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神の使い?ホントに?

目が覚めると、天井が見えた。


眠っていたようだ。


そして、無意識に右肩の付け根に触れる。


やや痛みが走った。


記憶ではバイト先のコンビニに車が突っ込み。


窓際に陳列していた土産用の街のシンボル的な尖ったタワーの置物(デカ過ぎて売れ残っていたヤツ)が右肩に深く刺さった。


こんな恥ずかしい死に方はしたくないと思いながら、大量の血と気を失った。


現状、有るべき置物は右肩にはなく、そこには包帯が巻かれている。


記憶にはないがしかるべき処置を医療機関で行ったようだ。


意識を周りに向けてみる。


湿布のような香りと木の香りがする。


一見静かだが時折、すー、すーという呼吸音がする。


辺りは暗い。


夜のようだ。


月明かりが部屋を照らしている。


清潔そうなシーツ、明かり取りの窓、木製の扉、花瓶に添えられた花、照明用ランプ…、そして、見知らる子供がベットにもたれ寝ている。


子供の頭髪はブロンドのボブカット、服装はみすぼらしくない格好だが…、だが、現代人が着るような配色の服というよりは生地そのままの色という感じだ。


…やはり、なにか引っかかる。考えに耽ろうとしたときに誰かから声を掛けられた。


「成功した?」


ボブカットの子供かと思ったが、違うようだ。口が動いていない。


「どっち見てるのこっち、こっち」


声が聞こえる方向に振り向くと派手な格好の美女が立っていた。


「で、どう?意識はある?」


「あなたは誰ですか?」


「あ、そっかぁ、そうっすよね。えーと、私はさき…、です。神の使いです。」


「神の使い?」


「…。」


しばらく眺めていたら、視線を反らす神の使い?


「…、ウソだろ?」


「信じてないだろうけど、ホントだし!証拠だって有るし!この円を描くような丸い角を見て下さい。神の子羊たる所以でしょ!!」


「神の子羊というよりは…、悪魔っぽいけどね。」


「…。」


視線を合わせるが目が泳ぐ神の使い。


「うん?」


「それよりも、どうですか、戻って来れた感想としては?」


「戻って来れた?感想?なんですかそれ?」


「だから、あなたの願いを叶えるために時間を巻き戻したんでしょうが!」


「えっ!?」


「契約するときに言ったでしょ。」


「何を?」


「初恋の人と付き合って、人生やり直したい!!って」


「えっ??」


「昔、初恋の女性に告白されたんだって、あの時意味も分からずに断ってなければ、こんな生き方も死に方もしなかったんだ!みたいなことを叫んでたじゃない。まあ、あのとき死にかけで、パニックだったのは分かるんですけど。」


「死にかけ…。」


「あまりにも悔いが残るって感じで、チョロ…じゃなかった。不憫に思ったんで、願いを叶えた訳ですよ。」


「…そうですか。すいません、ひとつ質問ですが。」


「なんでしょう。」


「今、何年くらい遡ってるんですかね?まったく記憶にない風景なんですが…。」


「またまた、ざっと数百年位ですかね。」


「…、すいません、神の使いさん、人間の寿命はご存じですか?」


「そんなの…、人生50年???、あれ?あなたは何歳ですか?」


「30歳ですかね、ちなみに初恋は16歳です。普通は14年前に戻ると思うけどね。数学じゃなくて、小学生レベルの算数の計算ですよ。」


「…てへぇ☆」


「いやいや、誰の初恋なのこれ、ねぇ!ねぇ!ねぇ!」


「だってあなたの名前はケント・タイラーでしょ。」


「平 賢人ですよ。」


「一緒じゃん!」


「違うよ!激しく違うよ!ってか漢字だよ!!…あっ!?」


「なに?」


「あー…、曾祖父と同じ名前だとは聞いてたけど、外国の血が流れているとは話半分で聞いてたけど、マジで?」


「マジみたいですね。まあ、そういことで」


「いやいや、契約と違うでしょ戻してよ、せめて14年前に!」


「…、それちょっと無理ですね。」


「なぜ!」


「いやあ、不可抗力つうか、なんつうか…」


「だからなに!」


「あの…、あなたの曾祖父のケント君と魂入れ替えちゃたみたいで…てへぇ☆」


「はあ!?」


「イヤね、もう。普通は過去に戻るなんてできないでしょうねぇ、ねぇ!」


「分かんないけど、…まあ普通はね。」


「そしたら、依り代というか、代償というか、生け贄?みたいなのが要りますよね。儀式的なことの為に。」


「依り代、生け贄、儀式?」


「だから、貴方と同じ様に初恋の経験で悩んでいたケント君の魂を犠牲にしたの。名案でしょ。一つの体に魂は二つも入らないしね。」


「はあぁぁぁぁ!!」


「契約の履行は絶対なのです。ちなみに、ケント君の初恋も叶わないけどねぇ、家系そろってなさけない、フフフッ☆」


「なにしてくれてんだよ、この悪魔が!!」


「おっ、それも思い出した?」


「…。あ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁ。」

面白いと思って頂けたら、嬉しいです。

ストックがあるので、暫く続きます。


道 バターを宜しくお願いします。


他にも作品をアップしております。

作者ページを見て頂くと、なんと!?すぐに探せます(笑

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