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フラグ?知らないなぁ…  作者: 雲猫’
番外編―後日談―
103/108

サヨナラ…出来ればもう来ないでください 前編

 ちょっと紅蓮がキレます。



 お読み頂きありがとうございます。



 収穫を終え手を洗い、当初より早めの昼御飯に

りついていた私達。今日のお昼はちょっと奮発してオニギリだ。


「炊いたお米を固めた物……ですか?」

「これが握り飯か。初めて見た。」

「ですが……何が入っているのですか?白くないですね……」



 そうか、王族や貴族ではオニギリは見たことは無いだろう。白米しか見たことがないだろうし、あったとしても玄米が関の山。


「これは五穀米です。白米以外に四つの穀物を混ぜて炊いた物ですよ。」


「(あっ、お母さんが健康食品にハマってた時に出てきた……)」

「これ、食べれるの?」



 イガクリの言葉は無視。誰が食べれない物を出すかってんだ。それでも黄の国の国民にとっては贅沢何だぞ!! 何せ、お粥にして食べているからね…それも汁ばっかの味気ないおかゆ……それでもマシな情況だ。食べ物が有るだけマシなんだから。


 イガクリの疑問何てなんのその……一人静かにしていると思ったら柏樹王子は黙々とオニギリを食べていた。それも美味しそうに頬袋をパンパンにして………この子、将来大物になるな……



「とても体に良いんですって。」

「玄米は癖がある匂いだが、食べなれると旨いぞ。」


「とはいえ、白米は高いですからね。私達には手が届きません。」


 

 言葉に「王族並みの食事は期待するな」と意味を込めた。家は王族でも、貴族でもない。確かに母さんや父さんの生家は貴族だった。嫁さんも華やかな暮らしとはいえなくとも王族だった。


 しかし、今は単なる一般人。贅沢なんか出来ないし、しない。家の素材は高級でも、それは私達のチート性能の所為で仕方なく特別頑丈な素材を使っているにすぎない。


 唯一の贅沢は広い風呂や私の作るお菓子くらいだ。それでも贅沢何だぞ。




「私も五穀米…始めようかな……」

「母上……僕はいつものご飯が良いです。」

「あくまで私の健康に関してよ大雅。私も健康に気を使わないと……(この年で老け顔は不味いもの)」


「大雅王子、そんなこと言わずに。美味しいですわよ、このご飯。」

「歯応えがあるぶん食べご耐えがあるな。塩加減も丁度良い。」

「んぐんぐ……」

「柏樹王子……急がずとも握り飯は逃げませんよ。」

「この黒っぽいお米は……まさか、黒米?」


 お、マオ嬢目敏い。そう、我が家の五穀米には古代米の黒米が入っているのだ。


 皮肉にも前世の日本では白米よりも高価な黒米。しかし、この世界では白米にも劣る米として家畜のエサや農家でしか食べられていないのだ。


 あまり量を取れないのに加え非常に弱く、人気の無い米なのだ。体にも良いのに……本当に皮肉だ。



 我が家で密かに始めた稲作は未だに実ってはいないが、後数年すれば食べていけるようにしたい。黒米に加え、餅米も作りたいが……今はそこまで需要が無いので手は出していない。でも、いつかは……うん。頑張ろう。




 一人今後の事を考えていると……まぁなんと言うか。女性が3人居るとかしましいとは良く言ったものだ。今は四人居るが(私と嫁さん除く)何ともお喋りだ。まるで日向でたむろする雀の様にお喋りだ。


 話の内容は、やれ「美容に良い」、やれ「健康的」等など……うん。ついていけない。



 ちなみに、五穀とは言っているが実際は麦と黒米以外は米だ。玄米と発芽玄米、それに白米。


 厳密には五穀じゃないのだ。


 始めに「ちょっと奮発して」と言ったでしょ? 本当の家の五穀米はあわひえ、麦、玉蜀黍とうもろこしの粉、少しの白米。これが我が家の五穀米なのだ。


 家計がもっと火の車になればその中から米が消え、もっと悪化すれば麦が消える。



 本当に結構切羽つまっているのだ。口には出せないが今回の来客は本当に困る。唯一の救いは白の王が米と食費を工面してくれる事だ。あぁ、それから光熱費が掛からないのも救いだね。




 さてさて……今夜の食卓はどうしよう。肉は当分困らない……が、他の食材はどうしたものか。小妖怪達にかき集めて貰うわけにもいかない。彼らも自分達の食い扶持だけで手一杯なんだから。


 考えてみると……我が家の家計の情況の何と悪いことか。まるで私の前世の幼少期の様な……思い出したくもない。




 うん。今日は晩御飯だけでも奮発しよう。肉の量を増やそう。どうせ明日には帰るのだから、自分へのご褒美と言うことで……うん。そうしよう。


 おかずは私の好きなものを作ろう。何が良いかな……大根の葉の炒めものと醤油で甘く煮た鶏肉……味噌があったら大根の味噌汁にするのになぁ……味噌も作らないと。



 何で醤油はあるのに味噌が無いんだか……。




「……ン…………レン!」

「んえ?」


 おっと……考え事をし過ぎた。呼ばれていたのに気がつかないとは……私もまだまだだな。



「疲れたのか?」

「まさか……と、言いたいけど。正直精神的に疲れた……」

「昔から騒がしいのは嫌いだからな~」


 そうなのだ。私の性格上、こうも騒がしいのは苦手なのだ。元々人付き合いが苦手な私にはキツい。


 それを知っている嫁さんとマオ嬢は心配そうに見ていた。と、言ってもマオ嬢は見ているだけ。私と嫁さんは会話の輪から離れて座っているので話しかけるにはこっちまで来ないといけないからだ。



「昨日の今日だからなぁ。無理すんなよ?」

「嫁さん、客人が帰ったら休めるから今は……休めないでしょ?」

「うん、まぁ……けど、倒れるのはもう勘弁だぞ。肝が冷えるのはもうごめんだ。なぁ八雲?」

「そうっスよ。みんな冷や汗モンッスよ。あぁ怖かった。(何が怖いって……惨劇でもあったのかスプラッタなキッチンが怖かった……。)」


 青ざめ気味の八雲……どうしたのだろう。





 そんな風に話をしながら昼御飯を食べ終え、また収穫作業に戻る。話ながらの作業はのんびりだが、皆手を止めずに動いている。時折嫁さんをボーッと見ているイガクリを除いては。


「何か見られてないか?」

「……無視しようね。それより今日のおかずは何が良い?」

「ん? ん~~…・・あ、肉じゃが食べたい。」

「丁度材料があるらそれに決まりだね。」

「やった♪」


「ハハハ……なんだろ……スゴく爆発しそうな程甘い雰囲気は……何か虚しい……」



 そんな八雲を尻目に漸く訪れた平穏な日常に和んでいる私と嫁さんであった。ま、どうせ仮初めの平穏だろうけどね。


 客人が帰るまでは……ね。







 収穫が一段落したので私と嫁さんと八雲は夕食の準備の為、一足先に帰ることにした。何せ人数が多いと作る量も半端無いのだ。


 さて、所変わって只今キッチン。冷蔵庫の前で材料を確認して思考中……


「献立は…肉じゃが、大根の葉の炒めもの、あ、ピーマンがあるから……何?二人とも……お残しは……赦さねぇぞ♪ さて、ん~~…豚肉も有ることだし無難にピーマンの肉詰めにしようかね。ふむ、後は……さっき思い付いた鶏の煮物と、そうだなぁ……早めに獲れた茄子で焼きナス……おや、味噌がないな……仕方無い。焼きナスは諦めて醤油で炒めて鰹節をかけよう。うん。そうしよう。」






 そして嫁さんと八雲の手伝いもあって難なく作ることができた。量が尋常じゃないのだこれが。


 いつの間にか畑から帰ってきた母さん達は畑仕事の汚れを落としてリビングで寛いでいた。疲れたのか柏樹王子はもうお眠だ。


 前菜ではないが収穫した枝豆を茹でたので先に出した。我が家の枝豆はしっかり茹でて塩をまぶして完成だ。ポイントはサヤの中にある固い部分が豆を食べるときに一緒に出てこないくらい……茹ですぎるとあれが一緒に取れて食べにくいのだ。




「……豆をこの様にして食べるのも良いものだな。」

「大豆は若いうちはこの様な味がしますのね。私ったら食べ過ぎてしまいますわ……」

「……コクッ……美味しい」

「まぁ柏樹王子……食べながら船を漕いでは危のう御座いますよ。」


 食べ過ぎを心配する姫に味が気に入ったのかぱくぱく食べ続ける王子、末っ子柏樹王子はコクッと船を漕ぎながら食べている。テーブルに頭をぶつけやしないかと心配顔の筆頭侍女さんは食べながら見守っている。


「お兄様にお土産としてもっていきたいわ。あの人お酒が好きだから。(どうせやけ酒してると思うし……)」


「あら、それならどうぞお持ちくださいな。どうせ白の王にも献上しますから。」

「酒の肴にうってつけだからな。俺も酒が欲しくなる……」

「あら、未成年が殆んどだから遠慮しているの?」

「妊娠中の妊婦の前で自分だけ飲むのも味気ないだろ。それに、何だか悪い気がしてな」

「まぁ、気遣いありがとう朱李♪」


「雰囲気が甘いわ……砂糖吐きそう……」


 兄にお土産としてもって行きたいと言うマオ嬢とイチャつき始める両親……マオ嬢は両親から目を反らし一人黙々と食べることに専念するようだ。


 それが妥当だよ。



 お土産なら枝豆はどんどん持っていっても構わない。だって、大豆は大量に採れる。需要があるので母さんも大量に作るのだ。新しく始めた豆腐にちょっと手を出してみた納豆……はまだ食べられない。えっと……そうそう、大豆って丈夫で痩せた土地でも育つから重宝するのだ。ホントに助かってるよ。大豆様様。



 さあさあ、ご飯が出来たよ。おかずを置くからテーブルに広げてる何か色んな物を片付けて!


「どうぞ、湯豆腐です。暖まりますよ。」


「今日は湯豆腐?」

「紅蓮が作る湯豆腐は具が多く入っているから食べご耐えがあって良いな♪」


 土壇場で追加した湯豆腐。何故か無償に豆腐が食べたくなった。冷奴でも良かったのだけど、母さんは身重なので体を冷やしすぎるのはダメかと思ったので湯豆腐にした。


 実は……この豆腐。白の王に特許出願しました。


 

 不思議なことに白の国には特許制度が存在するのだ。多分父さんか母さん経由で白の王に伝わったのかも知れない。比較的新しい制度ではあるけれど、制度の浸透化は進んでいて国外にも権利を主張できるのだ。流石は大国、白の国である。



 でだ、母さんや父さんから白の王に特許出願してもらったのだ。子供だからね私。権利は私にあるけれど、出願は大人にしか出来ないのでやってもらった。他にも諸々出願してみた。それは後で説明しよう。手数料は白の王に献上することで手を打ってもらった。あの人結構いい人だよね。






「真っ白……杏仁の様に甘くは無いのね……」

「舌触りが良いな……うん。」

「あっつ……でもおいひい……」

「あら、柏樹。そんなに熱い……っ、確かに熱いですわね……皆さん熱くないのですか?」


「熱いぞ」

「熱いわよ」


「アッツい!」


「フゥー…フゥー……っ、熱い」

「………フガフゴ……ハフ……ング」


「そんなに熱い?」

「猫舌の俺には無理だ。」

「どうしよボス、俺も猫舌なんすけど」?



 

 ガッツき気味のイガクリは熱さなど何のその。手作り豆腐は柔らかいのでスプーンで掬いながら熱そうに皆さん食べている。冷めるまで待てば良いのに……何だかんだ言って皆さん食い意地がはっていますね……。おかわりする?どうぞどうぞ。


 まだ全部のおかずを置く前に早くも湯豆腐は無くなりそうです。


「湯豆腐……」


「俺の……残ってるかなぁ……」


 ピーマンの肉詰めを乗せたお皿を運んできた嫁さんと肉じゃがを持ってきた八雲は無くなっていく湯豆腐を切なそうに眺めていた。早くお皿置こうね。心配しなくても予め私達の分は別に取ってあるから……


「よ、良かったッス……懐かしの味が食べれないのかと……グズッ……」


「あいつら……一人6丁位食ってるぞ……」



 粗方湯豆腐をお腹に収めた皆さんは新たなターゲット……ピーマンの肉詰めと肉じゃがと茄子の炒め物に視線を集中させた。



 とはいえ、お子様の柏樹王子とイガクリは難色を示していた。残すなよ?


「これは……ジャガイモの煮物?」

「大きな唐辛子?それに、茄子ですか?まだ季節ではないはず……」

「大きいしまだ緑……唐辛子じゃないのか?」

「辛くありませんか? お恥ずかしながら私、辛いものが苦手でございまして……」


「大丈夫ですよ。これは我が家で育てたピーマンと言う野菜なんです。苦味は有りますが辛くはありませんよ。とても体に良いんです。それとこちらの芋は肉じゃがです。豚肉とジャガイモを煮たものです。」

「ピーマンの肉詰めと肉じゃがかぁ……今日は奮発したな紅蓮。(ヤベェ…ピーマン嫌いなんだけどなぁ…。いや、でも、ここで残したら……紅蓮にどやされる。腹をくくれ俺!)」


「僕は苦いなら……」

「た、大雅!」



 逃げ道は残したりしない。



「子供のうちは苦いのは苦手な者が多いですが、大人になればなれますよ。さぁ、残さず食べてください。お腹は空いているのでしょ?」


 にっこり笑って逃げ道を塞ぐ。怒られるより居心地が悪いだろう~。



 皆さんはピーマンの名前が英語ではないのはご存じだろうか? 実は和名がピーマンなのです。由来はフランス語だとかなんとか……詳しくは知らん。皆ググってみてね♪



 と、さぁ、次々運んでこよう……。



 ほら、途端に落胆しないでさっさと仕事終わらせて私達も食べよう?




 私と嫁さん、八雲で次々運ぶ皿の数はかなりの数だ。こんな時、母さんの眷属達に手伝ってもらえば良かった……ダメか。私、八咫烏の一見以来折り合いが……うん、ギクシャクしているのだ。別に仲が悪い訳じゃないよ……その、ねえ……避けられてます。皆に。


 お陰で兎天も居心地が悪そうだ。そうだよね……親がそっちがはだからね……うん、ハハハ……ハァ~。



 ………ん?あぁ、献立は宣言通り肉じゃが、大根の葉の炒めもの、ピーマンの肉詰め、肉じゃが、茄子の炒め物(醤油で炒めて鰹節をまぶした)鶏の煮物と新たに加えた湯豆腐にホコホコの蒸したての肉まんとゴマ餡まん。どうせ足りないので冷凍していたパン種を解凍して焼きましたよ……あぁ、食料がどんどん消えていく……ハァ……


 そして漸く私達3人は食卓につくことが出来たのだった。


 自分達の分を別けといて本当に良かった……半分以上無くなってたよ……コイツらの胃袋は宇宙かブラックホールか?




 自分の食欲を棚にあげ心の中で毒づいていると、またもイガクリが駄々をこね始めた……



「苦いのはいらない!食べたくないものを食べるのは嫌だ!どうして王宮でも野菜ばかり出すの!!ここに居るときもそうだ。」

「食べてからでも遅くないよ……ねぇ大雅…」

「苦いと分かっていて食べたくないっ!!」

「大雅……」


「苦いけど…モグモグ……ボクも食べてるよ…モグモグ……鼻を摘まむと……ングッ……食べれるよ?」



 イガクリよりも小さな柏樹王子が頬袋にものを貯めながら説得していた。ほれみろ……お前よりも年下の子に言われて悔しくなのか?


 あ、でも、口に食べ物を入れて喋っちゃ駄目だよ柏樹王子。行儀悪いからやめなさい。


 ……それにしても、今の言葉にプッツンしそうだよおばさん。



「柏樹王子、ものを口に入れている時は喋ってはいけませんよ。行儀が悪いですから……それと、大雅!……いい加減になさい。嫌いなものがあるのは結構です。が、残すことは許しません。食卓では私が掟です。我が家の敷居を跨いだのなら従いなさい。それとも……食べたくないのなら……良いですよ食べなくとも。しかし、我慢している人にそれでは示しがつきませんから……貴方はご飯を食べなくて宜しい……文句があるなら口でなさい。睨んでも私には効きませんよ。さぁ、言ってごらんなさい。」


「………ッ……」


「貴方は王族としての義務を何も果たしていない……貴方は何も私に命令する資格もない。どうです?何か言えますか?」


「ごめんなさい……私が甘やかしたから…」

「…………」


「確かに……けれども行動したのは大雅自身だ。自分の身分は行動に責任があることを知るべきだ。大雅……一つ聞きたい……後宮でも食べたくないものは食べなかったのか?」


「………」


「コウちゃん……」


「母さん……これは大雅自身には必要な事だよ。知らなかったでは済まされない。」


「だが紅蓮……まだ子供」


「ならば何時になればいいのですか? すみませんが少し黙っていてください。この豆腐の様に柔い根性を叩き直さないといけないのですから。」


「キレた……(ヤバ)」

「まぁ……」

「(これが噂に聞く龍の逆鱗……なのか?)」

「こ、怖いよ、」

「あら、あら。」


「ちょっ、ボスってば激おこ……何だっけ?」

「………プンプン…丸?」

「ちょっとそこの二人も静かにしててね?」

「「はい!」」




 頭に血が上りすぎないように……は出来ないか。そんなに簡単に操れるなら激怒など端からしない。


「大雅、良く聞け。今お前の国、黄の国では貧困がかなり進んで周りの……赤や青や茶の国からは見捨てられている。実際、白の王のご意向で持っているようなものだ。そんな切羽詰まっている状況で、贅沢な生活をするのは結構。王族とは常にある程度の見栄を張らないといけない……他の国からバカにされるからな。だが、民が汗水流して育てた作物を嫌いだ、食べたくないと一口も口に入れないのは、王族失格だ。王族とは民の血税で生活できるのだ。つまりは生かしてもらっているのだ。国を良くし、民が安寧出来る国を作るからそんな生活を送れるのだぞ……それなのに…お前はどうだ?」


「ぼ、僕は…」


「親の地位に胡座をかき、自分を認めてくれないと駄々をこね、我が儘を他人の家でも言い……その果て、駄々をこね親に恥をかかせている。確かにお前は両親から甘やかされ、周りにもちやほやされてきた。だが、もうその環境は無い。黄の国は立て直しの為に溜まりに溜まった膿を出している。お前を甘やかす者はもういない。成長する時が来たぞ。」


「…そ、それと野菜となんの関係があるん…ですか?」


「大いにある。黄の国で作られる作物の半数が青菜等の野菜だ。国民はお前達王族に献上するだろう。自分の食い扶持を減らしてでも……。それをお前は食べもせず捨てるのか? 何も全て食べろとは言わない。一口でも食べて農夫達に感謝するのが大切なんだ。そうしていれば、要らぬゴタゴタは若干減るだろう。もし、お前が一口も食べずに捨てていると知れば、農夫達は自分達の誇りを傷つけられたと思うだろう。」


 何も税で集められるのは米だけではない。特に稲作が盛んではない黄の国では違うもので補わないといけない。葉物野菜が多く採れると言っても農業は盛んではない。昔は白の国から買っていた程だ……自国の野菜には見向きもしなかった。


 これではダメだと動きだいたのが今の大臣……前に話したことがあると思うけど、前宰相の出来の良い反りがあわない息子なんです。やっぱり有能だった。


 自国の自給率をあげる事を考え内政を整えているところらしい……ここに居る私にはさっぱりわかりませんけど。



「つまり、お前は民の面子をたてないといけない。今は分からずとも、何時か納得出来る時が来ると思う。見栄を張れ……王族は如何な弱点も見せるな。他国に弱味を見せるな。どんな辛くとも人前で泣くな。誰かのために涙を見せるな。泣きたいなら一人で泣け。白の国は寛大だが、赤や青は何時でも黄の国の領土を狙っているかも知れない。どんな理由でも喧嘩を吹っ掛けてくるやも知れない。」



 ま、黄の国の荒れ果てた土地が欲しいかと言われたら…“面倒な土地は要らない”だろうけど。それはイガクリは知らないから別に良いだろう。


 あぁぁぁ……日頃使わない頭を使って何か疲れてきた……何が言いたいのか分からなくなってきた……歳かな?


 ま、あれだわ。周りの人達の苦労を水の泡にしたくないなら、大人しくして波風たてず、尚且つ好き嫌いせず食べろよって事なんだよ。


 分かったかい?イガクリ風情が私の料理を残すなら始めから食べなくて良いからね。


 お分かり?



「コクコク…………」


「あ、何かお土産にあった赤ベコみたいだ……」

「あれって福島のお土産物ッスよね?俺修学旅行は会津若松だったんスよ。懐かしいなぁ……」


「二人ともマトモな会話する気ないなら黙っててね?さっきも言ったよね私?」

「「コクコク……」」



 フザケ気味の嫁さんと八雲が赤ベコと化したところで、話も長くなったから後半に続くよ……


 え?メタ発言?良いの良いの。作者の声を代言してるだけだから。





 おかずは適当ですので悪しからず。彩りもあまり考えてません。




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