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ep.1 「マツリカリヤ帝国」

とあるラジオ番組にて。


???

«皆さん、こんにちは。今回はかつて栄光を極めた不凍の国、マツリカリヤ帝国について軽ーく紹介していきます。»


«マツリカリヤ帝国は北に位置し、約300年に渡ってパトソル家により統治されていました。»


«建国されて以降、戦争に行けば必ず勝利し、今は正義の国として知られるソニャシニク含め、周辺国の領土を我がものにし、国力を強めていきました。»


«しかし、領土内の小さな独立軍に負けたことをきっかけに、マツリカリヤの栄光に綻びが生じてしまいます。»


«その敗戦を認めたくなかった最後の女王、ニコルはマツリカリヤ帝国の面子を保つため、周辺国に戦争を吹きかけていきます。»


«中でも、伝承でしか知りえない海底人の国に宣戦布告した事は世界中の笑い話として有名です。結局海底人は見つからず、徒労に終わったことは皆さんご存知のはずです。»


«戦争する度に負け、兵士は亡くなり、税金は高くなっていくため、貴族から農民まで皆王室に不満を募らせていきました。»


«そんな不満の種火が燃えだしたきっかけは無暴力デモに対する王室の対応でした。不作の年であるため粗末なものでも良いから食料を出して欲しいとわざわざ都までやってきた農民の訴えを、農民ごときが王に口出すとは何事かという理由で兵士に斬り殺されたのです。»


«その後、各地で反乱が発生し、その度に軍が鎮圧していきますが、なんと皮肉なことでしょう。当時軍学校の生徒だった、後に軍夫人と呼ばれるシモーネ率いる革命軍によって、悪政を敷き続けてきたニコル女王とその血を継ぐ家族は倒され、マツリカリヤは過去のものとなりました。»


«いかがだったでしょうか。やはりプライドが高いと身を滅ぼしてしまうのは、人も国も同じことなのですねえ。皆さんはこうならないように、謙虚に生きていきましょうね。»


«おおっと、そろそろ終わりの時間が近づいてまいりました。では次回、お会いしましょう。さようならー。»


(音楽が流れる。)


ナレーション

«この番組は、正確な時をあなたに。スリーシスターズの提供で、お送り致しました。»




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