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体育祭2

「ねえ、何か楽しいことでもあった?」

午前中の競技が全て終わり、昼休憩の最中。

蓮見がおにぎりを頬張りながら聞いた。

低学年で埋まってしまう食堂を避けるために、私たちは旧生徒会室に来ていた。長テーブルの上には食堂の従業員が特別に運んで来てくれたランチメニューがずらりと並んでいた。

「面白いものが見れたわ」

思い出し笑いをしながら、私はサンドイッチにかぶりついた。

「あ!お前。バスケの応援来てねぇだろ!絶対来いって言ったのに!俺の雄姿を見に!」

前に座っていた榊が、いきなり叫んだ。

「見に行ったわよ」

「嘘つけ!探したけどいなかったぞ!なあ?」

榊は右隣に座っている蓮見の方を見た。

「俺も見かけてないな~。上にいた?」

「ええ。ただ人が多くて・・・。端の方にいたから見えなかったのかも」

榊は疑わしそうな顔をして私を見ている。

「じゃあ、優勝は?どこがした?」

その質問に、私は言葉に詰まった。確かに体育館にはいたが、ちゃんと試合を見ていたのは前半戦だけだ。

「えーっと…3-B?」

「俺たちだわ!3-A!接戦だったんだぞ。最後に俺が3ポイントシュートを入れて…」

そこまで言って榊は、掴んだエビフライを私の方に向けた。

「正直に言え。見に来てないだろ。俺の雄姿を逃しただろ」

「本当に行ったわよ。タオルのことも知っているもの」

そこで榊と蓮見が顔を見合わせた。

「タオルって?」

私の右隣にいた五十嵐が聞いた。低血圧という理由を付けて午前中はずっと保健室で寝ていた五十嵐は、もちろん体育館には来ていなかった。

「1年だか2年の女子が、天城に向かってタオルを投げたんだよ。手渡しではなく二階席から投げるという、今時珍しいパフォーマンス」

完全に面白がっている榊が笑いながら言った。

「可哀想に誰も拾ってあげなかったのよ。あの子、泣いてたわよ」

温かい紅茶をすすりながら、私は言った。

「海斗、なんで拾わなかったの?」

五十嵐はソファーの背もたれに寄りかかり、私の左隣にいる天城に声をかけた。

しばらく無言で唐揚げを食べていた天城だが、それを飲み込むと静かに言った。

「気持ち悪い」

その冷たい物言いに、ふと少し前の天城を思い出した。

(私も散々、コイツに拒絶されたっけな~)

自分が気を許した人以外は全く自分の懐に入れず、無理やり関わって来る人物に対しては拒絶反応を起こす彼を。

「出た。海斗の食わず嫌い」

蓮見がやれやれと首を振った。

「食わず嫌い?」

口の中いっぱいにサンドイッチを詰め込みながら、榊が聞いた。

「知らない人と関わることを極端に嫌うんだよね、昔から」

「一種の防御反応かもね」

私はぼそりと呟き、手元のカップに視線を落とした。

天城の極度の拒絶に辟易していたものの、理解は出来る。

大学時代、仲良くしていた友人に裏切られ、しばらく立ち直れなかった記憶を未だに覚えていた。それがトラウマとなり、誰のことも信用できず、自分から壁を作っていた数年間。裏切られて苦しむくらいなら、最初から一人でいた方がいい。しかし、その期間が長すぎて、新しく友達を作る方法が分からなくなっていた。一人は寂しいのに、それを言える相手もいない。社会人になり、白石透に転生するまでその状況は続いた。

(いや、ほんと。私に友達が出来る日が来るなんてね・・・)

朝から止まらない伊坂と未央のラインを思い出して、笑みが零れた。

ふと皆の視線を感じて顔を上げると、ぽかんとしている蓮見と榊の顔があった。

「何・・・?私、何か変なことでも言った?」

蓮見が首を横に振った。

「いや。白石ちゃんが、まさか海斗の性格に理解を示すなんて思わなかったから」

「伊達に年食ってねぇな!」

榊が親指を上げた。

「大人って言って」

「さすが姉御!」蓮見も榊に倣って親指を上げている。

「姉御ってのはやめようか」

それから、天城の方を見た。

「タオルの彼女、天城のこと優しいって言ってた。なのに、あの対応はちょっと冷たい気がする」

「海斗が優しい?」

真っ先に五十嵐が反応した。

壮真そうまのことじゃなくて?」

「俺のことじゃなくて?」蓮見が便乗する。

「確かに。優しい天城なんて、全く想像できねぇんだけど!」

榊も眉を寄せている。

皆言いたい放題である。本人は全く気にしていないのか、無表情のままおにぎりを食べている。

「アクシデントで彼女が飲み物をかけちゃった時、弁償するって言っても大丈夫って断ったとか…」

私がそこまで言うと、蓮見が「ああ!」と声を上げた。

「あの麦茶の子ね!俺も覚えてる!」

愉快そうに蓮見は手を叩いた。

「確かに海斗は「気にするな」って言ってたけど。あれはね~。海斗の優しさって言うより、その場から逃げ出したくて言った言葉って感じ。弁償しますって、凄くしつこかったからね」

「ああ、あの時の」

隣で五十嵐が思い出したように言った。

「まるで映画のワンシーンのように海斗にぶつかってた子だよね」

「そうそう!転び方も華麗だった」

「ってことは何?ワザと?」

榊が聞くと、蓮見は肩をすくめた。

「さあ、ワザとなのか本当に転んだのかどうかは分からないけど。とりあえず、海斗の制服を脱がしかねない勢いだったから、弁償はいいからって逃げた覚えはある」

「まあ、ワザとの子もよくいるからね」

五十嵐がため息を吐いた。

そんな裏話を聞いて少し天城のことが気の毒になった。自分を追いかけてくる女子に対して冷たい態度を取る理由もほんの少しだけ、理解ができた。

「人気者は大変だな」

人気とはほど遠い榊が、他人事のように言った。

転校して来てからバスケの腕が認められ、同性にはある程度好かれているが、女子となるとみんな榊を避ける。未だに榊を本気で不良だと思っている生徒も少なくない。本人としては、見た目が少し派手なだけで不良の要素はゼロだから、陰でそう言われているのはとても不満らしい。

「人気者になってもいいことないよ。物とかなくなるし、練習してる時にのぞき見されるし。集中出来ないから、本当にやめてほしい」

五十嵐が少し苛立ったように頭を振った。

ピアノの練習しているところを見たと言っていた女子がいたことを思い出す。あれはたまたま見かけたのではなく、のぞきになるのか。

「確かに、物はなくなるね。あと隠し撮りも多い」

蓮見が同感というように頷いた。

「何それ怖っ!」

榊が顔をしかめた。

「お前は、嫌われていて羨ましいよ」

蓮見が榊の肩をぽんと叩いた。

「嫌われ者の物も消えるわよ」

私は片方の眉を上げて言った。

榊と蓮見がわざとらしく息を呑むのが分かった。

忘れもしない。ロッカーに鍵を付ける前は、筆記用具も教科書も何度もなくなった。外に投げ捨てられるだけでなく、池に落とされていたこともあった。

「そうだった!白石ちゃんって、学校一の嫌われ者だった!」

哀れみの顔をこちらに向けて蓮見が言った。

「一言多いのよ、あなたは」

「俺が来るまで友人もいなかったしな」

「一人いたわ」

「よしよし。僕たちがいるから、もう大丈夫だよ」

隣に座っている五十嵐が私の頭を撫でた。

「殴るわよ」

その時、次の種目が始まるという校内アナウンスが流れた。いつの間にかお昼休憩が終わるチャイムが鳴っていたらしい。

榊が伸びをしながら、立ちあがった。

「次のは人気者には辛い種目だな」

「なに?」

これから寝ようとしている五十嵐は、ソファーの背もたれにあった毛布を自分にかけている。

榊はにやりと笑った。

「借り物競争」

「ああ~…」

室内に重苦しい沈黙が流れた。



太陽が西に傾き始めた頃、最後の競技であるクラス対抗リレーが開始された。一昨年と同じく、一番盛り上がるリレーを見ようと大勢の生徒がグラウンドに詰め寄っていた。選手たちは、グラウンドのスタート地点に集まり、準備運動を始めている。

「そろそろ始まりますので、選手以外は応援席に戻って下さい」

アナウンスの声が聞こえ、私は辺りを見渡した。藤堂が同じ3-Bのゼッケンを着けたクラスの男子と楽しそうに話しているのが見えた。しかし、アナウンスを聞くとひまわりのような可愛い笑顔を男子に向け、足取り軽く応援席へと向かって行った。

(あの笑顔にやられた一人か…)

その3-Bの男子生徒は、藤堂が去ったあともどこかにやけていた。

「おい」

天城が隣にやって来た。アンカーのたすきをかけ、無表情のまま私を見つめてくる。

「なに?」

体を動かし、ウォーミングアップをしながら私は聞いた。

「お前は、旭が好きなのか?」

天城の口から突拍子のない質問が飛び出し、私は目を丸くした。

「はい?」

「さっき、借り物競争の時、旭を連れてきただろ」

「ああ…」

リレーの少し前に終わった借り物競争のことを思い出す。自分が拾った紙を見てすぐ、私は五十嵐を連れて来た。

「紙には何て書いてあった?」

「凄い能力を持った人、だったかな」

「なんで旭を選んだ?」

不満そうに腕を組んでいる。

そうこう話している内に、リレーが開始したのか、周りは歓声に包まれた。しかし、そんな盛り上がりも全く気に留めた様子のない天城は、私だけを真っ直ぐ見つめてくる。

「彼は音楽の才能が凄いじゃない。それに…、暇そうだったし」

この紙を引いた時、真っ先に思い浮かべたのは妹のまどかだった。しかし、彼女を連れて来るのは無理だ。すぐさま、学校一嫌われている自分が誘っても来てくれそうな人物を思い浮かべた時、いつものメンバーしかいなかった。その中で競技に参加せず、暇であろう五十嵐を無難に選んだだけだ。

「俺も暇だったけど」

確かに天城も借り物競争には参加していなかった。しかし彼を選べるはずがない。

「いや、あなたは無理でしょう」

私は言葉に詰まった。

「俺には凄い才能がないって言いたいの?」

言葉の端々に苛立ちを含めながら天城が言った。

「あなたは忙しいと思って…」

「は?なんで?」

「他の生徒に呼ばれると思ったから。前みたいに、ほら」

思い出させるように手で促す。

「好きな人とか、尊敬する人とか。そういう相手を探している女子が沢山いるかなと思って」

「それで?いるかも分からない奴らに、ご丁寧に俺を譲ったと?」

今や完全に怒っている天城が私を問い詰める。

「譲ったと言うか、遠慮したと言うか…」

迫力に負け、自分の声がどんどん小さくなっていくのが分かった。

「あの、何で怒っているの?」

いきなり顔を背けた天城に私は聞いた。

「怒ってない」

「いや、怒ってるでしょ…」

怒ってないと言い張る天城はまるでオモチャが貰えなくて拗ねている子供のようだ。思わず、くすりと笑みが漏れた。それを見た天城の眉間が更に深くなった。

「次だぞ」

短くそれだけ言うと私の背中を押した。

「行って来ま~す」

高校生活最後の楽しい時間がこれで終わりかと思うと寂しいものがある。しかしその分、ここで十分に発散させて、人生初めて真剣に向き合う大学受験に臨もう。

私は白いラインに並び、選手たちの動きを目で追った。トップを走っているのは、3―Bだ。すぐ後ろから3-Aが全力で追い上げて来ているものの、距離は縮まらない。少し離れて3-Cと3-Dが続いている。3-Bの応援席がずっと沸いているのは、総合点数で、僅差で負けている3-Aにこのリレーで必ず勝ち、優勝を目指しているからだろう。

「白石さん!」

クラスメートからのバトンを受け取り、私は勢いよく走り始めた。心臓が、血液が、全ての臓器がまるで水を得た魚のように生き生きしてくるのが分かった。周囲の歓声の声が静まり返り、自分の呼吸だけが聞こえる。すぐ前にいる、高身長で体格も良い3-Bの背中に追いついて来た。

(あと少し…!)

足に力を込め、更にスピードを速めた。とうとう3-Bの選手に並んだ時、隣で男子が「チッ」と舌打ちをするのが聞こえた。その生徒が、先ほど藤堂と話していた人だと気付いた時にはもう遅かった。追い越す寸前に思い切り肩にぶつかられ、私はその勢いで横に吹っ飛んだ。

思いっきり、地面に体を叩きつけられ、一瞬息が止まった。しかし、体中を巡るアドレナリンのおかげで、全く痛みは感じない。私はすぐさま、立ち上がりコースに戻ると、彼の背中目がけて走り始めた。しかしどう頑張っても開いた距離を縮めることが出来ず、とうとうバトンを待つ天城の姿が見えて来た。

「…ごめん」

バトンを渡しながら、焼け付く喉の奥から呟いた。

「任せろ」

天城はそう短く言うと、風のように走り始めた。

私は邪魔にならないようにコースから外れ、天城の姿を目で追った。酸欠で頭がクラクラする。しかし、走り出した途端、スピードが徐々に上がっていく彼の姿から目が離せなかった。会場の声がどんどん大きくなり、悲鳴に似た歓声がグラウンドを包んでいた。もはや3-B対3-Aの勝負の行方を見守っている生徒しかいない。3-Bとの差は歴然としており、もう追い越すのは難しいと思われたが、天城にバトンが渡った瞬間に空気が変わった。

私は全力で走る二人の距離がどんどん縮まるのを、手に汗を握りながら見守っていた。彼の姿が小さくなり、そして大きくなって来た。とうとう天城が3-Bに並んだのが見えた。苦しそうに顔を歪めている3―Bの生徒は天城に抜かれないように必死に走っている。しかし、疲れている様子を全く見せない天城は、ゴール手前になってとうとう彼を追い越した。そしてそのまま見事ゴールを果たした。

会場が割れんばかりの拍手と叫び声で溢れかえった。応援席から、雪崩のように生徒たちが飛び出して来る。

その流れに追いつかれる前に、私は無心で天城に駆け寄り抱き着いていた。

「やってくれたわね!」

「今回はお怒りなし?」

肩で荒く呼吸をしている天城がにやりと笑った。一瞬、疑問符が浮かんだが、一昨年、ゴール直前で手を抜いた天城に怒り狂って飛びかかろうとした自分を思い出した。

「今回は合格」

私もつられて笑いながら天城から離れようとすると、ぐいっと体を引き寄せられた。

「これも凄い才能じゃないの?」

アドレナリンが出ているせいか、いつもより楽しそうな天城に心臓が爆発しそうだ。どう返答しようかと思っている間に、蓮見が天城の背中に飛びついた。その拍子に腕が外れ、その隙に逃げ出した。

「海斗―!お前、かっこよすぎ!俺、泣いたよ~」

「…重い」

「天城、俺はお前を見直した!」

榊も駆け寄って、天城の頭を乱暴に撫でている。

「本気で走ると、本当に速いのな。お前!」

未だに天城の背中におぶさりながら蓮見は鼻声で言った。泣いたというのは本当らしい。

「そうだ!白石ちゃん!怪我ない?」

そう聞かれ、どこかしこに痛みが戻ってきた。

「本当に最低な奴だな、アイツ。懲らしめてやる」

歯ぎしりしながら、榊が辺りを見渡した。しかし辺りは、応援席から駆け付けた生徒たちでごった返している。もはや誰がどの学年なのか、どのクラスかも分からない。

そして少し目を離した隙に、天城と蓮見は大勢の生徒に囲まれていた。

「先輩!走る姿、凄くかっこよかったです!」

「一緒に写真撮ってください!」

どんどん後ろに押され、私と榊はとうとう輪の外へ追い出された。

まるで芸能人に群がるファンさながらに、歓喜と狂気に包まれている。この光景を初めて見た榊は、唖然としていた。

「…透。保健室行くか」

「そうね」

私たちはしばらくの間、呆然と目の前の光景を眺めていたが、校舎に向かって歩き始めた。


嬉しいことに普段から鍛えているおかげで、軽い怪我で済んだ。突き飛ばされた時、咄嗟に受け身の姿勢になったせいか、左手首に捻挫をしてしまったが、しばらく安静にしていれば問題なさそうだ。保健室で念入りに手当てをしてもらい、汗ふきシートを5枚ほど使い切ってすっきりした時、五十嵐がノックをして入ってきた。

「終わった?」

「ええ。今、帰るところ」

私は鞄を背負い、保健室の先生にお礼を言うと五十嵐の後ろについて校門へと向かった。

いつも待っている平松の車はなく、五十嵐の運転手だけが待機していた。生徒たちはまだ後夜祭があるため学校内にいる。その為、門の外にいるのは私たちだけだった。

(早すぎたかな…)

私は鞄からスマホを取り出し、迎えに来てくれるよう連絡を入れようとしていると五十嵐が手首を掴んだ。

「何しているの?」

「車を呼ぼうと…」

「何言ってるの。ほら、乗って」

天城、蓮見、榊の三人は既に車の中で待機している。

「え?」

背中を押す五十嵐に私は戸惑いを隠せない。

「忘れた?これからカラオケでしょ」

「あ…」

(そうだった。忘れてた・・・)

帰ったらシャワーを浴びて少し寝ようと考えていた私は、慌てて言った。

「キャンセル出来るかしら?私、怪我人だし。汗もかいてるし…」

車に乗る手前で苦し紛れに言ったが、五十嵐は首を振った。

「大丈夫、気にしない。それに右手は生きてるでしょ」

聞く耳を持たない五十嵐はそう言うと、私を無理やり車内へ押し込んだ。

(少し付き合ってから、さっさと帰ろう)

車内すし詰め状態で、私たちはカラオケに向かった。


カラオケに行きたいと言い出した本人は、聞く専門のようで皆の歌を聞きながら楽しんでいた。意外だったのは、榊が自分で豪語するくらい歌が上手かったことだ。バラードを歌わせたら右に出るものはいない、という彼の自慢もあながち嘘ではなさそうだ。あまり乗り気でない天城も、五十嵐が言う通り人並みの歌唱力だった。そして、目玉である蓮見はと言うと、採点機能がエラーを起こすほどの音痴っぷりだった。

皆が笑いすぎで過呼吸を起こしている中、嫌だと言い続けたにも関わらず、私の番となってしまった。久しぶりのカラオケに緊張したが、気持ちよく歌えたし、出来栄えはそこまで悪くなかったと思う。聞いていた全員が、笑うのを止め、静まり返った程だから、手ごたえも良かったに違いない。

しかしその夜、最強の音痴王の座に輝いたのは、なぜか私だった。

そして、皆に懇願され、私だけ早く帰されることとなった。

(結果オーライなのに、なんか腑に落ちん・・・)

帰りの車の中で、私は少しモヤモヤしていた。



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