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教えて?フロウ先生!―四の姫シリーズ解説短編―  作者: い~ぐる&十海&にゃんシロ
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12話「世界と神々8―土の神―」



「そんじゃあ最後は土の神々だ。これで一応、主だった神様は全員になるさね。従属神までレポートにしろとは言われねぇだろうし。」


「うん、えっと土の神様は確か……聖土神リヒトランテ様と…………。」


「土魔神マギガイアスだな。まあとりあえず、まずは聖神の方から説明するとするかね。」


「はいっ、お願いしますっ!」


「まず、聖土神リヒトランテは地母神と呼ばれる大地の恵みや宝石の神だ。動物を始めとする生命の守護神で、牛飼いとかに信者が多い。

 狩猟を生業とする人にも信者が居るが、その場合自分が生きるのに必要な分以上の狩りはリヒトランテが嫌うのでしないらしい。」


「へぇ……でも、シャルが祭司をしてるユグドヴィーネも狩猟の女神だったわよね?」


「あ~……ユグドヴィーネは狩猟そのものを司ってるが、リヒトランテは動物達の守護神だからな……

 その辺微妙にかぶってるけど、厳密には違う。あと、リヒトランテは純愛を司る神でもある。」


「純愛っ!?」


年頃の女の子には欠かせない単語なのか、即座に食いついてきた金髪の少女に、小柄な男がクツクツと喉を鳴らして笑う。


「そ、純愛。リヒトランテの教義は『愛とは育む事。命を育む事こそ善行なり。』ってのと、もう一つ……

 『想う愛は唯一をもってよしとする。不貞を許すなかれ』……って感じだ。結婚はリヒトランテの神官が取り持つことも多い。」


「へぇ……あれ?でもそうなるともしかして……リヒトランテと師匠の信仰するマギアユグドって……。」


「お察しの通り、犬猿の仲……って程でもないが、リヒトランテの信者がマギアユグドの信者を嫌うってのは良くあるな。

 まあ、その辺はとりあえず置いといて……リヒトランテはふくよかな茶髪の女性で描かれる事が多い、あと宝石好きで有名だな。」


「へ、そうなの?」


「あと、硝子も好きらしい。供物や聖印は宝石や硝子細工がメインになるくらいだ。ただそれだと値段が酷いからな……

 牧畜やってる普通の信者は、綺麗に磨いた石や動物の角とかで細工を作って聖印にしてるらしいぜ?

 結婚指輪や婚約指輪に宝石が付いてる場合、大体は送り主がリヒトランテの信者だったりするな。」


「そうなのね……お父様やお婆様の指輪、見せてもらおっと。」


「んで次はマギガイアスか……地剛神マギガイアス、リヒトランテが宝石の女神なら、こっちは鉱石の神かね。

 黒い肌の逞しい偉丈夫の姿絵が主流で、金属に加工する前の鉱石や原石で作った聖印がよく使われる。」


「なんか、急に物々しくなったわね。……で、マギガイアスって何を司ってるの?」


「まあ、地剛神だから岩石だろ?あとは、忍耐だな……良くも悪くもマギガイアスの信者は求道者というか……

 『修行』とか『試練』とかいう単語が好きな奴が多い。まあ神様からしてそうなんだがな。」


「あぁ、神の試練……とか良く言うものね。っていうより……なんかストイック?」


「ん~……ストイック、っていうのかね、まあ近いっちゃ近いな。えぇっとマギガイアスの教義は確か……

 『耐え忍べ……苦難を乗り越える事こそが高みへと汝を導く』『衝動に従い、衝動を従えよ。耐えざるべきを耐えるは試練にあらず』だな。

 忍耐は大事だが、余計な我慢は体も心も毒よ……って感じか?だからまあ、ニコラの言うとおりストイックだが奔放な奴も多いな。」


「ん~……良くわかんないけど、あれね。無理なダイエットはダメ!……みたいな?」


「あぁ……まあ、そうだな。大体あってる……のか?そう言われると微妙にイメージ変わるが。

 そんなだから、主に信仰してるのはマギアブレイズと似たような戦士階級や、鉱石を扱う鍛冶職人や鉱山夫とかだな。」


「なるほどなるほど……同じ地面でも、リヒトランテが地面の上担当で、マギガイアスが地面の下担当みたいなイメージね。」


「そうそう、そんな感じだねぇ……言い得て妙だなそのイメージ。」


かりかりと書き進める少女のメモ書きもだいぶ溜まってきたところで……満足げに少女は頷いた。


「よし、これだけ資料があれば大丈夫ね!ありがとうございます、師匠!」


「はいよ、お疲れさん。」



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