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なんでもするって言ったよね?  作者: 天一神 桜霞
第二章 紅に散る花影
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⑩ 夢幻の秘園

 ダスク・ファングの抗争が終わり、スカーレット・リップスの初陣も成功を収めた。

 だが、俺たちの敵はダスク・ファングだけではない。

 だからこそ、ポーラはそれだけでは満足しなかった。

 支配とは恐怖と利得の天秤――その釣り合いを操ることこそが肝要だと、彼女は誰よりも理解していた。


 ポーラの策略は大きく分けて3つ。


 一つ、標的はあえて“誰もが知る顔役”を選ばせた。

 葬られた男の名は、夜の町を知る者なら必ず耳にしたことのある存在。

 その死は稲妻のように広がり、恐怖は瞬時に町全体を覆った。


 二つ、死因を操作した。

 毒殺に見せかけたり、急病に偽装したり――証拠を散らし、真実を煙に巻く。

 人々は「見えない死」の恐怖に囚われ、疑心暗鬼を募らせるしかなくなる。


 三つ、商人や職人の有力者には「保護」の名目で接触した。

 従う者には商機を与え、逆らう者は見せしめに葬る。

 “従えば富、抗えば死”――この二律背反が、じわじわと町の骨まで染み込んでいった。


 彼女は夜毎、女として俺を愉しませてからベッドの上で報告を行った。その席にはランダも同席し、静かに耳を傾けていた。

「恐怖だけでは人は暴発します。ですが、恐怖と利益を抱き合わせれば…彼らは進んで、あなたの影に縋るようになるでしょう」

「なるほどな、恐怖と欲で首輪を締めるってわけか。……面白い」

 その一言に、ポーラの胸は熱く満たされた。

――認められた。この方の参謀として、自分は確かに必要とされている。

 その実感が甘美で、そして女としての欲望と絡み合う。

 彼女の視線は、無意識にジャックの横顔を追っていた。

 血に塗れた残虐さも、誰も敵わぬ力も、女を悦ばせる奔放さも――そのすべてが、彼女にとって抗い難い魅力に映っていた。


 ランダはそんなポーラの熱を、敏感に感じ取っていた。

 彼女自身もまた、俺を崇拝する狂信者だ。

 だが、ポーラのように「参謀」として仕える形ではなく、あくまで「従者」としての忠誠である。

 ――けれど、二人の在り方が違うからこそ。

 彼女は焦りではなく、むしろ誇らしさを覚えていた。

 俺の存在は唯一無二。女の形は違えど、誰もがその足元に跪かざるを得ないのだと。



 組織の強化が進む中でも、俺は己の欲望を忘れなかった。

 夜、宿の一室でランダを呼び寄せると、彼女はすぐに従った。

「ジャック様……今宵もお相手を」

 彼女は一糸纏わぬ姿で膝をつき、その瞳は恍惚に染まっている。

 彼女の頬を掴み上げて、笑った。

「お前は本当に俺に尽くすことしか考えてないな」

「はい……それが、私のすべてですから」

 ランダはそのしなやかな手で頬に触れる俺の手を掴むと、自らの柔らかな膨らみへ導く。

 二人の夜は、甘美でありながら残酷な色を孕んでいた。ランダにとってそれは快楽であり、狂信でもあった。


 また別の夜、今日もまた彼女から成果の報告を受けていた。

「彼女たちがまた一つ仕事をしてくれました。これで頭を失った『アッシュ・クロウ』が壊滅するのも時間の問題でしょう」

「そうか、よくやった」

 褒めて遣わす相手の頭を撫でてやると、彼女は女としての顔に戻って悦を浮かべた。

「ふふっ、ありがとうございます…ジャック様」

 彼女にしてみれば、この町を牛耳るのもそのデカい胸で男に奉仕するのと大して変わらないくらい容易いものだったのかもしれない。

 元々、彼女一人で裏社会へ上り詰め、その名を売っていたのだから、俺というチカラを得た今…その結果をもたらしたのはある種当然ともいえるだろう。

「お前の策略も上手く機能しているようだ。今日も昼間町を歩いていても、その様子が見て取れたぞ」

「まあ、そんな…。ジャック様のお力添えがあってのことです」

「そう謙遜するな。お前の最大の魅力であるこの胸のように誇らしく思え」

 先程から男の逸物をあやし続けている乳房を軽く指でつついてみせる。

 すると、惜しげもなく披露された肌が沈み込み、程良い弾力が返ってきた。

「はい。こうしてジャック様にお仕えし、ご奉仕できること…嬉しく思います」

「っ…、まあいい。褒美をやろう、そのまま受け取れ」

 その言葉で意図を察したポーラは動かす手を早め、俺を更なる快楽へ導く。

「ふふっ、ご褒美…いっぱい欲しいです。このまま、いっぱい――あはぁっ」

 上目遣いで褒美をねだる彼女につられて、ついに白いそれは迸った。

 大きく深い谷間から噴き出し彼女の顔も汚していく白い褒美は、やがて彼女の三角州へ小さな泉を作る。

 口元についた褒美を自ら指ですくって艶めかしく口へ運ぶと、彼女は今日一番の艶やかな顔を見せた。

「んふっ…ジャック様のご褒美、とてもおいしゅうございます」

 彼女が手を離しても、彼女の魅力が彼を放すことは無かった。


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