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ちょっと一息つきましょうか、ねえ嫁さん

 ちょっと説明回。久しぶりのほのぼのかな?

 ふぅ……。緑茶片手にこんにちは。嫁さんコト藍苺ランメイと3時のおやつを兼ねて休憩しております。周りの状況に置いてけぼりを喰らっております。一応主人…だと良いのかな?な紅蓮コウレンです。



「正直もう麦ご飯は嫌だ。」

「文句言うなら食べなきゃ良いでしょ。」


 もう二ヶ月以上マトモに白米を食べていない。 嫁さんも飽々しているようだ。


「まぁ、後……数年の辛抱だよ。気長に行こうよ。」

「う゛ー。」


 どうも嫁さんの前世の家は和食中心の生活だったらしくて和風の料理を作ったらすごく喜んでいた。


「(正直泣いてたのには引いた……)」


 和食中心のなのはその筈、家は古くからある呉服屋らしい。へ~。私は着物なんて着たこと無かったからどんなのがあるのかちょっと気になる……。


 ほら、着物って高いでしょ。だから成人式もいかなかったんだよね。着物きれないから。その日丁度バイト入ってたし。


「気長に……。ハァ~~…無理かも。」

「ハハハ…ドンマイ(*^ー^)ノ」

「殴りて~…」


 とか言いながら殴らないじゃない。お人好し。


「ところでさ、昨日の話は結局どうなったんだ?」

「あー…。」


 分かるよ……付いて行けなかったよね。


「うん。まぁ……黒幕は側室舞子かその後ろに居る「神様」で、私達は他の「神様」に勝手に転生させられた。母さん達は側室舞子をどうにかするから、私達は勝手にしてて良い。って話だったんだよ。」

「かなり端折ったな。あ、でも少し理解できた。」

「それは良かったよ。私も説明は苦手なんだ。」


 教師という仕事は本当に大変なんだね。ごめんね前世の担任……散々数学を赤点とらないように補習をしてくれて……。


「でも何でここから出ていくんだ? ここの方が安全だろ?」

「そうでも無いよ。ここは見渡す限り人が居ないからね。何かあっても誰も気付かない……。」

「……考えてみたらそうだな。」

「でね、相手は少々幼稚な作戦ばかりでしょ?だから、周りに人が大勢居れば少しは抑止力になれば……。ダメでも証拠が残るような事が必ず有ると思うから、だから大勢人が居る所にいた方が有利かと思ってさ。まぁ…言ってる私も幼稚な考えだって分かってるんだよ。だからね、強くないといけないんだ。」


 つまりは、標的を二つに分けてちょっとは拡散すればな~~あわよくば、証拠があれば良いなんて楽観的な考えなのだ。


「私ってそんなに頭よくないから……体張ってやるしかないんだよね。」

「うん。そうだな。俺もどちらかと言うと同じだな。」

「口より先に手が出るもんね。」


 呆れたような顔で見てくる嫁さん。ソコは怒っても良いんだけどね。


「待ってろよ!絶対に追い付くからな!」

「何言ってんの。もうとっくに追い付いてます。私は元々弱いんだから…。強さは嫁さんの方が上だよ。」


 唖然。絵文字なら( ; ゜Д゜)だね。ふふふ……面白い顔……。………おや?


「(動かない……)ちょっと嫁さん?」

「……お前な~…ソコはまだ認めるな!……やる気が削がれるだろ……ったく…////」


 どうやら照れていただけのようだ。可愛いな~~顔が、じゃなくて何て言うの、性格が可愛い。


「でも油断しないでね。傲りは死に直結することもあるからね。」

「///……そうそう、それだよ。いつもみたいに毒吐かないと調子が狂うだろ…」


 そんなこと言うから周りから密かに「若の嫁なんて、マゾじゃないとなれないよ」なんて言われるんだよ……あれ、これって私が貶されてないか?


 あいつら……今度おやつ抜きにしよう。


「なら今度からどんどん毒吐くから!」

「いや、程々にしてくれて…」



 ところで、色んな事が起き過ぎてすっかり忘れていたけど……


「ちょいと嫁さん。今の今まで忘れてたんだけどさ、私の背中に翼が生えたよね? アレって何だったの?起きたら無くなってたし……」


 本当は両親に聞いた方が確実なんだけど、丁度良いから聞いてみる。


 すると「お前覚えてたのか」とでも言いたげに私を見る。あっ、何か知ってるなコレ。


 さぁ、洗いざらい話してもらいましょうかね。




・・

・・・

・・・・

・・・・・




 緑茶を飲みつつ話を聞いていた。あ、このゴマクッキー美味しいな…また作ろ。


「………てな訳だ。麗春レイシュンさんの母親が窮奇キュウキの血筋なんだ。ココに来て直ぐ、お前病み上がりで寝てただろ?あの時に聞いた。」

「あ~、あの頃ね。でも、あの頃寝てなかったけど。漬け物つけたり、おやつ作ったり……」

「まぁそうだよな……。」


 ポリポリとゴマクッキーを食べる嫁さんは楽しそうだが……


「今回のクッキーちょいと固くないか?」

「あぁ、ごめんね。キチンと計れないから勘でやってるとどうも出来にムラができてさ。正確な秤が欲しいよ。」

「……お菓子って難しいんだな。俺は食べる専門だから今まで考えもしなかった。」


 お菓子作りは正確さが命なのだ。少しでも分量が違うと失敗することも多くなる。この世界で秤とはとてもじゃないが買えるような品物ではない。それにそれほど正確でもない。



「それより、自分の血筋の事だろ。もっと興味無いのかよ。スゴい反応が薄いぞ。」

「どんな妖怪の血を引いていても自分に変わりなんてないもん。確かに残酷さは増したかもしれないけど、本質は変わんないんだし。翼があって便利位にしか思わないよ。厨ニじゃあるまいし…。」


 そう言ったら溜め息を吐かれた。この頃私に対して酷くないか?


「はぁ~~。心配して損した。」

「心配してくれてたの? なら素直にすれば良いじゃん♪(* ̄∇ ̄*)」

「今のレンの顔マジで殴りたい……」



 も~、素直じゃないんだから(≧∇≦)


「さて、ふざけるのはこの辺にして、嫁さん。豆腐食べたくない?」

「食べたいけど……世界に存在しないだろ。」


 ふふふ……実は前から試行錯誤していたのだ!


「じゃじゃーん♪コレなんだ♪


 取り出したのは器に入っている少し柔らかそうで形が多少崩れている白い物体。一見すると固めのヨーグルトに見える。


「醤油は少し少ししか掛けられないけど。今日の朝早くに白の王様が贈ってきてくれたよ。しかも薄口醤油までくれた。」

「それって……豆腐…だよな。」

「形はまだまだだけど。味は豆腐その物だよ。」


 はい、ッと器とスプーンを渡す。味見は事前にしているので大丈夫………だと良いのだけど。嫁さんはどうも食に煩いところがあるからね。きっとお母さんが料理上手だったのだろう。


「はい、醤油。」

「ん、……デザート感覚だな。」

「そうだね。でも見た目に騙されないでね。柔らかくても豆腐だから。甘くないよ。」


 嫁さん甘党だから。スイーツ大好きだし。私も好きだけど、嫁さんの甘いものに対する執念はスゴいよ。前世ではスイーツ男子だったのね。将来糖尿病にならないように気を付けないと……。



「うん。豆腐だな。」

「うん。懐かしい味だよ。」


 豆腐が柔らかい訳は苦汁ニガリが足りなかったせいだ。


 随分と前に(多分…3ヶ月程前に)母さんに「海水を煮詰めて塩を作っている所から苦汁貰ってきて♪」と言っていたので前からあったのだが……大豆もあっていざ作ろうとしたら、結構忙しくて中々着手できずにいた。それにキチンとした分量も知らないので手探りでやっと豆腐らしくなったのだ。


 しかし、まだ固まらないのだ。苦汁を多くすれば固まりはするが……味が悪くなる。今そこで足踏みしている所なのだ。


「(これ以上和食不足で嫁さんのヤル気が低下すると、修業もはかどらないし……)」


 今回は日頃頑張っていた嫁さんに、ご褒美として試作段階だが豆腐を食べてもらうことにした。


「まだ豆腐として料理に使える段階じゃないから、こんな食べ方しか出来ないんだよね。」

「でも、ちゃんと豆腐だ。」


 美味しそうに食べてくれて何よりだ。やっぱり誰かに美味しく食べてもらうのが一番嬉しい。


 それにしても……


「何気なく木製のスプーン渡したけど、普通に使えてるね。」

「あぁ、特訓したからな。(夜中まで必死になってやってたから…)けど、まだスプーンしか使えないけどな。」



 どうやら昨晩隣の部屋から聞こえてきた怪奇音「ベキッ」やら「バキッ」は特訓でもしていた音のようだ。ポチが始終耳を小刻みに動かしていた。


 朝御飯はパンだったので気がつかなかったよ。


 流石自他共に認める負けず嫌い。そしてこうと決めたらとことんのめり込むのはスゴいよ。


 ん~~…もしかすると、嫁さんの集中力不足は負けず嫌いでどうにかなるんじゃないか? でも、それが仇になって危ない目に会いそうで怖いな。




「………ゴクッ……で、今日の晩ごはんは何にすんだ?

「ん~…、そうだね~。大根の炒めものに、雑穀米のご飯だね。」

「肉も多少入れてくれると……」

「(育ち盛りだもんね…)なら、久しぶりにハンバーグにでもしようかな。」


 嫁さんの目がキラキラする。でも、悪いけど肉も節約しないといけないのだよ。


「牛肉は高いから入れられないけど、豚肉まだそんなに高くないし…。でも、繋ぎを物凄く入れるからね。私も嫁さんもよく食べるし、父さんも入れるとかなりの量食べるから仕方ない。だから肉ッ気が無くても我慢してね。」

「食べれるだけでもありがたいよ。繋ぎって何入れるんだ?」


 どうやら嫁さん料理したことがあまりなく、簡単な物は作れるが、ハンバーグとか少し手間のかかる?物は作り方を知らないらしい。


 ダメだよ嫁さん。今時男女関係なく料理出来ないと、後々後悔するからね。



「さてと、ことろでさ。」

「ん?」

「私、12歳位になったら、家を空けることも有ると思うから、料理出来るようになってもらうよ。」


 食べかけのスプーンを持ちながら固まる嫁さん。よほどショックだったのか?


「だからね、ハンバーグの作り方覚えてね♪」

「あの二人に任せられないよな……」


 何せお菓子は作れるのに料理になるとてんでダメなマミィと、そのマミィに壊滅的とまい言われたパピィ。彼等に任せれば地獄しか待ってない。




「まぁ、基本は出来るんだから大丈夫だって。分からないことがあれば教えるし…。」

「凝ったものを作ると必ず失敗する。」


 ん~…それはちょっと見てみないとなんとも言えないね。


 大体料理で失敗する人は「基本を知らない」か「作ったコトもないのにアレンジする」かの何れかが多いと思う。


 味覚が可笑しいわけではないのなら、改善は出来るもんだ。



「アレンジせずにレシピ通りに作れば良いんだよ。」

「やっぱりそうだよな。」


 後は集中力を切らさないことだね。料理中に鍋から目を離したまま外に出掛けるとか論外だし。



「じゃあ、修業の後で夕飯の仕度手伝ってね。」

「ん。分かった。」





 さてと……。私はこのあと母さんに薬の調合のノウハウを教えてもらう予定だ。気合い入れていかないと!!






 



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