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【第4巻10/24発売!】高校時代に傲慢だった女王様との同棲生活は意外と居心地が悪くない  作者: ミソネタ・ドザえもん
蚊帳の外の女王様

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林恵にバイクは買えない

皆様お久しぶりです。

ミネソタ・ドザえもんです。

あまりに久々の更新過ぎて、もう皆さんはこんな話あったなー、超久々に更新されているじゃん、くらいに思っているでしょう。


私もです。

 しばらく、あたし達の間に言葉はなかった。

 あたしは、いきなり手のひら返しを見せた自分の面の皮の厚さに恥ずかしさを覚え……。

 寧々という子は、好転しそうな状況にちょっと目を輝かせて……。


「はぁぁぁああ……」


 山本は、深いため息を吐いていた。

 一応、山本との付き合いももう短くないわけだし、こいつがなんでこんな深いため息を吐いたか。吐きたくなかったのか。それは大体、想像が付く。


「買わないからな?」


 山本が言った。

 色々言いたいことはあったのだろうが……全てを飲み込んだ上で、あたしを諦めさせるためだけの言葉だった。


「何でよ」


「お前だって反対してたじゃないか」


「それは……ちっさいこと気にしない。男でしょ?」


「男とか女とか関係ないだろ。ダブルスタンダードな発言を突っ込んでいるだけじゃねえか」


 実に正論。

 なんとも面白みにかける、空気の読めない山本らしい、ただの正論だった。


 ……何よぅ。

 そんなに正論パンチをかまさなくたっていいじゃない。

 あたしはただ、山本のため(と言い訳をしているが、あくまで自分のため)を思って、山本にバイクを買ったら、と勧めているだけなのに……。


 とはいえ、こうなってしまった山本が強情であることは、これまでの山本との付き合いを鑑みればわかること。

 ただ買ってよー、と子供のように地団太を踏んでも、山本は絶対にバイクは買ってくれないだろう。


 となれば、あたしがするべきことは、少しでも山本がバイクを買いたくなるように、購買意欲を煽ること。


 こうなったら!

 山本にバイクの良さをこれでもかと伝えてやる……っ!


「今って、燃費の良いバイクもあるみたいだし、意外とお財布に優しいかもよ?」


「それさっき聞いた」


「スリップとか危ないイメージあるけど、安全運転を心がければ大丈夫みたい」


「それもさっき聞いた」


「か、カスタムパーツの値段もぴんきりだし、消費者金融のお世話にギリギリならない出費で済むはず!」


「だからそれも聞いたんだって!」


 くそう!

 あたしのバイク知識が、五分前山本と一緒に寧々という子から聞いたものしかない!

 

「そもそも、消費者金融のお世話になる手前なら駄目じゃねえか!」


 それはさっきあたしも思った!


 ヤバい……。

 ヤバいよ……。

 

 このままだと山本がバイクを買う気がなくなってしまう!(そもそもない)


 どうしよう。どうしよう。

 あたしはおろおろとしだした。


 今のままでは山本にバイクの良さを伝えることが出来ない。

 でも、あたしには山本にバイクの良さを伝えるだけの知識がない。


 あたしじゃ無理だ。

 今のあたしじゃ……山本を説得するのは無理だ。


 どうすれば……。


 ふと、視界の端に飛び込んだのは。


 突然態度を翻したあたしを、目を丸くしてみている寧々という子の姿だった。


「ね、ねえ、あんたも山本を説得してよ!」


 あたしは友達でもない寧々という子を頼った。

 

「えぇ!?」


「お願い! 今はあんたのバイク知識が必要なの……!」


「そ、そんな……」


 寧々という子は俯いた。


「でもあたし、さっき山本君を説得させられませんでしたし……」


「大丈夫! あいつ意外と押しに弱いから」


「おい」


「でも……最終的には電車の方が良いとか言い出すし」


「電車が好きなんて決まったレールの上しか走れない男の戯言よ」


「SNSとかで発信したら炎上しそうなこと言ってる」


 山本は呆れ顔で突っ込んだ。

 まあ、我ながら酷い言い振りであることは認める。

 でも今、あたしは世間体や恥や外聞を捨てれる程、形振り構っていなかった。


「……林さん、本気で山本君にバイクを買ってもらいたいと思ってるんですか?」


 唐突に、寧々という子が真剣なまなざしをあたしに向けた。

 嘘偽りを許さないといった、そんなまなざしだった。


 さっきまで、散々寧々という子を威圧してきたあたしだったのに……彼女のまなざしに、少しだけ気圧されてしまった。

 今のあたしは、正直邪な感情で山本にバイクを買わせようとしている。

 寧々という子のまなざしは、そんなあたしの感情を断罪しているようにも見えた。


 でも、もう後には引けないと思った。


「思ってるよ」


 だってあたしは、山本の運転するバイクで二人乗りがしたいから……っ!


「……そう、なんですね」


「うん。あたし、本気だよ」


「……ごめんなさい。今のあたしではきっと無理です」


「……え」


「今のあたしでは、きっと山本君を説得するのなんて、無理なんです」


「……そんな」


 悔しそうに俯いた寧々に、茫然自失としたあたしだったが……確かに。

 さっきの流れで山本を説得出来なかった寧々という子――寧々では、無理かもしれない。


「でも」


 ……寧々は顔を上げた。


「でも……林さんなら……っ!」


「え……?」


「林さん、バイクを買ってみませんか?」


「……え?」


「山本君を説得したいんでしょう?」


 突然の申し出に、開いた口が塞がらなかった。


「だったら、自分でバイクを覚えればいいんです!」


「……!」


 ただ、寧々の言葉を聞いて、あたしに電流が走った。


「林さん、バイクを買いましょう! そして、山本君にバイクを買わせましょう!」


 あたしはゆっくりと、拳を固めた。


「うんっ!」


「そんな金ないだろ」


 あたしの目論見は頓挫した。

最近、何かを書きたい欲に駆られるが、何かを書き出す気にならなかった。

思えば話を書くことが生活の一部になっていた部分もあるため、虚無の時間を過ごしていた……と思うかもしれないが、そんなことはない。


最近の私のトレンドはダイエット。

約半年でなんと25キロの減量に成功した。

愛してるぜ、鳥むね肉!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。と思ったけど、前書き見ると偽物かw 前話までの自分じゃ気が付かなかったよw 三人殺したスーパーカブなら一万円で手に入るかも…。でも、免許のほうが問題か。
[良い点] 感謝感激。 この日をどれだけ待ったことか笑 今後もゆっくりと頑張ってください笑
[一言] 更新感謝。 前回の「一緒にツーリングしたい」の展開からどうなるかと思いましたが…無念
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