ようやく訪れた日常
投稿予約に失敗……まさかの失敗……どうもすみませんでした!m(__)m
騒がしい奴等がようやく帰った……。結局外交官は何がしたかったのか……女性への贈り物を貰っていっただけのような気がしてならない。
白の王には手紙で早速抗議した。白の国に出発する前に母さんが……
「大丈夫よ紅蓮。白の王にはアレが何れだけ無謀かをしっかり言い聞かせてくるから。」
「私も微力だけど説得してみるわ。狙い目は王妃様ね。」
「お母さまが知っていたならきっと許しはしませんでしたわ。」
「無謀とわかっていることを許さないだろうしな。」
「うにゅ?(・x・)?」
「……陛下も何か思うことがあったのでしょうか……この様な事は陛下らしくありませんし……」
子供にそこまで言われる陛下って、ヘタレなのだろうか? 顔は強面なのに……
てか、柏樹王子理解できてないよ。
皆さんの口ぶりから白の王は無謀な賭けはしないタイプのようだ。手紙では分からないこともあるし、気が付かなかった。
ちなみに、啓璋さんは王妃に任命された云々……なので王妃に忠誠を誓ってるとか……
「……誰かに唆されたと?」
「そんな玉かよ……あんまり知らないけど、母上……母は「陛下は無謀じゃない」と言ってたぞ。まぁ、会ったこともないからホントかどうかなんて知らなかったけど……」
「……あの、氏があるってそんなにすごいことなんっスか? よく分からないんですけど……」
八雲は「俺って世間に疎くて……」と申し訳なさそうに続けた。まぁ、田舎辺りまで浸透ていない事もあるからね、氏の有無の理由。
先にも説明した通り、氏は王から賜るものだ。貴族でも上位のもの、何か大きな事を成し遂げた者や功績を称え贈られる者だ。最近ではあまり居ないらしい。
没落した貴族がそのまま名乗り続けたりもするので平民にも結構いる。氏を賜ると貴族になる事もあるからね……子爵になるものもいたらしい。
しかし、氏を賜らず貴族になるものも多くいた事から下級貴族には氏を持つものが圧倒的に少ない。実はその昔、金で爵位を売りさばいていた輩が居た所為で爆発的に増えたと言う裏話があるのだが。国はその事を隠したがる。国と言うか貴族達が、だけどね。
「つまり、ボスは貴族になれるってこと? 何か言っちゃぁ悪いっスけど、迷惑な……あ、スンマセン……」
「いや、父上も見誤ったのだ。従者殿が気にすることではない。本当の事だ。」
「ドモ……(あ、この王子心広い……顔は歳よりも怖そうに見えるけど)」
「後で抗議します。母や父ならまだしも、差し置いて私が賜るのはおかしい。(面倒事も御免だし)なんのために藍苺を王位から遠ざけのか……(何か考えがあるなら、包み隠さず言えば……多少協力したのに。)」
隠し事をされて交渉されるのは嫌いだ。例えそれが交渉の常套手段だとしても。相手に敬意が見られないと疑わしくて仕方ない。そうです私は小者なんですから。
と、まぁ、去り際に「父上にお灸を据えておきます」と笑いながら言った鈴雛姫は王妃様そっくりであった。白の王、ご武運を。
そしてようやく、我が家に日常が戻ってきた。
「氏なんて要らないっての。偉い人にはそれが分からんのです。全く傍迷惑なぁ~。」
「何考えてんだろ白の王は。文通してる割りにはレンの性格把握してないんじゃないか?」
「手紙のやり取りでは腹の探りあいだからね。」
所詮は上っ面だけの付き合いだったと言うことなのかもしれない。まぁ、王様ってのは二枚舌なのは当たり前なのだろう。そうじゃなきゃ大国は治められない。
「にしても……賜った氏が「燈」何て字を貰うなんてね……」
「光を灯す燈から来てるんだろ?しかも、火が入ってる。火と光を体現してるお前にピッタリ?」
まあ、白の王も私が窮寄だとは言い触らしたくないのだろう。それに多く知られているのが母さんと父さんのポピュラーな炎と光だったのかも。
実際の主属性は光、雷、炎、樹、風、地だ。しかも副属性は闇以外……とんだチートっぷりだ。
「どの属性でも当てはまっちゃいそうだけどね。」
「何考えてんだか、白の王。」
「二人とも……そんな不敬罪で捕まるようなこと言ってもいいんスか?仮にも王でしょ?」
八雲の物言いも十分失礼だけどね。
今何をしているかも言うと、おからでクッキーを作っている。今日焼く訳じゃないよ。明日の分の仕込み。
今日のおやつはアップルパイ。パイ生地はもう冷蔵庫で眠ってるから後は林檎のコンポートを乗せて包んで焼くだけ。今作っているおからクッキーは極限までおからが入っているのでしっかり凍らせて固めないとボロボロと切るときに崩れるのだ。だから明日の分を今作っているのだ。
嫁さんこと、藍苺は横で小麦粉を篩にかけている。この作業は最低でも三回はしないとサクッとしたクッキーにならない。多分今二回目だろう。
八雲は常温にしてあったバターを練っている。八雲の能力「何でも想像(無機物限定)で作れる錬金術?」を駆使して泡立て器をつくってもらったのではかどる。それに男の方が力があるので固めのバターを泡立てるのもお手のものだろう。
「キツい……バターをクリーム状にするのってこんなに疲れるのか……腕が痛い……」
「滑らかになったら砂糖を三回に分けて混ぜる。ほら、まだまだ混ぜ続ける!」
「鬼ィィィ!!( ノД`)」
バターを白くなるまで混ぜ続けるのは骨だろう。お菓子作りは女子力じゃねぇ、腕力が付くんだよ。
「うぅぅぅ……( ノД`)…」
「全部入れて馴染んできたら次は溶き卵を二回に分けて入れる。これで少しは混ぜやすくなったでしょ?」
「そうですけど……」
粉を篩ながら嫁さんが横から一言。
「量が増えるから対して変わらないけどな。」
「……ですよね~。」
「いつの間に仲良くなってたの? 嫉妬してもいい?」
「はあ?」
「ボスの奥さんだから接しているのであって、前世含め彼女居ない歴=年齢+αな俺がそんな大胆なことできるわけ無いでしょ……あ、自分で言ってが涙ぁ……(T_T)」
「………や、何かごめん。」
「リア充でごめん。」
「慰める気無いですよね!?」
うん。無いね。
「ハッキリ頷かれたっ!!Σ(゜Д゜)」
だって、楽しそうにしてるのが悪いよ。人の嫁さんとさぁ……( ・ε・)
「そんなことよりさっさとバターをかき混ぜろよ。こっちの準備は出来てんだから。」
粉をふるい終わり、おから(何らかの術かなにかで加工されたおからパウダー。勿論メイドイン・マミィ)も用意し終わった嫁さんが痺れを切らしていた。よっぽどおやつを早く食べたいらしい。
私の進んでいない手元のパイ皿を見ながらジト目で見つめてきた。本当にお菓子こ事となると大人気ない。はいはい、睨まなくてもアップルパイは直ぐに焼きますよ。次いでに洋梨もゼリーの残りがあるからパイにておこう。
因みに、今日のお昼はミートパイです。米より小麦の方が我が家の自給率が高いからね。当分は晩御飯以外で米は出さない。客人達に食いつくされたからね……(ー。ー#)
そう告げると嫁さんが「アイツら、もう来んな」と愚痴っていたのは仕方ないと思う。日本人はやっぱり米だよね。
「皆さん大食いだったっスからねぇ……」
「家の食卓には大打撃だったよ。最悪白き箱庭の果物で食い繋ぐって手も考えてるんだからね。何かあったら商品は法外な値段で売り付けてやる。」
けっ! ひもじい思いをしたことがない奴ってひもじい連中の気持ちは分からないからね。食い物はあって当然、何て思ってたんだろうさ。諸国漫遊(と言う名の放浪)だって、自分で稼いでた訳じゃないそうだし、本当の貧しさは分かってないんだよ。王族よりかはマシな両親だって……分かっているかは怪しい。母さんも後宮で冷遇去れていたときは感じたかもしれないけど、いざって時は眷属経由で白の王や家族を頼れた。
「戻ってこいレン。豆腐は王族のお気に入りになってるから、足元見て値段をつり上げて……」
「なるほど……次いでにソーセージも料金を………」
「黒っ!!腹の中まで真っ黒っス!!(゜ロ゜;ノ)ノ」
八雲よ、これも生きるためだ。米だけは未だに自給できないんだぞ。米が食いたいだろう?
「食べたいっス。米なんてかれこれもう15年も食ってなかったス。」
とかなんとか、如何にして米を確保するかを、あーでもないこーでもないと話し合いながら私はパイを作り続けた。その甲斐あって途中手を止めていた嫁さんと八雲 りも早く作業は終わった。
私よりも遅いなんて……ちゃんと働いてよ二人とも。二人が話し込んでた間にパイを作り終えてオーブンに火をいれ終わったのよ?
因みに、このオーブン。石窯です。遠赤外線効果?なのか知らないが、電気で動くオーブンよりも美味しく焼ける。温度調節が難しいと思うだろう。
でも、そこはファンタジーな世界(てか、マミィクオリティ)、高温の熱を放出する宝珠と調節する術式で作りました環境にもエコなオーブンです。半永久的に使えるってのも魅力だよね。
火事防止機能もついているので(主に母さん用)安全性もバッチリですよ。
前世でこんなの欲しかったなぁ……
「それにしても、大雅王子に対してちょっと厳しくなかったッスか? 子供の頃ってあのくらい嫌いなものも多いッスよ?」
「甘いな八雲。レンはな、自分にもあのくらい厳しいぞ。何せ、嫌いなレバーを若干涙目になりながらも子供の手前食べるほどの……」
「なっ、涙目にって………」
「水で飲み込んで涙目になってたぞ。」
あ~……シュウが好き嫌いしないように我慢して食べたときのことね……レバーはダメなんだよ。けど、吐く程じゃ無いから……ええ、我慢しましたよ。
それにしても、よく覚えてたね。私は早く忘れたい事だったからすっかり忘れてたよ。
「もう良いかなぁ……」
「あぶねっ!」
「ちょ、何してるんすか!火傷しますって!!」
私が石窯オーブンに手を入れると驚いて腕を掴まれ引き戻された。八雲は兎も角、私の特性を知ってるる藍苺が驚くのは……よもや忘れていたな嫁さん。
「熱とか炎は耐性があるから効かないし、回復するから……そんなに心配しなくとて……」
「………そうだった……け?」
「なん……だと……」
忘れてたな嫁さんよ。
「俺悪い悪い。忘れてた。自分が火がダメなもんだから……ついな。」
「俺も復属性で火は持ってッスけど、そんなチート性能無いッスよ。流石チート。」
自分のことは棚にあげている八雲であった。嫁さんはどうも火が嫌いみたい。何かトラウマでもあるらしい……
そんな話をしつつ、作業を続ける私であった。
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『やれやれ、ようやっと落ち着いたか。』
『あの者たちの行く末は見ものだな。』
『白神よ、懐かしいだろう。あの光景は。』
『もう手に入らぬものを見詰めているとは……難儀な奴だ。』
『なんとでもいえ。』
色とりどりの神々が集うこの場所に白神は中央に置かれた水鏡を覗き込みながら答えた。正直この自分よりも年上な神々が少々にがてなのだ。話し掛けられてもあまり相手にしたくはない。
『あの小僧の位置にお前が居たのだな……』
『本当に白神は両親贔屓だな。』
『所で……あの“あっぷるぱい”と言う食べ物……我らにも分けろ』
『断る。貴様らにやるほど量は多くない。欲しいのならそなた達の崇拝者にでも催促すればいい。』
数多いる奴らの崇拝者からふんだくれば良いだろうに……。
『………お前、俺たちには容赦ないよな。』
『労る謂れも無いだろう』
『『『『………』』』』
『本当に容赦ないよなぁ』
煩い者共を無視して楽しそうにおやつを作る三人を見詰めた。あの中に、昔自分も居たのだな。もう、とうの昔の事だが……神である私にも人にも遠い遠い昔の事だ。
“私には昨日のことの様に今も忘れられない”
どうか、彼らに……平穏な日常を……叶わぬことでも……どうか。
叶いもしないことを願い、私は未だに見つめ続けた。
この後、彼らに待ち受ける苦難も乗り越えて欲しいと願いながら……




