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教えて?フロウ先生!―四の姫シリーズ解説短編―  作者: い~ぐる&十海&にゃんシロ
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6話「世界と神々2―光の神と闇の神―」

 

エッグタルトを頬張り、紙にツラツラと書き留める少女を見てふと講師役の男は考える。


(…話のメモに「紙」を躊躇なく使うあたり、やっぱお嬢様だよなぁ。)


木の板に書いてから削って使いまわしたり、羊皮紙を使うことが多い一般市民から見れば、

紙はまだまだ「割高な代物」だ。それを個人でパラパラ使えるあたり、やっぱり騎士の娘なんだなぁ、なぞと思ってしまう。


「それで師匠、次はどの神様?」


「ん?あ、あぁ…そんじゃあとりあえず聖神からとして…リヒテンダイトだな。メモの準備は?」


「バッチリ!」


「んじゃ…聖光神リヒテンダイト、通称太陽神と呼ばれる通り、昼間ぴかぴか光ってる太陽を創ったと言われる光の神だ。

 リヒトマギアの子は聖なる神・聖神と魔なる神・魔神の二つに大別されるが、リヒテンダイトは聖神のリーダーに当たる。」


「えぇっと、司るのは『光』と『希望』…あと『真実』…だったっけ?お婆様から聞いたことあるわ。」


「流石プリーストの孫だな…あと、ダインが信仰しているのもリヒテンダイトだ。

 聖神のリーダーだけあって、騎士や王族が信仰していることが多いな。イメージもすこぶる健全だし。」


「そういえばこの間お父様についていったリヒテンガルドの神殿で、神官さん達がこれだからウィッチは…とか言ってたわ。…師匠達と神官って仲悪いの?」


「あ~…神殿にみっちり勤めてるようなプリーストやウィッチは仲良くねぇかもな、特にプリーストはウィッチ嫌い激しいし…。

 冒険者とかだとそんな事言ってたらキリねぇからそのうちなぁなぁになることが多いんだけどなぁ…。

 仲が悪いっていうより、ウィッチをプリーストが毛嫌いしてる…って図式のが多いんじゃねぇか?俺の偏見かもしれねぇが。」


「ふぅん…そういえば、同じ神官なのに聖神の神官は『プリースト』…魔神の神官は『ウィッチ』って呼びわけされてるものね。」


「ま、実際同じ神官でも聖神と魔神じゃ祈術の系統が微妙に変わるからなぁ…っと、話がズレた。それじゃあリヒテンダイトの教義だな。」


「っとと…はーい。」


「リヒテンダイトの教義は『すべての者に太陽の恵みを』だな。この恵みはいろんなものを示している。

 文字通りの自然の『太陽の恵み』に、『希望の光』…そして、光によって照らし出される『真実』だ。

 太陽の光ですべての真実は照らし出されるのだから、無駄な嘘は吐くな。ってのが神官の言い分だな。」


「へぇ…まあ確かに、嘘は吐いちゃいけません。ってのは普通よね?」


「しかし、嘘も方便…とも言うんだがね。…まあ、聖神は基本的にお堅い連中が多いってことさ。」


「リヒキュリア様もそうなのかしら…。」


「まあそこは後回しにして、先にリヒテンダイトの対になる神様の話に移るぞ。

 闇魔神マギアダルケン、通称冥月神…俺が信仰してるマギアユグドの親に当たる魔神のまとめ役だな。」


「私、魔神の事は良く知らないのよね。お婆様はともかく、他の神官は嫌な顔して教えてくれないもの。」


「なはは…マギアダルケンが司るのは『闇』と『知識』…それと、死後の世界の管理者だとも言われてる。

 死者の魂は一度、マギアダルケンが創った月へ行き、その魂を休めてから信仰する神の元へと導かれるらしい。

 ちなみに聖神は太陽…魔神は月に住んでいる…というのが有力な説だな。もちろん確認したものなんて居ないが。」


「あれ…私は神官から『死んだ魂はそれぞれが信じる神様の元へと召されます。』としか聞いたことないわよ?」


「そこはホレ…さっきも言った『確執』って奴だよ。…ま、どっちが真実かなんて死なないとわからねぇって。

 まあ司るものの関係上、マギアダルケンの信者は学者が多いな。あと墓守もか…。」


「ふむふむ…なんかこう、物静かな秀才みたいなイメージが…それで、教義は?」


「あぁ、教義は…『思索せよ。思考と知識こそが真理に至る道なり』だったっけ。

 いろんなことを覚え、考えてこそ本当に大事なものが見つかる…大事なのは思考すること、って教えだったか。

 後、『夜の安息をすべての者に』ってのもあるな。眠りの安息はマギアダルケンの贈り物なんだってよ。」


「あぁ…ふわふわのお布団で寝るのって最高よね。そう思うとマギアダルケンにちょっと感謝しちゃうかも。」


「なはは、しとけしとけ…神様は感謝されて困ることはねぇからな。」

 

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