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なんでもするって言ったよね?  作者: 天一神 桜霞
第二章 紅に散る花影
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① 契りの夜明け

 人々の声が僅かに漏れ聞こえてくる中、宿屋の一室では未だベッドで寝たままの男女の姿がある。

 しかし、男は窓から日が差し込み、鬱陶しい明かりが目に入ったことで目が覚めてしまった。

「ふぁ…ぁ、もうだいぶ明るいな…」

 寄り添うように同じベッドで寝ている少女の寝顔を見ると、自然に昨夜の情事が思い起こされた。

 あのキノコ塗れになった生意気な女の口直しも兼ねていたとはいえ、随分と張り切ってしまった。

 だが、それだけ夢中になるほど良い拾い物をしたということでもある。

 安心しきった寝顔を晒し、人の血で汚れ切った俺の手に愛おしく自らのしなやかな手を重ねる彼女は初めて会った時とは大違いだ。

 まあ、それもそのはず。

 同族に毒を盛られて死んでしまう間際だったのだから、毒に犯されていた姿と男に犯された後の姿ではまるで違う。

 それに、昨日の彼女の様子から考えると、あれは犯すというよりは自ら身体を差し出し男に奉仕していたという方がしっくりくる。

 その違いもあってか、今まで犯してきたどの女とするよりも快楽を得ることができた。

 単純に彼女の容姿や素質が高いというのもあるだろうが、それらの女とは俺に対する意識、特に好意という面で違っていたのだろう。

 あの一件を経て彼女の俺を見る目が変わったのは明白で、好意というよりはもっと違う何かにも感じられたが今までの女から思われていなかった感情であるのもまた同様。

 初めての情事とはいえ、百人切りをしてきた女とするよりも得られるものが大きいのは嬉しい誤算だ。

 時に命乞いをする為に必死になって奉仕してきた女もいたような気がするが、彼女の対応や反応はそれともまた違っていた。

 口に始まり胸やナカでも奉仕させたが、ランダの覚えや適応力は早くその美貌も相まってすぐにでも一流の娼婦にのし上がりそうなほどだった。

 しかし、それも相手との距離感によるものが強く影響しているのであれば、その真価を発揮するのは今のところ俺の前だけということになる。

 まあ、彼女に娼婦の真似事をさせても得られる物も無く、必要であれば金など奪えばいいのだからたった一人俺だけが役得を得られるというものだ。

「んっ……、ぁ、ジャック様。おはようございます…」

 特にすることも無いのでボーっと彼女の寝顔を眺めていたが、視線に気づいたのかそのうち彼女も目を覚ました。

 とはいえ、嫌な視線ではなかったようで、寝惚け眼で俺の顔を認識すると安心したように頬を緩めていた。

「まだ身体は痛むか?」

「…いえ、大丈夫です。お望みでしたら、今からでもまたお相手できます」

 俺の言葉で痛みを再認識したのだろう、一瞬眉を歪ませた素振りを見せた彼女は健気にもそう言った。

「俺に嘘を吐く必要は無い。というか、俺に嘘を吐くとは良い度胸だ」

「…申し訳ありません。実を言うと、まだ少し…お腹の奥が痛む感じがあります」

「破瓜の痛みってのは一晩寝れば治るものではないと聞く。そういうものだろう、俺が一生知ることは無いがな」

「ふふっ、そうですね」

「ところで、ランダ。痛むのは下半身だけで、こっちは何ともないだろう?」

 生まれたままの姿でいた彼女の膨らみへ無遠慮に手を伸ばすと、そのまま軽く揉みしだく。

 すると、彼女は痛みも忘れて恍惚とした表情を浮かべ、言いたいことを察した。

「はい、…あっ、朝からまたこんなに大きく……」

 一糸まとわぬ姿でいたのは俺も同じだったので、朝からメキメキとヤる気を見せる雄々しい姿を見つけると、彼女はさらに頬を赤らめた。

「とりあえず、今はこっちでしてもらおうか。昨日教えたことの復習も兼ねてな」

「はい、お任せください」

 断ることなど忘れてしまった彼女はもぞもぞと動き始めると、俺の下半身の方へ移動しその柔らかな肢体で俺という男を包み込んだ。

「あぁ、いいぞ。その調子だ」

「はい。いっぱい気持ち良くなって下さいね」

 昨日の今日で教えたことを理解し、実戦に活かせるというのはなかなかできることではない。

 やはり、これも彼女の飲み込みの早さか、あるいは一種の才能か。

 もはや、男を逃さず包み込んで奉仕する術を習得した彼女には教えることなどなく、事を任せてしまって大丈夫そうだ。

「んっ…んぅっ…あっ、はぁんっ……」

 時折漏れ聞こえる吐息も楽しみながら、快楽を感じつつ今後のことに頭を使っていた。

 さて、ランダを従者のように迎え入れたのは良いが、かつてそのようなことを本気でした覚えはない。

 短期的に旅を共にすることは男であれ女であれ経験はあっても、最初から切り捨てることを念頭に置いた戯れに過ぎなかったので、彼女のようなケースは初めてだ。

 何をしようか、何をさせようか。はたまた、何からした方が良いのかと色んな考えは巡るが、改めて従順に奉仕する彼女の姿を見るとその方向性はなんとなく固まった。

 俺が如何に強くてもできないことはある。

 今ランダが行っていることもまたその一つだ。

 要は、俺にできないようなことを彼女に覚えさせて、できるようにすればいい。

 ざっくり決まった方向性はそんなものだった。

「そろそろ、イクぞ」

「はいっ、どうぞ…でしたら、このままお口に…ジャック様の因子を出して下さいませ」

 昨日教えたのは口の奉仕と胸での奉仕、それぞれ別々だったはずだが、もう既にそれを掛け合わせた複合技を繰り出してくるランダの順応性は確かだ。

 おかげで、急速に下半身へ快楽の波が集まり、溢れんばかりの欲望はそのまま勢い良く飛び出していく。

「んぷっ! んんぅっ! …んっ、んぐっ、んっ、んんっ…んっ、んんぅ…んっ、んぅ…ごくっ…ごくっ、んふぅ…」

 昨日散々出したわりには今日も朝からたっぷり出てしまった気もするが、それでも彼女は一滴も漏らさずに出されたものを全て綺麗に飲み干した。

 女になったばかりの朝でもこれだけ熱心に、そしてたっぷりと男を楽しませられたのだから彼女に少しは労いの言葉を掛けてやってもおかしくはないだろう。

 何度も喉を鳴らしてへばりつく様な白濁液を飲み干した彼女の頭に手を置いて優しく撫でてやれば、彼女もまた嬉しそうに頬を緩ませた。

「上出来だ」

「あはぁ…、ありがとうございますジャック様ぁ…」


 朝からしっぽりと楽しんだところで、改めて身支度を整えると所々床板の軋む古びた宿を後にする。

 起床したのも遅ければ、その後ゆっくりとお楽しみをしていたことで通りには既に人々が行き交い商店も開いていた。

 強者であろうと弱者であろうと一定の間隔で腹は減る。

 ランダを含め、まだ今日はろくに口にしていなかったので、その辺で売っている適当な食べ物を買って食べることにした。

「そうだ、今日は少し遠くまで行こうと思ってな」

「はい。それで、どちらへ?」

「知り合いの医者の所だ」

「お医者様ですか…。ジャック様、どこか悪いところでもあるんですか?」

「いや、俺じゃない。お前を診てもらおうと思ってな」

「私ですか?」

「あぁ、一応治ってはいるようだが、この間の毒が残ってないか確かめにな」

「ジャック様…。そんなにも私のことを心配して下さっていたのですね」

「心配…? まぁ、そういうことにもなるか。そいつは昔俺も良く世話になった医者でな。俺が言うのも難だが、性格やらなんやらが変わってはいるものの腕は確かだ」

「ふふっ、それはそれは…。ですが、ジャック様が信頼を置いているお医者様でしたら、私も安心です」

「あぁ、俺も手元に女を置くからには性病が無いかちゃんと調べてもらわないと、安心して気軽に抱けないからな。まあ、スリルがあるのも悪くないが、俺のモノが使い物にならなくなってはどうしようもない」

 明確な理由を口にしておいただけなのに、急に彼女の表情が強張ったように見えた。

「……ジャック様、先程のはあくまで建前でそちらが本音ですか?」

「いいや、建前でも何でもなくどちらも本音だ」

「…分かりました。元よりジャック様の意見に口を出すつもりもありませんし、それで安心して下さるなら問題ありません」

 何だかよく分からなかったが、今までと同じような様子に戻ったランダはその後も傍を離れようともせず、ただただ寄り添うように俺に付いてきた。


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