秋澄めど
見上げた先に広がる昏い海の水面には
未だここは夢の中と言いたげに
まばゆく輝く星が一つ
浮かんでいる
けれど夢の終わりは
赤い波と共に押し寄せてくる
辺りを包み込む白無垢は
陽の温もりに合わせて
少しずつ薄れていく
小鳥の声と共に甲高い声が響き
ざざんと打ち寄せた波音をたてて
鳥たちが飛び立った
大きく羽ばたいた翼は
空に広がる赤い波に代わって
自らが空を支配するとでもいうように
真っ白な雲のように広がる
白い泡をたてた波が
空へと帰っていく
ほおほおと鳴く
夜の主に似せた声
去ってしまった空を見上げても
飛び立ったはずの白い翼は
白い雲になってしまって
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朝はまだ
行きし日に満ち
くすむ無垢
せめて消せて
夜音の遠音
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本作は、最後の短歌を軸に構成していますが
その最後の短歌も
一行目はあ行のみ
二行目はい行のみとなるよう構成しているため
どこかしら違和感のある作品となってしまっています。
申し訳ありません。