメンね、鱗ごと消さないとダメだったのだ……うん。
どうも、無事に大蛇に掛けられた呪詛を取り除いた、今非常に精神的に疲れた紅蓮です。はー~疲れた……。
「コレでもう呪詛の影響は無いよ。他に何かされていなければ…ね。」
『あぁ、嫌な気配が消えた……』
『言っただろう大蛇よ。主は卒なくこなすと。何せご両親の良いとこ取りとご生母様が言っておられた。』
いや、初耳~。ねぇ、ポチさんよ、お前さんはいったい他にどんなことを知っているんだい?
『主様は何でも出来るのですか!?』
「何でもできるわけ無いでしょ!」
『きゅー…できないでしゅか?』
「だから出来ないって!!」
全くもう…私は何でもできる万能タイプじゃないのよ! 私は天才でもない、強いて言うなら努力でどうこうしているって感じだ。嫁さんがこの短期間で着実に私を追い越していく……。それは元々私が戦闘タイプじゃないから…。
今までどうにか敵を撃退出来たのは、たんに私が今までに訓練をしていたから。母さんがしておけと言ってたから。勿論私もそう思ったから闘う術を身に付けてきた。けど、
やっぱり、才能が有るのと無いのでは全く違うって気付いた。嫁さん…藍苺は、私が強いと思っている。そりゃそうさ、だって嫁さんはごく最近まで戦闘とか縁遠い所に居たんだし。私は親から受け継いだチートの上に胡座をかいているだけ。
育ちをそれを苦にせずドンドン強くなっていく藍苺が羨ましい。全然進歩しないと愚痴を言うのはまだ余裕があるから。本人は気づいてないけどね。それに、自信を持ったときが一番危ないから、嫁さん自身が弱いままだと思っているならそのままにしておこうと思う。
そして純粋に嬉しい。普通なら妬みとかあると思う。けど、不思議なことに…嬉しいんだよ…。
だから、藍苺に出来ない事を私が埋めていこうと思うんだ。その為に、一足先に一人立ちするんだよ…。
勿論これも藍苺為じゃない。自分のエゴ。自己満足のため。
『これにしても……いったい誰なんですか大蛇さんに呪詛を掛けたのは…』
『そうだな、誰か分かるか大蛇よ。』
『舞子……と言っていたな。遠くから……あれは扉の向こうから言ったのだろう……確かに言っていたな『舞子様』と。』
おっと、また精神を別世界に飛ばしかけた。流石兎っ天! 私が聞くより早く大蛇に聞いてくれたよ。できる子だよ。コレはきっと主人がしっかりしてないから眷属がしっかりしているんだな!
え? そこは開き直るな? 事実でしょ。
「やっぱりあの人か……」
何が理由だ? 私の命? それとも単なる嫌がらせ??…それは私にか、藍苺か?どっちなんだよ。
そんな事を考えていても切りがないと早々に考えを打ちきり、侍女の皆さんの様子を見る。薬が効いているのかスヤスヤ眠ったままだ。薬が切れるまでそっとしておこう。それより、嫁さんの事が気掛かりだ。
一日やそこらであんなに寝不足で隈が出来るなんて……また呪詛の影響でも受けているのか……まぁ、何にしろ起きたら名にか食べさせないと……その為に昨日調理場を借りたんだから。
「いったい何れだけ心配させたんだろう……」
寝ているソファーに近付き寝顔を見つめる。まつげ長いな……。
それに、どうして私は初対面で直ぐに藍苺を信用したのだろう……。今思えば、似ていたんだ。
「(写真で見た小さい頃の……ジンに似ていたんだ……)」
昔は女の子みたい…何てからかわれたと言っていたし、藍苺は彼にとても似ていた……。
もしかしてミケはジンの小さい頃を『藍苺』のモデルにしたのかも。それくらい似ていた。
ん?……いや、ちょっと待って。藍苺は前世が男で、『藍苺』の声を担当した。その位声が高かった……ジンも出会った当時は声変わりしていなかった……? 二十歳で声変わりしていないって、希に有るし……? 偶然か?
もしかして……ジンは藍苺? じゃあ…ジンは死んだのか? 子供……シュウは?
と言うより……私は……
私は何で死んだんだ……
『あ……様………様…………主様!!』
「!!!」
まただ……前世を思い出そうとすると意識が飛びそうになる。でも、思い出した。子供の名前はシュウ……私は……シュウと一緒に何処かに行こうとしていたんだ。けど、それから先が思い出せない。きっと私自身が拒んでいるんだ。それほど嫌な記憶なのか……。それでも思い出したい。
……違うな。本当はもう分かっているんだ。私はその途中で死んだことも、シュウもその時一緒に………
「恨んでいるのかな……」
『……主?』
記憶が有るなら恨まれても仕方ないよね。まだ藍苺がジンだと確定していないけど、もしそうなら……
黙って……いるしかない? 今までの関係が崩れるから?………知らないことも幸せって言うよね……。
言って私が楽になるだろう。けど、藍苺は?
何が「自分のエゴのため」だよ……しっかり藍苺の事も考えに入れてんじゃんか……。
もぅあぁぁ…やめやめ。考えるのやめ。放棄する。今は放棄する。もっとゆっくり出来るときに考えよう。藍苺に聞かれたら正直に答えよう。でも、それまでは考えよう。私ってホントに弱虫だ。
「ん………ん? れ?」
「やっと起きたの? おそよう嫁さん。朝御飯食べなよ?用意したから。」
テーブルに広げた料理を嫁さんはガン見している。ドンだけ腹へってんだよ……。
「遠慮せず食べなよ。私も朝御飯食いっぱぐれたから一緒に食べるし。」
「……俺…寝てたのか?」
未だボーとする嫁さんに水差しからコップに水をあけながら答える。よほど精神的にキテたみたいだ。余程緊張していたのか気を失うように眠ったようで記憶が無いようだ。
「相当眠かったみたいだね…はい水。」
「ん、ありがとう。……はぁ……で?」
「ん?」
「傷、ホントに大丈夫なんだよな?」
「疑り深いね……何なら見せようか?」
実際治ったと言っても傷痕が残っている。見せたくはないが信じないのなら見せるしかない。……まぁそんな事を言ったら嫁さんの反応がどうなるか何て予想がつくけど……
「おまっ…バッカ! な、何で見なきゃいけないんだよ!」
「え? だって信じないの嫁さんじゃんかぁ。なら見せるしかないでしょ? それに、精神的に男でしょ…私の裸なんか見ても何ともないんでしょ?」
「気分の問題だ!!(だから昔から慎みを持てと言ってるだろう!)」
真っ赤になって必至になっている嫁さんを見ていると、何だかとっても久しぶりに感じだ。私も…寂しかったのか……。
にしても、面白いくらい慌てている……。
「さあさあ、そんな事は後にして。朝御飯食べようよ。」
「お前なぁ…まぁいっか。…今日の朝御飯は……サラダにポタージュ…ハムと卵のサンドイッチか……サラダ多くないか……」
そうなのだ、たぶんそうであろうきっと嫁さんはあまり食べていなかった野菜の盛り合わせ。嫁さんが食べやすいように葉野菜は蒸して温野菜に、フレンチドレッシングをかけた。ポタージュはコーンではなく普通のポタージュ。コーンポタージュはコーンが無かったし手間が掛かる。ハムと卵のサンドイッチはポーチに入れていたハムとマヨネーズで作った。ハムのサンドイッチにはキューリを卵のサンドイッチにはキャベツを一緒に挟んだ。
「食べてないでしょ? や・さ・い♡お見通しだよ♪」
「ぐっ……何で分かったんだ……」
フフフフ……そりゃ……いつも野菜と睨み合いしてればねぇ? 私の目の届かない所では食べないだろうさ。
「まぁ、これも試練だと思って食べなよ。野菜は蒸してあるから食べやすいよ……(まぁそれは嫌いじゃない私から見ての感想だけど)」
「いただきます」と言い恐る恐る箸をサラダに近づけ蒸しレタスを摘まむ……いや、レタスは食べれるでしょ嫁さん。
そんなでも渋々食べてくれるのは嬉いけどね。
サラダを何とか食べ終わった嫁さん。実は私とのとある約束事が有る。
私との食事での約束事
その1、「いただきます」「ごちそうさま」は必ず言うこと。これって大切だよね。育ちが良いみたいだし、コレは言われなくてもやっている。
その2、嫌いなもの(野菜)は最初(の方)に食べる。コレは私が見ていないとたまに残すから。もしも残したり証拠隠滅を図ったりしたら…次の日の料理は野菜特盛にすると言っている。
その3、腹八分目以上食べなくてもよし。お腹一杯なら無理して食べることない。
等々…
一応言っておくけど、吐きそうになる程嫌いな物は無理に食べさせない。私も牛乳がダメだからね。それと、豆腐の白和え……甘い豆腐が何故か苦手だ。この二つは食べた瞬間吐きたくなる。何故かは知らない。
にしても、食べ物の好みも同じなんだね。変わらないんだね……日本食が好きで、甘いお菓子に目がなくて……ニンジンと癖の強い野菜がダメ何てね…
そうだ、私が藍苺と初対面の時、何か安心したんだ。これって前世も関係あるのかな?少なからず。
「モグモグ……」
「そんなに急いで食べると……」
「ムグ…!!」
「言わんこっちゃない……はい水。」
「んぐっ……ふぅ~助かった。」
美味しそうに食べているのを見るのはホントに楽しい。そうそう、ポタージュにはある秘密が……
「そのポタージュ美味しい?」
「うん、旨い。」
フフ……嫁さんよ、その特製ポタージュにはね、……ニンジンが入っているのだよ……気付かんかね? フフフフ……悪戯が成功した気分だ。
粗方食べ終えた嫁さんにお茶を渡し一言。
「それで、周りはスルー何だね」
「は?」
え、何が?といった感じの顔をする嫁さん。周りだよ周り。不自然でしょ……壁際に寄り掛かったまま眠っている侍女達、興味津々に料理を見詰める大蛇と私の眷属達……不自然でしょ…?
「………何だこの状況…」
「そうだね。混沌とまではいかないけど……あ、そうそう、この大蛇君は新しい眷属だからね。怖がらないでやってね。気は良いやつだから。」
『ちなみに、名はまだ無い』
「ノリが良いのか?」
「いや、知らなかった。さっきまでは物静かな感じだったよ。」
『主よ、大蛇は恐がられぬ様にと頑張っているのだ。』
「そ、そうなの…?」
思わず声が裏返った。何か違う方向に行ってるよ大蛇君。
「ポチ何だって?」
「嫁さんに恐がられない様にしているんだって…」
「何んか違う……」
「しぃー、言っちゃダメ」
本人(蛇)はスゴく真面目にやってるみたいだからね。そっとしといてやろうよ……実際は面白いからが半分何だけどね。
『掴みはバッチしでしゅよ♪』
『そ、そうか?』
『(違う…何か違う…主様、ボケ属性と言う者が増えました……)』
どうしよう……眷属達がボケに偏りかけている……大丈夫だろうか……ははは……
「っ…えっ…と、そう言えば嫁さんに渡したポーチに食料入れてたの言い忘れてたけど……」
「ああ、アレなら気付いたよ。サンキュ、アレで助かった。それにしても、よくマヨネーズとかハムとか作れたな……」
「アレね。材料さえ揃えば何とか…後は根性とヤル気だけあれば案外出来たよ。」
マヨネーズは酢と卵と油があれば試行錯誤してれば出来なくもない(かなり掛かったが)。ハムは肉とチップ(木屑とか)燻製を燻す容器さえあれば……何度も失敗したが出来た。何度肉をダメにしたか……。勿論食卓に出す者は使っていない。食べれない、食べるには的さない物を試験的に使い、ある程度感覚が掴めた時初めて食べれる部位を使った。だって失敗は仕方ないが、肉は勿体ないもん。
あ、勿論失敗作も私が美味しく……はなかったのが多かったが食べました。
「ホントに作ったんだな…」
「この世界、有るものと無いものがムラがあるんだよね……何でこんなのがあるの?ってのがあったり…。だから結構作れるよ? 全く無いもの有るけど……チーズとかヨーグルトとか納豆…は藁が有れば……作れるかな…味噌は無いけど醤油があるなんてね……(流石ゲームを基準に作られた世界。色々と穴だらけ。)」
「で?」
「はい?」
「……側室舞子だよ。どうなった?」
「知らない。大人以外外に出されたから。」
「……俺も気絶したし?」
「ん?まぁ、それがなくても出されてたと思うよ。」
心配顔でこちらを見る嫁さんに一応フォローしておく。でもそれはホントに問答無用で外に出されたから。白の王は私や藍苺が前世の記憶があるとは知らないのかもしれない。何だか対応が子供相手な気がする。
「どうなるんだろうな……」
「……母さんが決着着けるって言っていたんだし、なるようになる…しか言えないね。」
母さんの獲物は横取りしない。コレは小さい頃から決めていた事だ。獲物って何かって? フフ…そりゃ……敵の事だよ。
「ま、ここで呼ばれるまで待とう。(侍女達がああなら……城中の人々はどうなっているかな……)」
私なら、大蛇の様な呪詛を込めた紋章をばら蒔く。そして城中を手中に納めるだろうね。その方が楽だから。如何に強くても操られた人間を倒すのには時間が掛かる。無意識にでも手加減したりするから。私も頭は宜しくないからこんな事しか思い付かない。はぁ…もう少しお利口になりたいよ……
「レン、あの人達はどうしたんだ?」
「彼女達は侍女の皆さんだよ。簪の玉が白瑪瑙の人が筆頭侍女の啓璋さん。他の三人は王妃付きのハイテンションな侍女四人組。名前は知らない。(面識無いのかな?)」
この国の……いや、この世界では女官や侍女の位の見分けかたは簪の玉と着物の色の組み合わせ。その国の色を多く身に付けている人が位が高く、簪にその国の色の玉を身に付けていると長、つまり筆頭侍女の証しなんだそうだ。王妃付きの四人組は幾重にも着重ねた着物に白の着物が他の侍女よりも圧倒的に多かった。
ちなみに、啓璋さんは簪の白瑪瑙以外、着物は四人組よりも白のが少ない。それは生まれが四人組よりも下だからだろう。仕事熱心な啓璋さんは生まれを物ともせず出世したのだろうか?
嫁さんには事のあらましを噛み砕いて話した。
「なるほどな…だからその大蛇の額…やけにスベスベ……いや悪い。脱皮したら治るよ……(多分)」
「(いま心の中で多分って言った。)仕方なかったんだよ……うん。」
『別に気にしていない……そう気にしないで良い』
良いやつだな大蛇。君の名前は何にしようかな……
「なら迂闊に部屋から出れないな…」
「何かあったら母さんの方から連絡あるよ。それにもしもの時は兎天が居るしね♪」
『はい!お任せください!』
元気よく片腕(翼だが)答を上げてえた兎天
を見て二人で微笑む。和やかな雰囲気になった。こう、可愛いものを見ていると和むよね~。
「さて、朝御飯も済んだことだし、片付けよう。」
「これみんないつ用意したんだよ…」
「昨夜にちょっと調理場借りたんだよ。食材もね♪」
「ちゃっかりしてる……」
「そんなことないよ…この借りをいつ返そうかと思ってるよ……まぁ気長に考えても良いみたい。あ、そうだ!」
思い出してポーチを探る。確かここに入れておいた…ハズ…
「あったあった…ハイこれ。」
「ん?何の包みだ?……おにぎり!?」
「そう、すっかりご無沙汰なおにぎりだよお米だよ。城は良いね、米が安く手に入って……相場の3割安い。しかも、古古米だからもっと安い。日本でも古米とか古古米とか余ってるからもしかしたら…と思って王に聞いてみたら、フフ…今度からお米が食べれるよ♪ 週1に雑穀米はやるけどね。」
それを聞いた嫁さんは(゜ロ゜)な顔で唖然としていた。分かるよ…私が強かだからそれに呆れているんでしょ? え?違う?
「まさかそんな手があるとは…思わなかった。」
何が? あぁ~、白の国で古米が余ってるのが不思議だって? そんなの簡単だよ。
「白の国って豊かだからみんな新米を食べたがる。日本でも同じたったでしょ? まぁ、実際余ってたのは国が備蓄している米が余ってたって話だし、日本の米業者で余ってたかは知らないけどさ……でも、新米を食べたがる傾向はあったでしょ?」
「まぁ確かに新米を食べたい。でもそんなに余るもんなのか?」
んー。コレはちょいと難しい話になりそうだね。私もあまり詳しくはない。でもさ、毎年決まった量を、れもかなりのり量を備蓄するんだし、同じ量の古古米が毎年出る。そんで……何だっけ……えーと、生産に消費が追い付いてないんだ。うん。かなり端折ったけど、こんな感じだ、多分。
「そもそもここ最近大きな飢餓も無いし、戦もない。備蓄は余っているハズって思ったんだ。確率はそんなに高くなかったけど…当たってよかった。」
「よくそんなこと思い付くな…」
「スゴいでしょ♪ まぁね、伊達にワイドショーとかニュース見てたわけじゃないし。」
お昼頃頃のニュースって結構ためになる。それにテレビって結構使える情報があるよ。薫製の作り方とか、干物の作り方とか、チーズの作り方とか……あ、思い出した。チーズに必要な酵素は偶蹄目の牛や山羊等の胃袋から取れるんだ……確か…第四胃袋…だったかな? しかも、子牛の胃から取れるんだよね……カビでも代用出来るって聞いたけど…詳しくなんて知らない。はぁ…チーズは諦めようそうしよう。生産性が悪いし。
「なあレン、安いって……買ったのか?」
「ポケットマネーで買えたよ。他にちょいとあげたりしたけど。」
家の近くに生える珍しい野草とか薬草何かをね。蓄財も立派な主婦(主夫)のたしなみだよ。勿論無理のないものだけね。
「ポケットマネー…って、自分の金で買っても良いのか?」
「今の私の趣味は料理だからね。別に気にしていない。あっても宝の持ち腐れだし、ここぞって時に使わないと。」
そのここぞって時が今だっただけだ。後悔なんてしていない。古古米を半年分買っても本来の1/3にも満たない程安い。処分に困るなら、安く売りたいが、自国では誰も買ってはくれない。少数は買ってはくれるが(その一人が私)。他国に売りたいが、各国の王が待ったをかけた。自分の国の米が売れなくなるからだ。特に黄の国では貴族以外は安くて安全、古古米でも良いと言った国民達で溢れている。と、こんなもんだ。理由はまだ有るそうだけど、殆ど覚えていない。
「豊かなのも大変だな…」
「うん。でもね、古古米よりも古くなった物は飼料として使われているんだって。それに難民も増えてきたから……そろそろ古古米が無くなるかもね。」
「それって……危ないんじゃないか?
「いや、それが全然……古米の方が圧倒的に多いから……」
「は?(・_・)」
「豊作だったんだって…その年。だから例年の数倍取れたらしいよ……」
「(・_・)………なら何で米が高くなるんだよ。」
そう、腑に落ちないのはそこなんだよ!
例年よりも米が豊作……なのに去年は……不作…とまでは行かないけど、獲れる量はガクンと減った。当たり前だけど。前の年が獲れすぎたんだ。そんで、皆さん新米好き……例年よりも多い古米達は早々に飼料に……勿体ない!
「古米だって食べれんだよ! 薫りが飛んでる? そんなの本当に分かって食べてるの!? 日頃ご飯かっ込んで食べてない? もっと食べ物を大切にしようよ。ねえ?」
「そ、そうだな……(何かのスイッチ入ったな)」
牛肉が高くなったのだって、どこぞの貴族様が「あの品種の牛を王に献上する。立派な牛を育てた者には褒美を遣わす…」何て言った所為で皆さん育ちの遅い、デリケートな牛を手塩にかけて育てたもんだから……ええ、えぇ…高くなりましたとも。
目玉が飛び出るほどにね! 牛肉は日頃食べないから良いけど。豚までくるとはね……ははは…養豚農家の皆さんが豚から牛にチェンジしたのには驚いたよ。ねえ?豚を育てるのに誇りは無かったのか?
鶏はその余波を受けなかったから良かったものの……はぁ…家庭は火の車寸前だったよ。何せ……豚肉好きだからね…うちの家族。
「鞍替えするなら後の事も考えてほしいよね…」
「あぁ。元々のサイクルを崩す何て思わなかったんだな。何処か片方に片寄るとバランスが一気に崩れるからな。」
まぁ、牛に心血注いだ結果、貴族様のお眼鏡に叶わず普通に売られた牛達は美味しいけど…高いと庶民に不評だったよ。元が取れなくて農場を傾けた者も居たとか。それでも頑固一徹に普通の育てかたをして普通の値段で売った者はいつもより売れたとか……普通が一番だね。いつも通りにしていることもライト必要な時もあるんだね。
「でも、ウィンナーとか材料の肉はどうしたんだ?」
「火加減が分からないから最初に鶏肉とか、豚の色んな部位を使ったんだよ。日頃食べない所とか。豚の小腸とか白の国では食べないからね。」
実質タダの部位とか使ったのだ。小腸何て食べないしね。ハムは大変だった。纏まった肉を使うから遣り繰りが大変だったよ。食卓に出すか迷った。
あ、外に出れないからみんなマミィに頼みましたよ。感ずいてはいたけど、ここまで出来ているのは知らなかったんじゃない?
「よくやるよ……」
「趣味だからね。」
『ふむ……いつもこんな雰囲気なのか?』
『ああ、いつもあの通りだな。』
『主様は、奥様にゾッコン(死語だよそれ)なんです。』
『いつも「らぶらぶ」でしゅ~』
会話に入ってこないと思ったら……
「ほら、ご飯あげるからおいで…(恥ずかしいでしょ……もう)」
『ご飯!』
『僕もくだしゃい♪』
『ご飯とは……何が出てくるのだ?』
『肉だろう……主、私は朝方自分で捕りました。他の者にやってください。』
外で獲物を捕ってくる事が多いポチは時々こんな事を言う。お利口さんなのは分かるけど、眷属にまで食料事情を心配されるのは……主として恥ずかしいやら、情けないやら……
「不甲斐ない主でごめんよ……」
『いえ、そうではなく……散歩のついでに済ませただけ、主が気にすることではない。』
「(外見可愛くてもやっぱり狼何だな)」
『私は燻した肉が良いです♪』
『燻す……とは何だ?』
『きゅ~、僕もよくわからないでしゅ…』
兎天の両親にはよく燻した肉(味がない物)をお裾分けしていたから兎天も食べていたのな?
『大蛇よ、燻すとは一定の温度と煙で肉を焼くことだ。詳しくは知らんが、燻すと旨味が恐縮されて旨いぞ。』
『何と!……ならば是非食べたい……(じぃ~)』
『両親から貰ったときは感動してそこら中を走り回ったほどです!…(じぃ~)』
『僕は本来は何も食べなくても良いんでしゅ……(じぃ~)』
『だが、アレは食べて損はない……(チラッ)』
「(餌付けされてるぞ……俺もか。)」
いやぁ……薫製に失敗した物はあげてないけど試作段階の成功したやつはポチとか兎天の両親とか肉食系の妖怪にとょこちょこあげてたし……でも、血が滴る生肉の方が良いんじゃないの?って聞いたら……
『『『両方美味しいです!』』』
……らしい。
見た目鶏肉のジャーキーだ。ペット用の物も前世で売ってた気がする。
「みんなの分有るから……奏は食べても大丈夫なの?それに蛇って生肉以外食べても大丈夫なの?」
『きゅ? 大丈夫でしゅよ? 森にしゅんで居た時も木の実を食べたこともありましゅし』
『俺達の種族は普通の蛇から魔物に成った種族だ……魔物は基本雑食だ……問題はない。』
へー。大蛇って魔物なんだ……でも、魔物と言うよりは……魔獣ではないか?
「あ、大蛇の名前思い付いた!」
「ん?何て名前にするんだ?」
「……夜夢何て良いんじゃない?」
『夜夢……何やら懐かしい……俺の名は夜夢だ。』
『(主……あなたは……何処かで覚えているのですね…)』
夜夢ってば、その名前が懐かしい何て、もしかして昔誰かに使役されてたのかな?
「なあレン……俺にその薫製貸してくれ……その、俺から手渡したい……(ウキウキ)」
どうやら嫁さんの動物好きが発動したようだ。でも自分の手であげたいならどうぞ♪と、嫁さんに薫製をみんな渡した。ポチ達は尻尾が有るものはパタパタ…目はキラキラして嫁さんの周りに集まった。
微笑ましい光景が広がる。嫁さんは蛇の夜夢に臆することなく餌をあげている。楽しそうで何よりだ……
「楽しそうだなぁ……」
こんな状況下でこんな事をしているのは変だろう。けど、嫁さんの精神状況を考えると少しでもリラックスしてもらいたい。何だか過保護すぎでダメだな……これからは嫁さん離れしないと……
そんなことを考えていたときそれは起きた。
「ゾクッ……(何だ? コレは……妖力!!)」
『若様! 御気お付けください、側室側が!!』
いきなり現れた母さんの眷属、ヤタガラスの隊員は叫ぶ。その言葉を言い終わる前に藍苺に手を伸ばした………が、
「あ…………」
手が届くあと少しの所で藍苺は消えた……周りに居た眷属達も一緒に。
「間に合わなかった!!」
大きな音を立てて開いた扉から母さんが入ってきた。何が起きたの?……藍苺はどこにいるの?
『お前の意見を聞こう』
遠くでやけに響く聞き覚えの無い男の声が聞こえた。
大蛇君の名前が決まりました。夜夢です。夢にしようか無にしようか迷いましたが、夜夢にしました。




