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第6話 教授の甘言と、奈落への転落【中編】


 

 目を覚ますとそこは、紅茶の甘い香りも暖炉の温かさも消え失せた狭い空間だった。オークの鼻腔をくすぐるのは、金属の錆びた匂い。その大きな体躯は硬質な冷たい床に横たわり、背中には空気が張り付くような肌寒さを感じる。 


「んんぅ……」


 美琴は、重い瞼をゆっくりと持ち上げた。視界に映ったのは、薄暗く見慣れない天井だった。頭の芯がずきずきと痛み、泥の中に沈んでいたかのように体が重い、まるで全身が鉛にでもなったようだ。


 まだ霞の晴れない意識の中で、鼻先をくすぐる温かい毛並みと、クンクンと嗅ぎ回す柔らかい息遣いを感じた。それは、フェンリルのきららだった。


「みことちゃん、ひまりちゃん、起きてー! もうねんねはおしまいだよー!」


 きららの声は、先ほどまでの重苦しい沈黙を破り、美琴の意識を急速に現実へと引き戻す。その必死で不安げな響きに、美琴ははっと我に返った。


 美琴は自分が巨大なオークキングの姿だった事を思い出した。これでは身体が重いわけだ。慌てて体を起こそうとすると、頭痛がズキンと走り、体勢を崩しかけてしまう。腕が何かに触れて、無機質な金属の冷たい感触が指先に伝わった。


「ここ……どこ?」


 美琴は、懸命に状況を把握しようと周囲を見回した。そこは、薄暗くひんやりとした空間だった。じめりとした空気が肌を這い、そして目の前には、何本もの太い鉄格子が、まるで牢獄の様にはめ込まれていた。


 いや、寧ろ牢獄そのものだ、3人が閉じ込められたのは冷たい檻の中だった。


「あ、やっと起きた、みことちゃん! ひまりちゃんも起きて!」

「むにゃ……?」


 きららは、不安そうに美琴の腕に頭を擦り付けた。彼女の濡れた鼻先が、美琴の肌に触れる。きららの問いかけに、美琴の脳裏にあの時の出来事が鮮明に蘇った。


 フェリシア博士の研究所。温かい紅茶と、甘いクッキーの誘惑。最初は警戒していたものの、グレンが先に口にして、何事もないのを見て3人とも安堵して、美味しい紅茶とクッキーを食べた。そしてその後に襲ってきた抗い難い強烈な眠気。


 そうだ、私たちはフェリシア博士に騙されたんだ、そうハッキリと思い出した。


「まさか、あの紅茶とクッキーに睡眠薬が?」

「うーん、そうみたいだね、油断しちゃったね」


「あ、ひまりちゃん、おはよう!」

「うん、きらら、起こしてくれてありがと」


 美琴は自身の失態を嘆いた。警戒していた筈なのに、実に巧妙な罠だった。あの時の自分たちはあまりにも無防備だったと、悔恨の念が胸を締め付ける。


「いや、まさかあのタイミングで、いきなり裏切るとは思わなかったしー」

「これ多分あれだよね? 荷馬車の襲撃を助けた時に馬車で見た安眠ポーション、あの薬品を紅茶とクッキーに混ぜてたのかも?」


「あ、そうかも、確か甘い匂いだったから、クッキーの匂いと混じって、わたしやみことちゃんの嗅覚でも、判別がつかなかったのかも」

「ふっ、あの博士、小癪な真似をしてくれたわね、絶対に許さないわ!」


 美琴はそう言って、オークキングの巨体で鉄格子に手をかけ、渾身の力で揺さぶる。しかしその頑丈な檻はびくともしない。その額には脂汗が滲む。オークキングとしての渾身のパワーをもってしても、この鉄製の檻は全く動じない。


「ぐっ、ダメね、思った以上に頑丈な鉄格子で、歯が立たないわ」

「みことちゃんの腕力でも開かないんじゃ、どうにもならないよー」


 そして美琴の持っていた巨大な骨の棍棒も、いつの間にか無くなっていたので、どうやらフェリシア博士に没収されたようだ。


「ふむ、武器も取り上げられたようね、割と気に入ってたのに、取り戻したいわ」

「みこと、あれ気に入ってたんだ?」


「あのゴブリンキングも、なんか思った以上に大物だったみたいだよね」

「そうね、グレンが言ってたけど、あの財宝は商人の荷馬車を襲った収穫物みたいだし、巣窟の奥には配下のゴブリンもまだまだ居そうだったから、それを統率していたゴブリンキングは、確かに強敵だったわ」


「一般人からしたら、たとえ雑魚でも集団で襲って来るのは脅威だからね」

「ホブゴブリンとかは、荷馬車を襲ってた盗賊達よりも普通に強かったかも」


「ふむ、そう言えばグレンはどうしたのかしら? 紅茶を飲んだ後、一緒に倒れていたみたいだけど」

「うーん、あれもお芝居だったのかな? なんか今考えると先に紅茶とクッキーを食べて油断を誘って促す感じとか、露骨に誘導してた感じだったし」


「あー、確かに、今考えるとなんか胡散臭かったね、あの紅茶やクッキーは各自に配膳してたから、わたし達のにだけ仕組むことも可能だし」

「どっちみちこの場に居ない以上、油断ならないわね、取り敢えず此処から脱出する手段を考えましょう」


「そうだね、このままだと、あの博士のモルモットとして扱われそうだし」

「うん、わかった!」


 陽葵は自分たちの状況を把握する為に、檻の中から周囲を確認する。すると正面の奥の壁に、鍵が吊り下がり掛かっている事を発見した。


「あれ、あれ見て、なんか鍵が掛かってる、この牢屋の鍵かも!?」

「あ、本当だ、何であんな分かり易い場所に吊り下がってるの?」


 不造作に吊るされているその鍵は、まるで欲しければ取ってみろ、まあ無理だろうけど、とでも言わんばかりに、まるで3人に見せびらかせる様に掛かっていた。


「なんて慢心なの、それだけこの牢屋に自信があるのかしら?」

「でも本当に硬い鉄格子なんだよね、わたしも先に起きたから、噛み付いてみたけど牙が欠けちゃうくらい硬くて、ビクともしなかったの」


「うーん、きららと、みことでもダメなら、私じゃどうにもならそうだね」


 その時だった、カツカツを足音が聞こえ、三人の前にある人物が姿を現す。その正体は3人をこんな場所に閉じ込めた当の本人、フェリシア博士だった。

 柔らかな巻き髪に知的な眼鏡、そして口元に浮かぶのは、隠しきれない優越感に満ちた笑み。彼女はまるで舞台役者のように、大げさな身振りで語りかけてきた。


「あら、お目覚めのようね、わたくしの可愛らしい研究材料(モルモット)たち、随分とゆっくりお休みでしたこと、さぞかし良い夢でも視ていたのでしょうね」


 博士の言葉には、どこか小馬鹿にしたような響きが込められていた。

 3人はそんな博士の態度に、怒りを露わにする。


「ブヒィ! この裏切り者の外道! 私たちを騙したのね!」


 美琴が鉄格子に掴み掛かり叫び、低く轟くような声が地下室に響き渡る。きららも同調するかのように唸り声を上げ、陽葵も小さな体で博士を睨みつけた。


「ガルル! この嘘つき! ひどいよ、博士!」

「そうよ、何でこんな真似を、話が違うよ!」


「あらあら、やっぱり相当怒ってらっしゃるのね、でもわたくしの言い分も聞いて欲しいものですわ、これでも別に最初っから騙すつもりではなかったんですよ」


「何を言ってんのよ、あんな不意打ちみたいな事しておいて、白々しい!」

「ちなみにその檻はオリハルコン製ですわ、いくらミコトさんの強靭な筋力や膂力をもってしても破壊するのは不可能ですわ、無駄な抵抗はおやめなさい」


「オリハルコン!? 伝説の金属って云われるあの?」

「嘘でしょ!? なんて勿体無い使い方してるの!? 武器にするべきだよ!」


 きららと陽葵もその金属の希少性を知っていたようで唖然とする。しかし博士はそんな言葉など、耳にも入ってないと言わんばかりに優雅な仕草で3人を見下す。

 彼女は手にした小さな瓶を揺らし、弄びしながら満足げに語り始めた。


「やはり私の作った安眠ポーションは効果抜群でしたわ、それにしても3人とも、特にわたくしの事を最初からずっと警戒していたミコトさんが、あんなにも簡単に罠に嵌るとは思いませんでしたわ、まあグレンが先に試飲してくれたから、油断してくれたのでしょうけど」


 3人が予想した通り、やはりあの安眠ポーションが紅茶とクッキーに仕込まれていたようだ。既に予想してたのでそこまでの驚きはないが、食えない性格だ。


 そして博士の言葉に、美琴はハッとした表情を浮かべる。グレンはやはり、自分たちを油断させる為に芝居をしていたのだろうか? 彼女はこの場にグレンの姿がないことに気が付き、彼も博士の協力者だったのかと疑念を抱く。


「そうだ、グレンは? 彼もあの紅茶で眠らされていたはずよ、まさか彼もあなたに利用されたとでも言うのかしら?」


 美琴が問い詰めると、博士はにこやかに口元に指を当てた。


「さあ、どうかしらね、まあ彼が私を裏切る事はないわ、利害が一致してる協力者とでも言っておきましょうか、彼とはあくまで対等な立場、ただし私が彼等に害を及ぼさない限り、彼も私に手出しはしない、そんなところですわ」


 博士の言葉に、美琴たちは更に憤る。オークキングの巨体で再び檻を揺らすが、やっぱりびくともしない。その強度な檻が博士の慢心を裏付けていた。


「フェリシア博士、いったい何でこんな馬鹿な真似をしたのかしら? こんな不遇な扱いをして、私たちが大人しく協力するとでも思っているの? せっかく交渉を自ら破綻させて、どう言うつもり?」


「確かに、せっかく協力するって言ってるのに、何でこんな真似したんだろ?」

「そうだよー、きらら達だって、別に協力を拒否していたって訳でもないのに」


 3人がそう論破すると、フェリシア博士は何とも言い難い渋い表情を浮かべた。そして、その瞳はうっすらと涙目になっていた。


「だって、だって、たったの三日間じゃ、あなた方の生態を調べ尽くすなんて無理なんですもの! もっともっと時間が欲しいのですわ、なのにミコトさんがあんな強引な交渉をしてくるから、わたくしも強行手段を用いただけですわ!」


 博士はそう言って、まるで子どもが言い訳をするかのように口を尖らせた 。


「それにこれは私の夢の為、人は夢を追うもの、そしてその夢を叶える為に行動した者が、それを実現させるのですわ、どんな夢でも最後まで諦めずに、実行してこそ初めて成果を得られるものです、行動の伴わない夢に価値なんて無いですわ!」


 彼女はまるで、どこかの偉人の格言のような言葉を熱く語った。


「ねぇ、ねぇ、博士の夢って、なぁに?」

「偉大な発明家になるとか、スゴい魔道具を作るとか?」


 きららと陽葵がそう尋ねると、フェリシア博士は胸を張り、得意げに答えた。


「わたくしの夢は、ドラゴンにも負けない史上最強のキメラを作ることですわ!」

「……は?」


「強靭な肉体と完全な理性を有し、私の命令に逆らわず完璧に従うキメラ、そしていずれはこの国を牛耳り、最終的な目標はもちろん世界征服ですわ!」

「えぇ……」


 まるで子供が考えた『ぼくの考えた最強の生物』的な夢を意気揚々と語り、更には世界征服がしたい、など本気で語る博士に対して、3人は呆れた顔をした。


「あ、なんですのその顔は!?」

「いや、だって、ねえ?」


「う、うん、ちょっと何言ってるのか分からない」

「ブモー! そんなくだらない夜迷言の為にこんな愚かな事をしたと言うの!?」


「ちょっと! 全然くだらなくなんてないですわ! この崇高な野望が貴女たちには分からないのかしら? あの理想を語るばかりで行動が伴わない王都の研究者を気取った馬鹿どものように、しかし、わたくしは違いますわ! 幼い頃に思い描いた夢を実現する為に、主要な工程や目標を示したロードマップを作成して、それに必要な行動をしている、そして私の夢を実現する為には、あなた方のような素晴らしい『研究材料』が必要不可欠なのですわ!」


 博士は熱弁を振るい、3人に目線を向けた。


「そうそう、ミコトさんの持っていた巨骨の棍棒も、研究材料として回収させてもらいましたわ、わたくしとした事が、まさかあの素材がドラゴンの大腿骨『竜骨』だという事に気づかないなんて! ここまでの道中に何度も見てたのに、研究者としてあるまじき失態! あの骨は、私の夢を叶える為の最上級の素材ですわ!」

「え、そうなの!? あれドラゴンの骨!?」


「嘘でしょ、なんでゴブリンなんかが持ってたの?」

「あ、そうだわ、私の武器を勝手に奪ったわね、返しなさいよ!」


「いやですわ、あれはもうわたくしのものですわ!」


 きららと陽葵は驚きの声を上げた。あの巣窟にいたゴブリンキングが武器として振り回していたものが、そんな貴重なものだったとは思いもしなかった様子だ。

 そして美琴は、博士の盗人たけだけしい態度に対して、普通に憤慨した。


「ふざけた事を言ってるんじゃないわよ、この女狐の泥棒が!!」

「ふ、ふん、何を言ってるのかしら、あの骨の価値も理解してない無能なくせに、どのみちこの牢獄からは出られないわ、その反骨精神がどこまで続くか見ものね」


「カチーン!」


 その台詞は、美琴たちの心に火をつけた。騙し討ちによる自分たちに対する不当な扱いへの怒りで、美琴は烈火の如く憤慨して、威圧的なオーラを放つ。


「ブヒィィィイ!!」

「ひ、ヒィ!?」


 ドォン! と、オークキングの美琴が、思いっきり鉄格子に体当たりをすると、地下室が微かに震える。しかしオリハルコン製の檻はびくともしない。美琴はそれでも諦めずに鉄格子を掴み、全力で目の前の檻をこじ開けようとした。


「ブモォォォオ!!」

「や、やめなさい、そんなことしても無駄ですわ」


「いいぞー、みことちゃん!」

「がーんばれ、がーんばれ!」


「え、うそ、微妙に隙間が広がった!? ちょっと、待ってください!?」

「ブヒィィイイ!! グギギギギッ……」


 しかしそこまでだった。ほんの少しだけ鉄格子の隙間が開いたが、オークキングの力を持ってしてもオリハルコン製の鉄格子が壊れることはなかった。


「ハァ、ハァ、だ、ダメだわ、これ以上は開かない、ブヒィ!」

「ええ、そんなー!」


 美琴は絶望的な表情で鉄格子から手を離した。きららの落胆の声が響き、陽葵も呆然と目の前に佇む強固な鉄格子を見上げていた。


 大粒の汗を掻き、荒く鼻息を立てて、美琴は乱れた息を整える。


 フェリシア博士は、思わぬ反抗に焦燥感に駆られ、涙目になっていたが、そんな彼女達の様子を見て余裕を取り戻したのか、口元に歪んだ笑みを浮かべる。


「ふふん、まだまだ元気なようですね、でしたらまずは、その心を折って差し上げますわ、暫くの間食事を与えず、泣き言を漏らすのを待つとしますわ、今の自分の立場をまずは理解することね!」

「ブヒィ!? 食事抜きですって!? そんな!!」


 美琴はその言葉に、顔面蒼白となる。


「みことちゃんに食事を与えないなんて拷問だよ!」

「なんて酷い、それでも血の通った人間なの!?」


「ふっ、あなた達が協力的になるなら、今よりは優遇した生活を約束するわ、研究に専念できる最高の環境も用意しましょう、あなた方は私の夢を叶える為のかけがえのない存在なのですから、でも私は反抗的な子は嫌いなの、何が最善の選択か、その人並みの知能でよく考えることね」


 博士は諭すように語りかけてきた。言ってる事はめちゃくちゃなのに、その言葉には悪意がないように感じた。つまりは自分が『悪』だとは考えていないのだ。


 そして勝ち誇ったかのように、くるりと踵を返し、背を向けて歩き出した。

 3人は唖然とした表情で、博士のその後ろ姿を見送る。


 そうして博士は地下室の奥へと去っていった。その足音は徐々に遠ざかり、やがて完全に聞こえなくなった。3人はひとまずの猶予を得たことに安堵しつつも、この絶望的な状況に打ちひしがれる。


「……ふぅ、フェリシア博士、思った以上にヤバい奴だったわね」

「うん、やっぱり狂気のマッドサイエンティストだったんだよ」


「なんか、言ってる事もやってる事も、非論理的な感じだよね」

 

 フェリシア博士が去り、地下室には再びひっそりとした沈黙が戻っていた。そして美琴はふと、胃袋のあたりから込み上げてくる、本能の訴えに気がつく。

 

 ぐきゅるるるぅぅ


 空腹を感じた瞬間、オークの腹の虫はフーリガンの如く抗議の合唱を始めた。


「ブヒィ……何か食べたいわね、それにしてもこんな目に遭わされてるってのに、このオークキングの身体は食欲に対して、どこまでも貪欲で正直ね」


 美琴は、恥ずかしげもなく鳴り響くお腹を抑え、情けない声を漏らした。この燃費の悪い巨体では、食事抜きは致命的だ。


「実際、どのくらい寝てたんだろう? 時計もないから時刻が分からないね」

「ふっ、この腹具合からすると、三時間くらいは経ってるわね」


「思ったよりも経ってなかったね、夕方ごろってところかな?」

「あっ、食べ物なら私の空間収納に、昨日の熊肉の残りがまだ残ってるよ! 食べきれなかった調理済みのハングリーグリズリーの塊肉とかもそのまま入れてたし、それに道中に森で拾った果物や木の実も、私が収納してたんだった!」


 陽葵が元気に手を挙げた。そのセリフに美琴の目が輝く。空腹という現実に打ちひしがれかけていたオークキングは、たちまち希望を取り戻した。


「そうだった! ひまりちゃんには空間収納の魔法があるんだったね」

「あの博士、何て間抜けなのかしら、一緒の道中でその事は知ってたはずなのに、兵糧攻めとかまるっきり無意味じゃない」


「まあ、長期間を見越して監禁されると、どうにもならないけど、取り敢えずいくつか出すね、今のうちに食べて体力とお腹を満たそう」

「わーい、賛成!」


 そう言って陽葵は、まだ温かい湯気の立ち上がる調理された蜂蜜ソースのかかった熊肉のステーキや、美味しそうな果物や木の実を、どっさりと取り出した。


「いただきまーす!」


 3人はフェリシア博士のドジっ子ぶりに感謝しつつ、ガツガツと食べた。オークキングの腹の虫も、歓喜の声をあげて満足している様子だ。


「ふー、取り敢えず落ち着いたね」

「ハァ、本当に食事抜きだったら一日で根を上げていたわ」


「でもどうしよう、これから……」

「あ、それなんだけどさ、私、ちょっと思い付いたんだけどさ」


 ひとまず食料の不安が解消されたところで、陽葵が提案してきた。


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