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追跡者

ココと別れ、宿に戻る道すがら、背後に気配を感じた。


どうやら、誰かにつけられているようだ。


とりあえず、尾行をまくべきだろう…、さり気なく歩く速度を上げる。


相手も焦ったのか、慌てて追いかけてきた。


…人数は、3人。


ただココが通報している場合は待ち伏せも考えられる。


まだそう決まった訳ではないが…。


となればやや遠回りして帰るべきだろう。


そう判断し、走り回ったのがまずかった。


ある程度、この町の中を把握はしていたが、走ったことによって完全に道を見失った。


更に袋小路にぶち当たり、引き返すも追跡者に追い付かれ、対面した。


素知らぬ顔で通り過ぎようとしたが…。


「おい、お前!止まれ!」


と、呼び止められる。


「何でしょうか?」


「なぜ逃げた。」


「逃げたとは?」


「シラをきるな!!尾行をまこうとしただろ!!」


「身の危険を感じたもので…、普通の理由でしょ?」


「まあ、いい。簡単には逃げられんがな。」


彼の後方から残りの2名が姿を現す。


「…ご用件はなんでしょうか?こう見えて商人なもので、困りごと等あればご協力させて頂きます。」


「そんなことはどうでもいい!お前、どういうつもりだ!!」


「どうとは?」


「貴様、ココをつけ回しているらしいなあ。」


「そんな滅相もない。」


「そんなはずがない。この町しか知らない純粋な彼女に近づき、嘘くさい愛の言葉と中毒性のある薬物を配り、虜にし、この町から連れ出し、借金地獄に落とし、かごの鳥のよう猛る男たちの前で歌わせ続けるに違いない。」


「…妄想にしては素晴らしい。作家にでもなればよろしいのでは?もちろん喜劇の。」


「まだそんな軽口が叩けるとはなぁ。…取り敢えず無駄口がきけなくしてやる。」


3人の男女に囲まれる。


「…あの、無罪の可能性はあると思うのですが、その辺はどう考えていますか?」


「衛兵も地元の人間と余所者の言葉、どちらを信じるか…分かるだろ?」


「…。」


田舎怖い。


ただ、この場からも逃げられそうにない。


観念して、顔を両腕でガードし、この場を耐えることにした。


しばらく殴られ続けた後、暴漢共は俺から財布を奪い、鼻を潰し、服を破き、最後に「もう二度とココに近づくな!!」と俺を足蹴にしながら捨て台詞を残し去っていった。


一人取り残され、荒くなった息をしばらく深呼吸で落ち着かせ、片手を地面に付け、よろめきながらも立ち上がり、服の埃を払う。


2年前の牢獄でもここまで酷い扱いは受けなかったとぼそぼそとつぶやきながら、あのときは本当に死ぬかと思ったなあ、と再度つぶやき、宿への道を歩いた。


宿が見える位置まで来るとフードを被り顔隠した誰かが立っていた。

面白いと思って頂けたら、嬉しいです。


道 バターを宜しくお願いします。


他にも作品をアップしています。

作者ページを見て頂くと、なんと!?すぐに見つかります(笑

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