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暇な時には……調合に限る?

 今回は短めで御座います。



 お読みいただきありがとう御座います。



 さてさて、風呂上がりのホカホカな紅蓮コウレンでございます。本当なら湯上がり早々侍女達に身体中拭かれたり服を着せられたり、傅かれるけれど、みんな断ったので、自分で着る。よくもまぁ貴族や王族はそんな恥ずかしい事が出来るよね。慣れって怖いね。きっと産まれたときからそうだから不思議でも恥ずかしくもないんだろうね。


「私には無理だな。」


 恥ずかしくて死ねるよ。



 今着ようとしているのは着物の……何て言うのかな? 着流し?っていうのかな?


 浴衣みたいに薄くないし…。家でも普段着として来ていたけど……やっぱり王宮だからズボンはダメなんですか?


 まぁ…郷に入れば郷に従えって言うし、そんなに不満はない。


 普段は緑系統の色を着ている。周りが緑だらけだらかね。特に外に出て作業するときは緑だね。その次は……青系統かな。暖色系はあまり着た覚えが無いなぁ。



 用意された着物がこれなら、晩餐の時はもっと着飾るんだろうね。さっきの侍女達によって……憂鬱だ。



「男物じゃ……ない。」


 え? 着流しじゃなくて、振り袖みたいな柄の着物だった。着流しって、羽織、袴をつけない男性のくだけた和装って嫁さんが言ってたよ。


 男性用の着物がこんなに華やかな花柄(桜と月)の……でも、地は藍色……子供用ってこんな感じなの?


「着物の良し悪しはよくわからない……」


 センスってなんだっけ?


 いや、でも、帯は男物……かな?



 考えるのを放棄して用意された着物を着て脱衣所を出ると、ずっと待っていた筆頭侍女の啓璋ケイショウさん。さっきイガグリが出ていったことを報告するだろうね。


 ウェストポーチは兎天に預けている。影のなかに収納してくれているのだ。着物の上からつけると変だからね。晩餐では問答無用で着飾んだろうし、外されるよりは、兎天に預けている方が安全だしね。



「紅蓮様お湯加減はいかがでした?」


「はい。気持ちのよいものでした。けれど、次の人はもう少し温めにしておくと良いでしょうね。」


 実際あんなのに浸かったら軽い火傷だよ。歪に歪んでいたまじないはどうやらお湯の温度を上げる効果があったようだ。これで湯殿の管理を任されている人が罰せられないと良いのだけど……


 そんな事を言ったら、案の定啓璋さんは眉を一瞬潜めてそれは後程報告しておきますと、一言いってから、「それでは晩餐までお召し物を決めておきましょう」と言っていつの間にか揃っていたさっきの侍女四人組に連行される私だった。








 連れてこられたのはさっきの衣装部屋。侍女四人組にこの着物は?とか、このかんざし等は?なんか言われてるけど、


「どれも女性の物でしょう……特に簪は


 そう、みんな女物なのだ。着物は振り袖(しかもピンクに赤など)に簪……遊んでるよね?


「紅蓮様なら似合います!」

「その絹のようなお髪はこの簪が似合います!」

「女物でも大丈夫です!」

「そのお顔立ちならば敵無しです!」


「自分で決めます。」


「「「「そ、そんなぁ…Σ(´□`;)」」」」


「あなた達、仕事と私情を混ぜるのではありません。紅蓮様がそう仰るのなら、それに従いなさい。」


「何より、私的な晩餐に派手に着飾るのはどうかと……」


「それもそうですね。さて、紅蓮様。どの様な着物に致しますか?」


 こんな状況を打開するには、啓璋さんを味方につけるのが一番らしい。今回は味方に出来た。よかった……(;・∀・)


「ん~……着物は青を基調にしたものが良いです。髪はこのまま何時ものように結ぶので取り立てて飾りは要りません。」


 ショボーン…としている侍女四人組を尻目に次々決めていく私と啓璋さん。落ち込んでいるけど、仕事はきちんとする派なのか言われた物はきちっと用意していく侍女四人組であった。



 私が決めた着物は、藍色の無地の着物。今さらだけど、私の好きな色は青だ。どっちかって言うと紺に近い深い青が好きだね。そう言えば、嫁さん…藍苺ランメイの髪の色は黒に近い紺色だよね……あら? 私って無意識にこの色選んでた?



「さて、紅蓮様。晩餐の用意が出来次第御呼び致しますので、こちらでお待ちください。」


 おっと、考え事してたら話が進んでいた。


「この部屋で待っていればいいのですね。」


「はい。それではまた御呼び致します。」

「「「「それでは紅蓮様また来ますね♪」」」」



 あんたら侍女四人組は来なくて良いです。どっと疲れるから……(-_-;)


 さて、今は夕方の何時辺りかな? 兎天からポーチを受け取り懐中時計を取り出す。勿論これもメイドインマミィ。そして時間を確認する。どうやら今は4時半過ぎ。晩餐はいつ頃なのかな?


 今更だが、この世界に正確な時計は無い。あって日時計と線香を使った時計位しかない。でも、それで大体あっているからスゴいよね……じゃなくて、この世界での世間一般の晩御飯時は6時~7時辺りまでだ。地方や季節にもよるけれど、大体そんな時間だね。まぁ、だから晩餐まで一時間ちょいあるんだよ。


「暇ですね~」

「(主様……もう少し気を引き締めてください!)」


 兎天の言いたいことも分かるけど、白の国(ここ)ではあまり冷遇もされてないし、何より母さん達を怒らせたくはないだろうし……盟友同士何だから無下にはしないって。


 さながら「虎の威を借る狐」ならぬ「窮奇マミィの威を借る九尾の子供()」だ。


 なんとも……まんまじゃん。マミィも九尾だけど、私よりも格が上だ。

 


『話が脱線してますよ』



 影から頭だけ出して言う。どうも影から頭だけだ出した状態の時はエコーがかかって聞こえるだよね。これを聞くと八咫烏ヤタガラスのエコーがかった声を思い出すよ……あいつがまた何か仕出かさないことを祈っている。


『私はアレほど可笑しくないですよ。』


「いや、ゴメンね。(てか、アレって)」


 容赦ないね兎天さん……。やっぱり他から見ても八咫烏って可笑しいのか?


『アレは母も父も関わってはいけないと言われています』


「そうですか。」


 だそうだ。





 さてと、一時間ほど何をして時間を潰そうか……確かポーチの中に作りかけの呪符……は、昨日作り終わったんだ……じゃあ、アレを作りますかね……


「~~♪えっと……簡易式鍋(簡易コンロ付き)と、薬草類に…材料諸々…かき混ぜるためのさじ…♪」


『(主様……楽しそうですね)』


 このコンロ付鍋は、見た目は魔女のかき混ぜてるアノ鍋そっくり。私の狐火で火力を調節するからコンロは要らないんだけど、一応付けている。


「さて、作りますかね♪」


 待機しているこの部屋にあった丁度良さげなテーブルに材料を広げて準備完了。


「先ずは~~水を鍋に入れて~温め…♪」


 狐火で火力を調節。便利だな狐火。水はもしものために予め目一杯竹筒の水筒に入れている。その水を鍋に注ぐ。


「月見草~を一枚♪~~半時計回り♪」


 実は月見草を粉末状にした物を今は使っている。この月見草は色が出るのだが……決められた色が出るのが大体葉っぱ一枚分なんだよ。だからそんな風に覚えているんだよね。大体薄緑の色だね。


「ヤモリの尻尾三本~~♪えっ…これ入れんの?入れんだよ~♪」


 歌にツッコミは無しの方向でお願いします。


「マムシの毒二滴~……これ大丈夫か? 大丈夫だ、熱処理したから~♪」


 大体の毒って熱に弱いよ。例外もあるけど。アルコールに弱いのもあるけど……。


「粉末温泉の素~♪何だよそれ?……いいからかき混ぜる♪」


 マミィの特製ですね、分かります。


「~後は透明にな~るまでかき混ぜろ♪」


 ここからが正念場。妖力を込めて全力でかき混ぜる。人の作る薬と私達親子が作る薬は違う。妖力を込めているので効き目が桁違いに高い。副作用は無い。何故か知らないけど、副作用が無いのだ。


 副作用は無いが、根拠が無いので売ったりしない。何があるか分からないから。訴えられたり恨まれるのは嫌だからね。だから、マミィは誓約書を書かせてからしか薬を渡さない。


 さて、今必死でかき混ぜるが、言うほど必死ではない。だってスペックが無駄にチートなもんで疲れないのだ。今なら結構な距離を全力疾走してもうっすら汗をかくだけかも。



 鍋の中の色が消えてきた。そろそろかな?


「色が消えたら~強火で一気に♪」


 中の薬の量を水分を蒸発させて半分に減らす。これで成分を凝縮すると、で仕上がり。ね?簡単でしょ?


「後は瓶に詰めて……はい、出来上がり♪」


 今作っていたのは万能薬。この万能薬で私は命を取り留めました。そう、あの酒に入っていた毒を打ち消した薬です。や~、でもまさか材料がアレとか、アレって知ったとき吐きたくなったよ。


 ………嘘だ。別に吐きそうになってないです。何でこの材料が毒に対して効くのか全く分からない。何がどの様に作用して解毒するのかサッパリだ。多分加えた妖力が何らなの効果をもたらすじゃないのか? ご都合です。


 KY陛下と変態ロリコンに飲ませたアノ薬を教えてもらう時に一緒に教わったのだ。


 余談なんどけど、ゲームとかで万能薬とか珍しい回復アイテムってあまったことない? 持っていればいつか使うと思って売らなかったりして。それで結局最後まで使わないんだよね。



 そんな倹約…もとい貧乏性な私は手持ちに万能薬があるにも関わらずまた作ってしまったのだ。もしかしたら晩餐で使うことになるかも知れないし。


 何も命を狙われるのは私だけではないから……ね。


「(毒が効かない私よりもこの国の王族の皆様が危ないし……。晩餐なんてものは毒殺の宝庫だしね。

)」


 万全の態勢で望みたいじゃない? 何より、私は毒が効かない。何かあって王族に被害があったとして無事な私だけなのは犯人にされるとも限らない。そんなの御免だから。まぁ、両親の知り合いって事もあるし、何かあったら助けますよ一応ね。


「(専属の医者がいるから無用かも知れないけど。あって困るものでもないし、」



 何より暇を潰せて、待ち時間で出来る簡単な薬を作っただけなんだけどね、ホントは。


 さて、作り終わったし後片付けして少し身だしなみでもチェックしようかな?




『(お父さん、お母さん……今日も紅蓮様は我が道を行くです。』


 そんな兎天の独り言を聞かずにせっせと後片付けをして、鏡の前で身だしなみでもチェックしていた紅蓮だった。





「あれ? 組み紐が嫁さんの藍色だ……間違えて使ってたな~」



 朝に慌てて自分の組み紐と藍苺の組み紐を間違えていた。まぁ、後で返そう……。








 材料は適当です。

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