最近どれがフラグか解らなくなってきた……
前書きのネタが尽きた……。
鍋をかき混ぜつつこんにちは~。毎度お馴染み紅蓮です。なんか古紙回収みたいな出だしだけど、気にしないで。
ただ今嫁さんの為に消化に良いもの作っている最中です。看病はポチに任せてきたよ。本当にポチはお利口さんだ。今度豚の骨付き肉でもあげようかな。そうそう、犬に鶏の骨はあげちゃダメだよ。骨が胃に刺さったりして危ないからね。
にしても、藍苺が呪詛を自力で克服したのは驚いた。血を飲ませる前に少量の妖力を分けたのが切っ掛けで元々備わっていた力が開化したんだろう。義理の父である白の国王の手紙に母親の血筋について書いてあった。
曰く、藍苺の母親の母親、つまり祖母は生粋の妖怪で、なんと竜だった。しかも、黒の国のお姫様……嫁さんって引いた血筋は全部王族ですか…
…………あぁ…フラグの臭いが……
そして、なんと黒の国は妖怪の国だとか…。迫害されないように国全体で隠してきたことらしい。まだ理由はあるが、嫁さんに説明する時にでも話そう。
それにしても王よ、何故私に教える……信用しすぎだよ。コレは期待を裏切れないではないか。
「まさかそれも作戦の内か?」
だとしても別に驚かないけど。だってあの母さんと盟友何だよ。ただ者じゃないでしょ。性格とかも。
そう言えば、母さんも転生者だったよね。だったらこの世界はゲームの世界と同じだって知っていたのか……私は間違いなく知ってる気がする。
ちょうど両親共にキッチンに居るので聞いてみよう。父さんも知っていたのなら、一石二鳥じゃない?
「ねえ母さん……黄の国の王様と知り合いなんだよね。」
「え? ええ、そうよ。どうしたの今更。」
「なら、どこまで知っているの?」
8年生きてきて今まで見たとこもないような驚いた顔のマミィ……。どうして気づいたのかと言いたそうだ。父さんも私を凝視したまま固まった。
「コウちゃん…。気が付いたのね。ここがどんな世界か…」
どんな世界か? ゲームを元に作られた世界。けれど……
「前世でゲームとして存在した物語の世界に似た現実でしょ?」
どんな世界でも私はこの世界で生きているので現実でしかない。心のどこかでまだコレは夢なんじゃないかと思っていたが、そろそろ現実を受け止める時が来たようだ。
「……そうよ。そして私はそのゲームの『紅蓮の母親』の声を入れたの。そして朱李は……」
「俺は『紅蓮の父親』の声とプログラム担当だった。お前と同じく転生者だ。」
意外な真実発覚。何だか置いてけぼり感が半端ないんですけど…。こんなに転生者が居るなんてね~。心強いけど。
転生の条件はゲームに関わった人。それも、演じた役に転生している。コレは……偶然じゃないよね。
「あのさ…実は私も『紅蓮』の声を演じたんだよね。友達に土下座されて……」
え?え?何? なんか二人ともさっきよりも驚いている。あの~~何ですか?
「どうしたの? あ、もしかしてミケと知り合いだった? あの子土下座なんて日頃してなかったよ。あの時は本当にビックリしたから……」
「……いえ…違うの。あなたが『紅蓮』の声を演じたのね。スゴい迫真の演技だった。ミケが頑として譲らなかった声の出演だったの。」
ナニソレ初耳……。確か「フリーゲームだからお金なんて無い。だからお願いしますベル様!!何卒私めにお力添えを~」なんて土下座してたけど……。ドユコト?
「そうそう。確か『藍苺』の声も俺達に内緒にしてたよな。どこの誰か教えてくれなかったな。スタッフロールどうすんだよって言ったら…」
「「声の出演は???にしといて♪」って言ってたわね。」
それってどこの適当に付けた名前だよ。まぁ、本名出されなくてよかったけど。
「配信してから大変だったよ。あの声って誰なの?てさ。俺達も知らないし、答えようが無かったな。」
「そうそう。結局教えてくれなかったのよ。」
そっか……でもそれって、
「私が公開しないでて言ったからだよそれ。ミケって約束は守る子だからさ。」
忠実に守ってくれていたのか約束を。
「なんだか急に会いたくなってきた……。懐かしいよ。」
もうアレから8年も会ってない。ミケと友達になってからこんなに長い時間会わなかったとこが無かったと思う。何だかんだ言ってもたった一人の友達と呼べる人だった。
「(今頃になってホームシックかな。)」
「そう言えば、コウちゃん。ランちゃんは大丈夫?」
「血は分けたのか?」
そう言えば報告してなかった。つい、うっかりうっかり……
「成功したよ。成功したって言えるのか分かんないけど……血を飲ませる前に妖力が開花したみたいで……なんか妖力がことの外強くて……」
「「あぁ、やっぱり。」」
何ですか…やっぱりって。あぁ、アレか妖気を感じますみたいなのか。
二人とも妖気には敏感なんだね。
「ランちゃんの母親は黒龍のハーフだからねぇ。そりゃぁ強いわよ。下手したら朱李より強いわね♪」
「単純な力だけならな。内包している妖力は俺の一族のが上だ。」
「………あのさ、二人とも…私置いてけぼりなんだけど。いい加減説明してよ。」
そんなに面倒ごとに首を突っ込むのは好きじゃないけど、何も知らないよりもマシでしょ。
それにしても、黒龍? 原作ではない設定だね。だって確か『藍苺』は生粋の人間のハズだった。それが原因で『紅蓮』が死ぬシナリオが10通りあったね。
私が思うに、きっとこの世界は必ずしも原作と同じとは限らないと思う。現に、『紅蓮の母親』は後宮で死んだハズだった。そして『紅蓮の父親』もこの時期に封印が解けることは無かった。
どれも原作通りではない。意図的に母さんが変えたのだとしても、黒龍の血脈云々はどうにも出来ないだろう。生まれる前のことだし……。
「黒龍の血脈云々は原作とかなり違うけど何で?」
率直に聞くに限る。
「それはね、この世界はミケが考えた『妖怪恋舞』の真エンドなのよ。」
「はぁ? 真って真実の真?」
「そうだよ。あるキャラを連続で100回攻略すると出現する隠し要素なんだ。」
なんじゃそりゃ……
「あるキャラって言っても、制限は無いのよ。一人のキャラを一途に100回攻略するだけ。」
「ミケ曰く「一途な人にしか見れない本当のエンディング」らしいよ。」
「100回攻略って……随分気の遠くなる条件だね……で?」
「で? って?」
「真エンドの内容だよ」
「「………知らない…」」
どうやらミケはかなりの秘密主義だったようだね。知らなかったなぁ。
「……でもプログラム担当だったんでしょ? 知らないの?」
「全然……何故か覚えてないんだ。こ~…記憶の一部がすっぽり抜けたみたいで…」
「そのシナリオを演じた事は覚えているけど、内容まで覚えてないのよ。我ながら情けないわ…」
私はシナリオ自体覚えていない。
私は『紅蓮』のシナリオを思い返してみた。そして思う。
『紅蓮』は本当に『藍苺』を愛していた。自分の命を差し出す程に。行き過ぎた愛情だと誰でも思うだろう。でも、今の紅蓮も、もしかすると同じことを、命を差し出す位の事はするかもしれない……。
「(もしかして、私の藍苺に対する気持ちは……)」
もしかして……、違うと思いたい。だがもし、藍苺に対する気持ちは、原作のプログラムから多少影響を受けているとすれば?
両親二人も、違うと思いたい。二人は私たちと同じく転生者だ。そして原作でも夫婦であった。
原作通りに進むための、世界のプログラムなんじゃないか? この恋心は偽物?
解らない。生憎と今まで恋なんてしたことがなかった。比べるものが無いのよ。
もし、もしだよ。私自身が前世『ベル』と言う記憶を持っただけの作り物だったら? 全部が偽物だったら?
ダメだ……、一度ネガティブになるとそんなことしか浮かばない。
「……蓮、ど……たの?………れ……!」
「ど……た……こ………?」
「(あぁぁぁ……考えすぎて頭が……グルグル回る……頭の中、ぐちゃぐちゃだ。)」
周りから声が聞こえる。大丈夫だよ。ちゃんと聞こえてるから……でも今は……
「(頭だけじゃなく…胸も痛い……背中も熱い…)」
あぁ……何も考えたくない……
「…………………………!!」
「………………………………!!」
聞こえるよ。けどごめん。聞き取れない。余裕ないみたい。
自分が膝をついていた。あれ?いつの間に…。体に力が入らない。情けないわ……こんなことじゃ……
「……紅蓮!大丈夫か!?
「!…藍苺?」
あぁ…。やっぱり、やっぱり私は藍苺が好きなんだ…。藍苺の声だけ鮮明に聞こえるよ?
例えプログラムでも、これが今の紅蓮なんだ。
「大丈夫か? なんかお前の方が大変そうだな。」
「っ…。大丈夫だよ。少し目眩がしただけだから。」
うん、元気そうで何よりだよ。
「てか、いつ入ってきたの? 気付かなかった。」
「ついさっきだよ。」
元気な頃の嫁さんそのまま……あれ?
「ちょっ、嫁さん…目が、目が!」
「は? 何のネタだ?」
いやいや…素でボケないでよ。
なんと驚いたことに、嫁さん…藍苺の目が暗めの黄色から漆黒に変わっていた。そう言えば、髪も青がかっていたのに今では目と同じく漆黒になっていた。
「鏡で見てみてよ。」
「あらあら~真っ黒になってるわね~」
「日本人でも珍しい真っ黒だな~」
「何で変わってんだよ…」
「いいな~黒髪~憧れるよ…。」
「いや、他に言うことがあるだろ。」
他に変わった所がないか調べてみると、あれよあれよと、チートな性能になっていた。身体能力とか諸々。
でもさ、これで少しは悩みも解決すんじゃないか? まぁ、その他に色々問題があるだろうけどね。
おめでとう……これで晴れて嫁さんもチート一家の仲間入りだよ♪
え?嬉しくねーよ……。贅沢言いなさんな。バカと鋏は使いよう、チートと開き直りは必須何だよ妖怪生はね。
「ちょっと待て、俺も妖怪なのか?」
「まぁ正確に言えばクォーターだね。」
「説明しろよ」
「料理終わったらね♪」
掛けっぱなしの鍋の様子を見ながら言っておいた。あ~良かった~。鍋焦げてないよ♪
説明はまた今度ね♪




