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教えて?フロウ先生!―四の姫シリーズ解説短編―  作者: い~ぐる&十海&にゃんシロ
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11話「世界と神々7―金の神―」


「そんじゃ、次こそ金の神様に行くとするかねぇ。」


「はぁ~い……せっかく正解したのに。」


むす~っと頬を膨らませてみせる少女にクツリと喉を鳴らすように中年風貌が笑い、そっと指を伸ばす。

膨らんだ少女の頬をふにっ、と指先が触れれば、そのまま指で頬の空気を押し出した。


「うりっ」


「ぷふっ……って、師匠何するのよもうっ!」


「いやいや、むくれてるならこうするのがお約束だろ?」


「うぅ~……で、次は金の神様……リヒテンガルド様とマギアフロッド……だったっけ?」


「だな、どちらの神様もお金が絡む事もあって、商人の信者が割と多いのが特徴かね。」


そう説明するフロウに、何か引っかかりを感じたのかニコラが首を傾げると、長い金髪がユラリと揺れる。


「あれ?でもお父様の部下には、結構リヒテンガルド様の信者が多いけど…。」


「あ~、じゃあそれも含めてまずはリヒテンガルドから説明するか。リヒテンガルドは通称守護神。忠義と遵守を美徳とする神だ。

 聖印を盾を模したものが多いから、騎士の信者も多い。ただリヒテンガルドは同時に『黄金』と『契約』を象徴する神でもある。

 正当な契約とその遵守による利益を是とする一面は、商人達の神としても崇められてる……ってわけさね。

 教義は『黄金のように気高くあれ、鉄のように忠実であれ』『弱きを守る盾であれ、悪しきを砕く剣であれ』

 『堅く公正であることこそが黄金の利を産む』……だな、あと普通に金属を司るから、鍛冶職人の信者も多い。」


「ふむふむ、なるほど……マギアフロッドは?魔の神ってこう、公正とか遵守とかに縁遠いイメージを聞いてて感じるんだけど。」


続けて問いかけてくる少女の言葉に思わず苦笑いを浮かべる薬草師だが、概ねその通りなのでその言葉を咎めることもなく、話を進める。


「あぁ、マギアフロッド……運命神と呼ばれる女神で、白銀の輪を聖印とした、友情と運命を司る神だ。

 幸運も不運も含めた運勢を司るから、いわゆるギャンブラーや、一刻千金を狙う商人が信奉してることも多い。」


「運命の女神様がどーこーっていうけど、マギアフロッドの事だったのね……でもそれってやっぱり気まぐれそう。」


「ん~、そうでもねぇんだなこれが……つってもまあ、魔神の中ではって事になるが。マギアフロッドの教義はこうだ、

 『富も運も不確かなもの。繋ぎ止めたくば相応の努力をせよ。』『友愛とは白銀の輝きを放つ宝である。運命は絆の輪を以て好転すると知れ。』

 ってな……幸運も友情も、努力なしで手に入れようってのは甘い話だってか。……神様も世知辛いねぇ。」


「なるほど……でもそう考えると、魔神の教義もなんだかんだで色々と努力を推奨してるわよね。勝つためとか、好かれるためとか、結果は自分のためのものだけど……。」


「そうだな。秩序と自我、利他と利己……そこが聖神と魔神の主な違いかもしれねぇな。」


もったいぶったように小さく頷くフロウを見ていたニコラは、ふと聞き逃していたことを思い出して言葉を紡ぐ。


「そういえば、金の神々ってどんな似姿があるの?」


「っと、そういや言ってなかったな。リヒテンガルドは黄金の鎧に身を包んだ金髪の男、マギアフロッドは銀の鎧に身を包んだ銀髪の女だ。」


「……何か、キラキラしてるのね。」


「あ~……まあ、そうだな。」

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